
【ドイツ】実践!子どもの『4つの気質』に合った育て方~シュタイナー教育~
こんにちは!ドイツで3人子育て中のゆかこです。
今日は、子どもの気質に合った子育てについてお話します。
子供の「4つの気質」って?
シュタイナー教育では、人間の個性を理解するために「4つの気質」という考え方をもちいます。
なんのこっちゃ?と思うと思いますが、ざっくりいうと、
人間は、子どもも大人も、おおよそ4つの気質(性格の要素)でできているということです。
この気質論は、古代ギリシャのヒポクラテスが提唱した「四体液説」に基づいていますが、
シュタイナー教育では特に、子どもの個性を見極め、適切にサポートするために、小学校に入学する際に先生が親に子どもの気質をヒアリングをします。
シュタイナー教育では、
人はみな、「風」「火」「地」「水」の4つのタイプの気質を持っていると考えられています。
誰もがこの4つすべてを持っているのですが、特に子どもの頃はこのうち、
1つか2つの気質が強く出やすいと言われています。
この記事では、4つの気質の特徴を解説するとともに、
それぞれの気質を持った子どもとの接し方のポイントをわかりやすく解説します!
ぜひお子さんの気質はどれかな?と考えながらよんでみてくださいね。
1. 多血質(陽気で好奇心旺盛なタイプ)(風)
◆特徴
多血質の子どもは、
明るく陽気で、好奇心の塊のような存在です。
周りにいる人を自然と笑顔にする魅力があり、いつも楽しそうに活動しています。
しかし、集中力が続かない、飽きっぽいという側面もあります。
◆子どものイメージ
・話し好きで友だちとすぐに仲良くなる。
・新しいおもちゃを見つけたら、次々に遊びを変えていく。
・「あれもこれもやりたい!」と目を輝かせる。
◆接し方のポイント
・スケジュールや活動にリズムを与える
多血質の子どもには、決まった時間に休憩や次の活動を取り入れるなど、リズムを整えることが重要です。
・小さな成功体験を積ませる
目標を細かく設定し、達成する喜びを経験させましょう。
・飽きるのを責めない
彼らの興味の幅広さを尊重しつつ、興味を深めるための手助けをします。
2. 胆汁質(リーダーシップのあるエネルギッシュなタイプ)(火)
◆特徴
胆汁質の子どもは、エネルギーにあふれ、グループの中でリーダーシップを発揮します。大胆で自信に満ちていますが、時に強引すぎるところがあり、また自分が思うようにできないと怒りにつながりやすいです。
◆子どものイメージ
・遊びのルールを自分で決めて、みんなに指示を出す。
・いったん目標が定まると全力でやりとげるような決断力があり、積極的。
・競争や挑戦に燃えている。
・「自分が正しい!」と強く主張する場面がある。
◆接し方のポイント
・責任を持たせる:
彼らのリーダーシップを尊重し、適切な範囲で責任を与えると力を発揮します。
・相手の気持ちを考えさせる:
他者の意見を尊重する姿勢を教えることが大切です。
・エネルギーを分散させる:
スポーツや体を動かす活動を取り入れ、余分なエネルギーを健全に発散できるようにします。
3. 粘液質(落ち着いていて安定感のあるタイプ)(水)
◆特徴
粘液質の子どもは、穏やかで落ち着いています。
何事にもゆっくり取り組み、あまり慌てたりしません。
一方で、変化を嫌がり、新しいことに挑戦するのが苦手な場合もあります。
◆子どものイメージ
・いつも同じおもちゃで遊ぶのが好き。
・じっくりと観察しながら、慎重に行動する。
・友だちとケンカをしても、自分からはあまり感情を爆発させない。
◆接し方のポイント
・安心感を与える:
いつも変わらない安心できる環境を整えてあげましょう。
・新しい挑戦をゆっくり促す:
新しいことを提案するときは、彼らのペースに合わせることが重要です。
・「急かさない」を意識する:
粘液質の子どもに焦りは禁物。自分のペースで進めるようサポートしてください。
4. 憂鬱質(シリアスな慎重タイプ)(地)
◆特徴
真面目で意志が強く、何かを成し遂げるために一生懸命努力します。
自分の考えややり方にこだわることがあり、時には頑固な印象を与えることも。また、嫌なことを忘れられず、いつまでもくよくよと考え続けてしまう傾向があったりします。
◆子どものイメージ
・積み木で遊ぶとき、崩れても何度も挑戦して大きな塔を作る。
・負けず嫌いで、ゲームでも本気で勝ちにいく。
・「どうしてもこれを完成させたい」と集中して取り組む。
・真面目で誠実。五感が鋭く、周囲への観察力がある。
◆接し方のポイント
・目標設定をサポートする
黒胆質の子どもには、達成感を味わえるような適切な目標を与えるとよいでしょう。
・一人で頑張らせすぎない
自分で背負い込みすぎる傾向があるため、適度に手を差し伸べることも大切です。
・感情を受け止める
頑張りすぎて挫折したときは、その気持ちをしっかり受け止めて共感しましょう。
おとなも子供も、自分の気質を理解する大切さ
4つの気質は、子どもを一方的に分類するためのものではなく、
その子の強みや成長のサポート方法を見つけるための道しるべです。
実際には、すべての気質が混ざり合っており、
特定の気質が強く現れる場合もあれば、時期によって変化することもあります。
大人が気質を理解し、それに寄り添うことで、
子どもは自分の個性を受け入れ、自信を持って成長していくことができます。
そして、ここで大事なのは、
親自身も、自分の気質を理解すること。
たとえば、我が家の場合
私:胆汁質(火)
長男:胆汁質(火)
次男:多血質(風)
三男:粘液質(水)
夫:多血質(風)
三兄弟、みごとにバラバラ(笑)なのでよくケンカもしますが
長男と私が胆汁質が被っているので、
お互い「自分が正しい!」ってぶつかってしまったり、
怒りっぽい二人が並んだりしてしまうんです(笑)
そんなときは、接し方のポイントの一つ
相手の気持ちを考えさせる に従って、
「ママは、たたかれて悲しかったよ」
「長男くんは、今、どんな気持ち?」
と聞くようにしています。
我慢強さと責任感から、胆汁質の気質のタイプは
自分の感情を表現するのが苦手な傾向にあります。
私自身、大人になっても
感情の表現をするのが苦手なので、
シュタイナーのこの気質の考え方を知ってからは
意識して「どんな気持ちなのか」を言葉にするようになりました。
みなさんは、自分もお子さんは、どの気質が強いと感じましたか?
ぜひ日々の関わりの中で、子どもの気質に意識を傾け、
その子の輝きを引き出してあげてみてください!

税所 裕香子
Yukako Saisho
- 居住国 : ドイツ
- 居住都市 : ザールランド
- 居住年数 : 1年
- 子ども年齢 : 6歳、3歳、1歳
- 教育環境 : ワルドルフキンダーガルデン