【ドイツ】「幼児の力」を甦らせるシュタイナーの”親”教育 〜その1〜

思いっきり遊ぶ?!シュタイナー流保護者会

私たちの通うシュタイナー幼稚園では、
「Eltern Abend(両親の集い)」というものが、2か月に1回ほど、平日19時から開かれる。
その名の通り、親と先生が集まり、子供の日々の暮らしのシェアから、これから開かれるイベントの企画などを話す場である。

子供たちが日々過ごす木のぬくもりが広がる教室で、夜、あたたかなろうそくの光に包まれながら
まあるい円を作って、子供サイズの椅子に座って話す時間はなんともおだやかで神秘的である。

イベントの打ち合わせも、もちろん創造的で興味深いのだが、
さらに会の中で興味深いのは、毎回子供たちの目線になって、
「日々の幼稚園での暮らしを体験する時間」があることだ。

あるときは、「自分の子供になったつもりで教室のなかで思いっきり遊んでください」というお題が出された。
ひとりひとりお題の紙をくじ引きでひく。
私は「消防車で遊ぶ」というお題であった。

シュタイナー幼稚園には、もちろんプラスチックでできた消防車のミニカーなんてものは、ない。
自分で作らなければならないのだ。

私は、積み木をつかってちまちまと消防車のかたちになるようにつくってみたが、
先生たちは、もう一歩工夫を、というかのようにニヤニヤとした反応。

一方で、他の歴の長いベテラン親たちはどうだろう。

がたがたと椅子を集め、布を広げ、
何人も乗れる車をつくって、
頭にもいろいろ巻きつけ、「いざ出陣~!」と大賑わい。

お父さんお母さん問わず、
ある人は転がり、ある人達は手をつなぎ、こどもになって本気で遊んでいる。

さすがだな、と私は舌を巻いた。
こんな風に親がこどもみたいになって、家でも日々両親たちに遊んでもらえたら最高だろう。

〜その2に続く〜

税所 裕香子

Yukako Saisho

  • 居住国 : ドイツ
  • 居住都市 : ザールランド
  • 居住年数 : 1年
  • 子ども年齢 : 6歳、3歳、1歳
  • 教育環境 : ワルドルフキンダーガルデン

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