
【ニュージーランド】NZのランチボックス制度と子供の自立
前回の記事で、私がどのようなランチボックスを作っているのか、どうしてそのようになったのかというお話をさせていただきましたが、これはその続きとなります。
ニュージーランドのランチボックス制度は、幼児の時から始まっています。
ニュージーランドでは、子供が幼児のころから、外出する際に、ランチボックスを持って行って、移動中の車の中やちょっとした時間に、おなかが空いたら自分で開いて自分で食べたいものを食べる、ということをやっています。そしてこのランチボックスは、夕飯までの間で、おなかが空いたらいつでも食べられるように作ってあります。これ一つあれば、お昼ご飯も間食も、その日の昼間の食事がすべてカバーできるようになっているのです。
そんなランチボックスは、幼稚園やプレイセンターに行くと、水筒と一緒に入れておく場所が決まっており、それ以外の着替えなどとはまた別で管理されていました。子供が食べたいときに自分のランチボックスを自分で取り出し、食べられるようにしておくためです。
小さいときは特に食事時間にばらつきがありがちなので、プレイセンターでは食べたいときに食べる、という方針でした。食べるテーブルは決まっており、大抵の時間は誰かがそこで食べていました。親も、子供の機嫌や遊びに集中しているかを観察しながら、必要なら食べさせるよう、促したりしていました。
プレイセンターでは、遊びも食事も自主性に任せてあるので、少し大きくなってくると、自分が食べたいときに自分で自分のランチボックスを持ってきて、自分で座って食べる、ということが自然に身についていきます。
息子が行った幼稚園もこれとほとんど似ていましたが、多少の違いはありました。幼稚園は3歳以上しかいない、という環境だったからか、大体いつでも食べたいときに食べられるというのは同じなのですが、テーブルが食べるテーブルとして扱われているときには、テーブルクロスがかかっている、という決まりがありました。
例えば、誰かがおなかすいて食べたい、となったとき、テーブルをセッティングしてもらえるように、先生に話します。すると先生がテーブルクロスをかけて準備してくれるので、それを見た他の子も、食べたかったら自分のランチボックスを持って集まってくる、という感じです。
日本に長期で帰国していた時は、保育園の給食にとても助けられました。給食は初めてのことだったので、とてもありがたかったのですが、一方で、朝食のプレッシャーが大きかったです。給食まで何も食べられないので、午前中にお腹が空かないようにしようとしましたが、うまくいかないことも多く、ニュージーランドでいつでも食べられる環境にあった息子にとっては、慣れるまでは大変だったかもしれません。
保育園でも、子供が小さいときは自由に食べられる環境だと、子供も空腹を我慢することがなく遊びに集中できるのでは、と思いました。けれど、給食の環境だとできないこともあるでしょうし、どちらも一長一短なのかもしれません。
私が思う、ランチボックスのいいところは、いつでも、特に朝からでも、ちょこちょこつまめるところです。
幼稚園では、大抵朝一でテーブルクロスがかかっており、何人もの子供が食べていました。プレイセンターでも、来てすぐに何かつまむ子も多く、私も、朝の時間が忙しいと、とりあえずプレイセンターまで行けばなんとかなる、と思っていました。朝食の時間があまり取れなくても、子供が食べてくれなくても、朝、幼稚園やプレイセンターで食べさせられることができる、ということは、とても心強かったです。
これは、実は小学校でも同じです。
息子と一緒に小学校に登校すると、必ずランチボックスを開けて食べている子を見かけます。たまたま見たひとりの子のランチボックスは、房についたブドウ、リンゴ丸ごと、クッキー、マフィン、スティック状にカットした生の人参5本、それらが一緒に、区切りのないランチボックスに入っているものでした。
お弁当という概念からするとかなり雑多なのですが、その子は朝教室に入り、まず、ランチボックスを開けて、クッキーを食べてから授業が始まるまでを遊んですごしていました。
こんな様子なので、みんなで座っていただきます、というものもありません。それぞれ食べたいときに食べて、時間になったら片づけて遊びに行く、ニュージーランドではそれらも自分で全部できるように教育されており、朝弁したからと言って、誰かから何か言われることもありません。
与えられたものの中で行動する、ランチボックス一つにしても、全て自分の判断に任せられているのです。ニュージーランドでは、子供の時からそう教えられているのです。

水野 宏美
Hiromi Mizuno
- 居住国 : ニュージーランド
- 居住都市 : クライストチャーチ
- 居住年数 : 15年
- 子ども年齢 : 6歳
- 教育環境 : 現地公立小学校


