【タイ】10歳の挑戦 〜番外編〜

息子が10歳の夏に経験した挑戦を前回、前々回の記事で紹介しましたが、
この番外編は、私がしてしまった大失敗について、お話しします。

それは、「お金の教育が足りなかったこと」です。

一足先に日本へ1人で渡航する息子に、自宅にあった一万札を日本滞在期間全ての軍資金として渡し、送り出しました(これは少額を用意していなかった私の失態です)。ところが、私と娘が追いかけて日本に行くまでの5日間で、十数冊漫画を購入していたり、コンビニのくじ引きを何度も購入したり(義母が止めてくれたそう)、他にも高価な文房具やお土産など購入しており、再会した時にはすでに残金が半分以下。私は大変ショックを受けました。

お小遣いは大事によく考えて使わなければいけないことや、漫画本の持ち帰りは重いしかさばるしで大変なことを話しました。しかし一度タガが外れてしまった購買意欲を抑えることは、この日本滞在では難しくなってしまいました。その後も毎日のように、歳の離れた従姉妹たちと買い物しては帰ってくるという日々を続けました。

私のお金の教育の失敗には、次の5つの要因が考えられます。

①一時帰国では親の買い溜めを見ていること

日本に来た時にしか買えないものや、日本だと安いものを日本滞在中に大量に買う姿を見せていること。日本でなら大量に買ってもいいという気持ちを促してしまった。

②日常に触れる通貨が複数混在し、金銭感覚が育たなかったこと

生活はタイバーツで考えているが、日本からの輸入品は少々高く「円なら⚪⚪円だよ」という会話があり、またイギリスカリキュラムの学校では算数はポンドで計算するため、日常で3通貨に触れる環境。そのため、物の価値や適正な価格の感覚が自然に育たなかった。
例えば、学校近くのタイの小さな商店では、20バーツ(80円)あれば十分なおやつが買えるが、日本から輸入のグミは一袋40バーツ(160円)。一つの通貨で金銭感覚が身についていないと、何が高くて何が適正かの判断が難しい。

③常に親と行動を共にする生活では、支払いは親任せであること

日本のように自由に子どもたちだけで出かけることができない環境では、常に親とセットで動く。そのため、支払いは基本的に親。遊び場、食べ物、交通費など、出かける際にかかる金額がいくらか気にしていないと思われる。

④お金持ちの気分にさせてしまったこと

我が家はお小遣い制ではなく、家庭内でアルバイトをして稼ぐ方法であるため、なかなかお金は手に入らない。ところが、渡航時に急に大金を渡し、自由に全て使えると勘違いさせてしまった。また学校のお友達は裕福な家庭の子が多く、普段からお金を自由に使える様子を見ていた。

⑤予定を知らせていなかったこと

お金を使うことができる予定や買い物の予定を伝えていなかった。そのため計画的に使うことができなかった。

実は、このうち①〜④は、海外育ちのサードカルチャーキッズによくあることなのです。3S bank(Spend-使う、Save-貯金、Share-寄付)の考え方を教えたり、お小遣い帳をつけることを提案したり、私なりに気をつけてお金の教育をしてきたつもりでしたが、もっと小さい時から、この特殊な環境に合わせた説明をすべきでした。また、一つの通貨に決めて、それを基準として金銭感覚を養わせる必要がありました。
今年からはお小遣い制を導入し、長期的に貯める、使うということを考えてお金と付き合って欲しいと思うので、近いうちにお金の教育について学ぶつもりです。

皆さんのご家庭では、どんな工夫をしていますか?良かったら聞かせてくださいね。

(余談ですが、今年のお正月にあげたお年玉は早々に3Sに分けていました。最近では、毎月使える金額を計算して、「このパンひとつしか買えない」だの、「今月は残り15日あるからまだ使わない」だの呟いています。また、お小遣いアプリをダウンロードして、出納を記録しているようです。)

fumi

fumi

  • 居住国 : タイ
  • 居住都市 : バンコク
  • 居住年数 : 10年
  • 子ども年齢 : 10歳、4歳
  • 教育環境 : インターナショナルスクール

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