【タイ】タイ人ママに学ぶ、子どもの支え方

みなさん、サワディーカー!
今回は、タイ人ママに学ぶ、子どもの支え方についてお伝えします。

数ヶ月ほど前、私は息子のことで悩んでいました。

息子は、学校の水泳チームに2年弱ほど前から入っているのですが、どうも成績が振るわない。振るわないのは仕方がないとしても、なぜもっと勝とうとしないのか、もっと速くなりたいと思わないのか、と幼い頃は負けず嫌いだった私には理解ができませんでした。

競争が苦手な子もいる、勝ち負けにこだわらない子もいる、息子はどちらかというと争いや戦いは苦手なタイプ、競争心もあまりないタイプ、というのはわかっているつもりでした。

でも、週4日、2時間、毎回5,000mから6,000mも泳ぐようなタフな練習をこなしているにも関わらず、なぜもっとやる気を出さないのか!といきなり昭和のスポ根を出してきて、叱咤激励した時がありました。

せっかく日々、こんなにトレーニングに励んで、大好きなゲームをする時間を削ってまでやっているのに。
パパもママも妹も、息子の水泳の為に全力でサポートし、コーチやチームメイトにも恵まれ、個人競技だからって一人でやっているわけではない!

そんな風に、怒ったと思います。
とても悲しそうな顔をして、私の怒りを聞いていたことを覚えています。
そして息子が一言。

「ママたちは、僕に勝ってほしい、強くなってほしいと言うかもしれないけど、僕はfor funでやっているんだ。」

え!for fun ?!
私は心にモヤモヤが残りました。

そして、ここは多方面でお子さんが活躍しているタイ人ママ友に相談してみよう、と連絡をとりました。
洗いざらい打ち明け、「どうやってあなたの子どもは多方面で良い成績を残して活躍しているの?」と聞いてみました。

その答えはとてもシンプル、しかし新鮮なものでした。

「もちろん負けず嫌いな性格もある。でも私は楽しんでやって欲しいから、楽しんでやらないと辞めてしまうから、だから厳しく言う旦那さんには厳しく言うのをやめてもらったの。そしたらすぐに前よりもそのスポーツが好きになったよ。練習したくない時は、しなくてもいいって言っている。平日はYoutubeは禁止しているけど、観てリラックスしていいよ、っていう日もある。」

私は全く真逆のことをしてしまっていました。
私のアプローチは正しい方法だったとは思っていませんでしたが、しかしそこには、子どもが自発的に楽しいから続ける、という意識が脱落していたのです。

私は息子に水泳はできる限り続けて欲しいと思っていました。
サードカルチャーキッズ(TCK)は移動を繰り返すと成功体験を積むことが難しい場合があります。ですので他国へ移動した時でも続けられるスポーツをして欲しかったし、思春期のストレス発散の為にもスポーツをして欲しかったからです。そしてなにより学校のチームに入ったことで他学年までも人間関係が広がり、自分の居場所を見つけ、語学力も飛躍的に伸び、優れたチームメイトと過ごす時間を大切にして欲しかったのです。

大会で勝とうが負けようが、ベストタイムを出せようが出せまいが、それは重要な事でなかったことにやっと気がつきました。
その日、息子が帰って来ると息子に謝罪し、私が間違っていたことを伝え、楽しく続けることが一番大事だよね、と話をしました。

ふと、水泳チームに入るときの誓約書のことを思い出しました。
そこには、「技術的なことや成績のことはコーチが指導します。親は子どもたちをencourageしてください。」と書いてありました。

それからは、学校でもタイ人ママ、パパたちの素晴らしいところに気づくことがあります。
親の参加できるイベントには、熱心に参加するし、何より親たち自身がとてもはしゃいで楽しんでいます。我が子を応援するときは大声で叫ぶし、人の子を応援するときも叫ぶし、自分の子が勝てば大喜びするし、人の子が負ければ「よく頑張った!」と叫んでいます。劇の観覧にも、裏方役の子の親もくるし、人の子どもの活躍も喜んで、声をかけて写真を撮って送ってくれます。
とてもとても温かい大きな親の輪が全ての子どもたちを励まし勇気を与え背中を押しているような感覚がするのです。

その環境を見て、私は思いました。
これが正しい子どもの支え方ではなかろうか。

水泳の件があった、数週間後、ふいに息子から、
「最近、水泳をもっと頑張りたいって思っているんだ。一人でやっているつもりだったけど、ママ、パパ、妹、コーチ、友達がみんな応援してくれているんだよね。もっと速くなりたい。」

愚かな母は、また一つ子どもからも大切なことを教わりました。
(息子の名誉のために書き添えますが、その後順調にタイムを縮め、現在はこの時から3秒ほど速くなっています。)

この記事を書いたボーダレスライター に
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fumi

fumi

  • 居住国 : タイ
  • 居住都市 : バンコク
  • 居住年数 : 10年
  • 子ども年齢 : 10歳、4歳
  • 教育環境 : インターナショナルスクール

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