【オランダ/ハーグ】テストがない!ストレスフリーの学校生活 ~学校が始まり5か月・長女編

ハーグからGoededag(フッデダッハ・こんにちは)!

クリスマス休暇が明けて新学期。オランダでもコロナは猛威を振るい、子どもたちの通う学校でも1月は次々と感染者が報告され、学級閉鎖が続き何かと緊張感のあるひと月でした。

何を隠そう我が家も結局全員が感染し、長い長い自宅隔離期間を経験しました。幸い重症化することもなく比較的軽い症状だったため、これもオランダでの一つのよき思い出、とやっと過去のこととして話せることを嬉しく思いながらパソコンに向かっています。

子どもたちがインターナショナルスクールに通い始めてから5か月がたちました。つい先日まで「毎日地獄だ!」と叫んでいた長男も「最近学校楽しい!」と言うようになってきました。先月までの長男の苦悩の様子は、こちらの記事をご覧ください。

さて、今回は長女(小4)の様子についてお話ししたいと思いますが、
まず長女はというと、9月に通い始めた当初からあまりストレスなく楽しく学校に通っています。一度も学校が嫌だとか、行きたくないという言葉を聞いていません。むしろ、「楽しい~」とわりとマイペースに過ごしています。

このように幸いにもオランダで楽しい学校生活を送っている長女ですが、オランダに来る前は言葉の面では3人の子どもたち(10歳、7歳、4歳)の中で一番長女が苦労するのではないかと私たち親は予想していました。言語を習得するのは幼いほどいいような一般的なイメージがありましたし、実際に学習内容や日常の活動が言語に頼らなければならない部分が上の学年になればなるほど大きいだろうと考えていたからです。

なぜ、スムーズにオランダ生活に慣れることができたのか?

その一番の理由は、日本人のお友だちが2人クラスにいてとても気が合ったということだと思います。また、10歳にもなるとクラスメイトも成長しているからか、7歳の長男のクラスに比べるとお友だちとの日常的なトラブルというのがないようです。最近はやっと、日本人以外のお友だちも含めたグループで鬼ごっこをしたりして楽しんでいるようで、本当にいい時間を過ごしています。

もう一つの理由は、そもそもオランダ赴任が決まった際、学校選びで私たちが勧めたインターナショナルスクールに本人が行くとちゃんと決心したことかと思います。(学校選びについての記事はこちら。)そもそも納得して通っているというのは、長男とは違う点で、大きな意味があることなのかなと思います。

さらに、年齢的に学校生活というものに慣れていて安定しているというのも一つの理由かもしれません。ある程度のことは自分で何とかできる力がついているというのは、異文化の環境で過ごすにあたり安定した土台になってくれるのだと思います。

大きな障壁になると考えていた言語ですが……あまりストレスにはなっていないものの残念ながら半年ではまだとても話せるようになったとは言い難いです。恐らく授業中の指示もまだ聞き取れるレベルではないと思います。授業中はどうしているのかと言えば、タブレットでGoogle翻訳を利用したり、英語が分かる日本人のお友だちに通訳してもらっているようです。このように臨機応変に対処できるのもある程度成長しているからこそかもしれません。あまり困らないという状況は言語習得という観点だけ見れば必死さがなくなってしまうので好条件ではないのかもしれませんが、何より楽しく過ごせることが一番大事だと思うので娘にとってはよいことだと思っています。さすがに毎日聞いていれば英語耳は少なからず育ってくれていると思いますし、リーディングに関しては毎日の音読のおかげか確実に進歩しています!

余談ですが、長女は日本で2年ほど英語のお教室に通っていました。しかし、週一回通ったとてなかなか話せるようにはならないですね。簡単な質問に答えることもままならないような英語力でした。ただ、フォニックス(phonics・アルファベットとその発音を学ぶ学習法)だけは、最初のハードルを少し楽にするのに役立ったように思います。アルファベットを見て、何となく読める、というのは語彙を増やす時の助けにもなりますし、これだけはやっていてよかったと思います。

さて、驚いたのは高学年になってもテストらしきものがない!〇×や点数をつけて持って帰って来るものがないので、習熟度は分かりません。成績表のようなものを何度か持って帰ってきたのですが、コメントがあるだけで評価は特についていませんでした。その分子どもたちは興味のあることにのびのびと学びに向かえるのかもしれません。日本の「総合的な学習の時間」のようなものも大きな割合を占めていて、「火星探索」、「ギリシア神話」、「ペルシア戦争」、「シンタクラース(オランダのクリスマス前のイベント)」など多種多様なトピックについて、調査したり、造形したり、プレゼンテーションをしたりアプローチも様々。長女の英語力ではなかなかついていけていないのではないかと思いますが、点数評価がないおかげでのびのびと本人ができることできる範囲で取り組めているようにも思います。これもまたストレスが少ない理由かもしれませんね。

担任の先生からの連絡で、「宿題が多すぎたり時間が足りない場合は、放課後子どもたちがゆっくり休めることが一番大事ですので教えてください。」という一文が印象的でした。そして実際うちの長女はまだ一つこなすのにとても時間がかかるので、先生とご相談して少なくしてもらいました。

テストがないということは、すぐに結果を求めないということです。親としては習熟度がどうなのか少し不安にもなりますが、逆にテストで測れる子どもの能力というのはとても限られたものであって、偏った指標なのかもしれないとも思います。日本では学校という狭い世界の中でその偏った指標によってランク付けされていくことの弊害というのもきっとあるのだろうな、とオランダののびのびした子どもたちを見ていて思いました。親もついついそういう学校の指標で子どもたちを見て一喜一憂してしまいますからね(反省を込めて)。一斉に同じゴールに向かって進め!ではなく、自分の興味や得意なことを、タスクや点数に急き立てられることなく見つけるためのよい時間になのかもしれません。

一方、次女(年少)は今まで日本では保育園で遊んでいただけだったのですが、オランダではIDRという学校の1年生の準備学年のような学年に在籍していて、姉や兄と同じ校舎に通っていて、アルファベットやフォニックス、1~10の数などを学び始めています。(学年についてはこちら。)日本の教育システムと比べると早いように思いますが、オランダはすぐに結果を求めない分、長い時間かけて基礎学力を定着させていくということなのかもしれません。

そんな次女の様子は、また別の機会に。ではTot ziens(トッツィンツ・さようなら)!

この記事を書いたボーダレスライター に
もっと話を聞きたい方はこちらをClick!

Saya

Saya

  • 居住国 : オランダ
  • 居住都市 : ハーグ
  • 居住年数 : 1年
  • 子ども年齢 : 10歳、7歳、4歳
  • 教育環境 : インターナショナルスクール

and more...