【オランダ/ハーグ】私が主役!~お誕生日会・次女編

2022年5月、お天気もよく街が色とりどりの花でいっぱいになるこの時期に次女は5歳のお誕生日を迎えました。オランダが1年で一番美しい時期だと思います。

さて前回の投稿では鼻歌を歌いながら実は心を閉ざしていた次女(当時4歳)の様子についてお伝えしました(心の扉は開くのか?~学校が始まり半年・次女編)。今回はそんな次女のその後の様子について。

幼い一番下の子の方が言葉の通じない環境でもすぐ慣れるのではないかと思っていた私たちでしたが、お話し好きの次女にとっては言葉の世界が大きな割合を占めていたようで、表向きは鼻歌を歌いながらなかなか日本人以外の子に心を開いていませんでした。日本人以外の子とも一緒に遊んだりはしているようなのですが、いざお帰りに「bye」と声かけるのも、友だちとして名前をあげるのも日本人の子だけ。

また、先生の話では、クラスでほとんど声を聞かないというのです。このことにも私はとてもびっくりしました。あんなにおしゃべりな次女が、だんまりを決め込んでいるとは。

そして、ついには……

ある日のこといつものようにお迎えに行くと、クラスメイトの列の中に娘がいません。すると先生が「She is sleeping.」と「やれやれ」といった顔で説明してくれました。カーペットタイム(カーペットで円になってお話しを聞いたりする時間)でだんだんくたっとし始めたと思ったらそのまま眠りこくってしまい起きないというのです。疲れていたというのもあったのでしょうが、疎外感からくる逃避行動のようにも思えました。

ところで次女は、日本の保育園では5月生まれということもありクラスでお手本になるような、先生にも友だちにも頼られる存在でした。本人もそのことを自覚していたと思いますし誇りに思っていたと思います。しかし、オランダのインターナショナルスクールに来てからは、9月生まれから学年が分かれるのでクラスの中での月齢は下の方になり、英語がうまく話せないことも重なって、こうした自己イメージの違いに本人は戸惑っていたのではないかと思うようになりました。年度後半になってやって気づきました……。

さて、娘の「お友だち」の概念は言葉の壁を越えられたのでしょうか。そして、娘の心の扉は開いたのでしょうか。

答えはYESです!だんだんと娘のお話しの中に日本人以外の子のお名前があがるようになりました。(ちなみに、ベネズエラ出身の女の子とサウジアラビア出身の女の子です。インチーナショナル!)娘のクラスメイトは同じような時期から英語を学び始めたにも関わらずずっとずっと早く英語力が伸びているように見えました。そのおかげで、お友だちが遊びやコミュニケーションをリードしてくれるようになったことも娘にとってはよかったのかもしれません。

そんなわけで少しずつ心を開いていった娘ですが、明らかに娘が劇的に変わった出来事が一つあります。学校に通い始めて8か月目の5月にクラスで行われた娘の誕生日会です。

オランダでは誕生日をとても盛大に祝います。面白いのはいただくプレゼントがあってもなくても誕生日の人自身がみんなにプレゼントを配ることです。自ら「今日は私のお誕生日なの~!」とばかりに、学校ではカップケーキや小さいプレゼントなどをクラスメイトに配ったり、週末にはお友だちを招待してプレイグラウンドや公園、お家などでバースデーパーティーを開きます。親にとってはなかなか大変な労力ですが、子どもたちにとってはなんてハッピーな日でしょう。

娘は手作りのクッキーを焼き、ひとりひとりに折り紙の蝶々を折り、プレゼント用バッグに仕分けてクラスメイトに配りました。一方、クラスメイトは全員が絵やコメントを書いたバースデーブックをプレゼントしてくれました。まさに私が主役!のパーティー。クラスで目立たず発言の少なかった娘でしたが、この日ばかりはクラスの中心!娘はバースデーブックがよほど嬉しかったのか、家でも何度も見返していました。

この日以降、娘は明らかに以前より学校を楽しみ始めました。オランダ滞在残り3か月を切ってやっと!

子どもが、自分の人生を自分が主役だと感じることができることは、実はものすごく大事なのだと感じた出来事でした。あたたかいクラス運営をしてくださっていた先生には心から感謝です。

かつてお友だちがつないでくれた手をそっと振りほどいていた娘は、帰国前の最後の登校日には両手をつないでジャンプしてまわるくらい仲良しのお友だちができました。せっかく心の扉が開き始めたところでの帰国にかなり残念な気持ちもありましたが、オランダで「英語のお友だち」ができたという自信は一生ものだと思います。

今でもあのバースデーブックはすぐに手に取れる場所に置いて、事あるごとにこれは「誰々のメッセージで~」と説明してくれます。

さて、オランダでの1年間が終わり、長女(11歳)、長男(8歳)、次女(5歳)も日本での生活に馴染んできました。たった半年前までのことなのですが、オランダでの生活はもう遠い昔のように感じます。

次回からは、忘れないうちに「オランダで行ってよかった、やってよかった」ということを中心にご紹介していきたいと思います!

この記事を書いたボーダレスライター に
もっと話を聞きたい方はこちらをClick!

Saya

Saya

  • 居住国 : オランダ
  • 居住都市 : ハーグ
  • 居住年数 : 1年
  • 子ども年齢 : 10歳、7歳、4歳
  • 教育環境 : インターナショナルスクール

    ※2022年に帰国し現在日本在住ですが、在住経験と現地の人脈を活かして、オンライン個別相談は受付可能です。

and more...