【オランダ/ハーグ】できることをやればいい~グローバルマーケット・長女編

オランダの春。一番いい季節です。
近所の池で親鳥の後ろをひょこひょこついて回るひよこが少しずつ大きくなるのを密かに楽しみにしたり、赤、黄、白、紫などの道端の草花が演出してくれる春に素直にわくわくします。
日本では春は新生活の季節。オランダでは新学期は9月からなので関係ないのですが、やっぱり私は新しいことが始まりそうなこの春の雰囲気が一番好きです。

さて、少し前のことになりますが、4月の長女はせっせと折り紙を折っていました。You tubeで熱心に何か調べていると思ったら、様々な折り紙の折り方でした。どうやら自分で作ったものを学校のバザーで売るので試作品を作っているとのことでした。

他のクラスメイトはカップケーキやピザなど食べ物が中心のようでしたので、それらに負けず買ってもらえる折り紙作品とはどんなものだろうというのを一緒に考えました。その結果、動きのあるおもちゃ要素のあるものがいいのではないかと彼女が見つけ出したのが、折り紙を組み合わせてつくる立体万華鏡でした。

ペアのお友だちに試作品のOKをもらった長女は、せっせと制作。友だちからも先生からも高評価をもらい俄然やる気です。ちなみに長女の立体万華鏡は、先生から1ユーロ50セントの値をつけてもらいました。お客さんとなる他学年の生徒たちは1人4ユーロを握りしめて買い物に来るので、折り紙にしてはなかなかよい値段をつけてもらったと思います。

このグローバルマーケットは、IPCという日本の教科で言う総合のような授業の一環で行われたもので、自分たちの国の文化に関わるものやそうでないものも含め商品を企画して作って販売するというものでした。当日は大盛況で、36個全部売れた!と、とても楽しそうでした。

正直なところ親としては、もっと販売の時のコミュニケーションの言葉を準備して英語のやり取りを頑張ってくれればいいのになぁ、などともどかしさも感じてしまいましたが、恐らく長い目で見たらそれは余計なことなのでしょう。帰国後言葉は使わなければ忘れてしまうでしょうが、自分で考えて形にしたものが認められた・喜ばれたという経験は間違いなく本人の心に刻まれ、自信となり、忘れられない思い出になったに違いありません。

面談の時に先生が、「できることをやればいい」という趣旨のことをおっしゃっていました。よい先生にあたって幸運だったなぁと思うと同時に、先生がそういうスタンスで子どもたちを見守ることができるのは、日本のように細かく教科ごとの成績をつける必要がないことも関係しているのではないかと思いました。

日本は単元ごとのテストがあり点数化され分かりやすい尺度で評価されます。定着度を確認することができそれはそれで重要なことですが、点数化しにくい部分は成績表に表れにくく、ことあるごとに生徒を一つの尺度で順位付けするので、子どもを偏った見方で固定化する危険もあるのではないかと感じます。

一方、我が家の子どもが通うオランダのインターナショナルスクールでは、今のところテストらしいものはなく、点数をつけて持って帰ってきたものはありません。タームごとに、コメント(学校での様子)とターゲット(今後の目標)というものが書かれたレポートをもらってきました。学年末にはもう少し細かいものが来るのでしょうか?

評価する先生の資質が問われることにはなるので一概にどちらがいいとも言えないとは思いますが、長女にとってはあまり細かいことをいろいろと注意されずのびのびと自分のできることを取り組むことができたことは、とてもよい経験だったと思います。

あっという間にもうすぐ学年末。夏はもうすぐそこです。
我が家は今年の夏に帰国することになり、オランダでの生活もあとわずかです。
最後のひと月、子どもたちの成長を楽しみに過ごしたいと思います。

この記事を書いたボーダレスライター に
もっと話を聞きたい方はこちらをClick!

Saya

Saya

  • 居住国 : オランダ
  • 居住都市 : ハーグ
  • 居住年数 : 1年
  • 子ども年齢 : 10歳、7歳、4歳
  • 教育環境 : インターナショナルスクール

and more...