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【オランダ】オランダの性教育絵本”Ik vind jou lief”
先日、オランダにある性教育の絵本”NEE(NO!)”という絵本を紹介させてもらいました。
今回は、それとは別の本を紹介したいと思います。
その名も、”Ik vind jou lief(I like you)”という本です!
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どんな内容?
それでは少し、本の内容をご紹介したいと思います。
・友情について
・誰でも友達になれる
・愛について
・女の子について
・男の子について
・みんな赤ちゃんだった(動物も)
・キスとハグ
・セックスについて
・赤ちゃんができる
・生まれるまでの9ヶ月
・赤ちゃんが生まれるということ
・一部の赤ちゃんは別の家族のところへ
・あなたの容姿は誰に似ている?
・あなたは誰と住んでいる?
各ページにテーマがあり、見開き程度でその内容に関する絵と短い文章が書かれています。
友情や、何かを好きだと思う感情と愛情
最初は「友達」への言及から始まるこの本ですが、友情は変化するということが書かれています。
もちろん仲が良い時もあれば、喧嘩をする時もある。
そして、好意を抱く相手はいろんなところにいます。
学校の友達や近所の遊び相手、動物だって友達、そして好意を抱く相手です。
「好きだな」という気持ちはパパに対して抱く時も。
いろんな「好き」があり、誰に対しても「好き」だと思うことが出来ると書かれています。
そして、それが「愛」になった時、人々は愛情のある言葉をかけ合います。
お花を選びたくなったり、腕を組んで歩いたり。
好き同士になると、隣同士に座るととても良い気持ちになる。と書かれています。
女の子の身体と男の子の身体
ここから、成長によって訪れる身体の変化について書かれています。
本の内容をそのまま訳したものを書いてみましょう。
![画像1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/35691907/picture_pc_f28af6a05140bce78d8132bdeb6909a6.jpeg)
【あなたは女の子?】
誰にもお尻があります。お父さん、お母さん、そして女王さまにも。
あなたが女の子なら、あなたの身体は男の子とは違って見えますね。
それは裸のときに確認することができます。
女の子は、足の間の上部に開口部を持っています。
そこにはおしっこが出てくる穴があります。そしてもう一つ穴があります。
そこは女の子が成長した時に、赤ちゃんが出てくるところです。
この開口部は膣と呼ばれますが、別の呼び方をするかもしれませんね。
女の子は成長すると胸がふくらみます。
それらは時に大きく、時に小さいです。
おっぱいをくっつけたりして女性のフリをするのは良いことですね。
赤ちゃんはお母さんの乳房からミルクを飲んでいます。
そして、成長すると脇と膣の周りに毛が生えてきます。
![画像2](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/35692325/picture_pc_6993b1761740aaa76ba74b9067eab669.jpeg)
【あなたは男の子?】
男の子はペニスを持っています。それをおちんちんとも呼びます。
時には別の名前を付けます。
おしっこはペニスから出てきます。
男の子の胸は女の子のように大きくはならず、男の子は髭が生えてくるようになります。それを長く伸ばすことも出来ます。
また、脇の下やペニスの周りにも毛が生えてきます。
成長するにつれて声も変わり、男性の声になっていきます。
身体はお尻の方から見ると、男の子か女の子かがわかりません。
でも、正面からならわかります。
この赤ちゃんはどちらでしょうか?
成長するにつれて、ペニス、腕の下、胸や口の周りにも毛が生えてきます。そして、髭を剃ることも出来るようになります。
もう身体の違いについて気付く年齢だから、きちんとした知識を
この絵本は5歳〜8歳向けの絵本とされているのですが、女性器についてもある程度深く触れています。
5歳と言えば私の子どもと同じ年齢ですが、時に娘は自分と私たちの身体の違いについても言及します。
一緒にお風呂やシャワーに入ることがあるため、自分と大人の身体の違いにも気付きやすいのがこの年齢ではないでしょうか。
その時に「そんな答えにくい質問はしないで」という雰囲気を出してしまうと、子どもは自然と「これは聞いてはいけないことなんだ」と察知します。
娘はオランダの学校に通っている以上、私たちがそれと向き合わない訳にはいきません。そんな時はこの本を取り出して、彼女の疑問に答えるようにしたいと思っています。
生まれ方はそれぞれ
オランダの性教育の絵本には、いつも動物が出てきます。
この絵本の「みんな赤ちゃんだった」というところにも、動物についての言及があり、人間のように生まれる赤ちゃんもいれば、卵から孵化する赤ちゃんもいる。という風に書かれています。
「いろんな生まれ方がある」という生物学的な観点として描かれているのですが、これが「いろんな生まれ方がある」つまり総じて、いろんな赤ちゃんのでき方や、育ち方…という多様性への理解にも繋がっている気がします。
キスとハグ
日本ではあまり親子がスキンシップを行っている様子は見かけないような気がします。子どもが小さければ小さいほど、それは自然なことだと映りがちではないでしょうか。
オランダでは小学校の送り迎えの際、必ずと言って良いほどキスとハグをしているように思います。それは年齢問わず、groep8(小学校6年生)程度でも、です。
人が誰かに好意を抱き、その人と互いに想いあっていることがわかれば、
自然とハグし、自分が相手を好きだと思っていることを伝えあえます。
そういった行為は動物にもみられ、年齢や性別を問いません。
ハグをしてキスをする。
これは愛し合う者同士にとって、とても自然なことであると本には書かれています。
セックス、愛し合うということ
![画像3](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/35695154/picture_pc_6a46a310420aa3ec1652a758c385dcc0.jpeg)
本の中では、人に対する気持ちがどんどん大きくなっていくことが描かれていて、人が愛し合うと、ハグやキス以上の関係を求めるようになる。と書かれています。
2人が愛し合うと、彼らはキスと愛撫以上のものを望むようになります。
そして、互いに裸になりセックスをします。
その時、男性のペニスは女性の膣に入り、それが気持ち良いものだと感じます。
その後、男性のペニスから膣に液体が出てきます。
その液体には小さな種細胞が含まれていて、それは女性の子宮に辿り着きます。そして、女性の子宮にある卵子と精子が一緒になると、そこから赤ちゃんが成長することになります。
時に、赤ちゃんを欲しいと思わない場合は、女性が薬を飲み、男性はペニスに何かを取り付けます。
このようにして子どもを作らずとも、彼らはまだセックスをすることができます。
鳥同士がセックスをする時、若い鳥がくることもあります。
マンドリルはお尻を見せて、求愛します。
ひょっとすると、庭でカタツムリがセックスをしているのを見つけることもあるかもしれません。
動物同士のセックスは”交配”と呼ばれます。
メス猫が交配をしたい時は大きな声で鳴き、周囲のオス猫にそれを知らせることもあります。
「セックス」という言葉を子どもの耳から聞くと、ドキっとするのが日本人ではないでしょうか。
精子が卵子にたどり着くことで生命が誕生するという過程は教えられることも多いと思うのですが、子どもとしては、
「そうなる時に愛し合う2人は何をしているの?」
というのが子どもの単純な疑問だと思います。
人が気持ちを通じ合わせ、愛し合う時の行為は尊いものであるということ。
だからこそ、誰かに好意を抱くというお互いの気持ちを大切にしてこそ、セックスという行為に繋がるということを伝えているように思います。
そして赤ちゃんができる
精子が卵子に入ったとき、それが赤ちゃんの最初の始まりです。
その後、赤ちゃんは母親の子宮で成長しますが、最初は砂粒と同じくらい小さいです。
その後、子供は大きくなり続け、お腹の中で親指をしゃぶり回すことができます。
時々お腹の中から足で外を蹴ったりしてお母さんを困らせることもあります。
お腹の中の赤ちゃんに話しかければ、それを聞くことさえできています。
腹部に2人の赤ちゃんがいることもあります。そう、 双子!
どうやって赤ちゃんが出来るのか?
多くの小さな精子が卵子に辿り着きますが、卵は精子細胞よりもはるかに大きいです。そして、精子はそこに1つだけ入ることができます。
お母さんのお腹の中には温かいお湯があり、時々赤ちゃんはその水を飲んでいます。そして、そのお腹の中でおしっこもするのです。
赤ちゃんはへその緒と呼ばれる管を通して、お母さんから食べ物を手に入れています。
赤ちゃんが生まれる
![画像4](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/35698804/picture_pc_53b14d4567136e05150f28b3c368cf9a.jpeg)
赤ちゃんが病院で生まれることもあれば、自宅で生まれることもあります。
母親は自分の赤ちゃんが生まれそうだと思ったとき、病院に行くか、助産師が家で母親を助けます。
子どもを生む時、母親は非常に強くいきまなければいけません。
そして、赤ちゃんがバギナから出てくるようにします。
最初に頭が出て、次に残りの身体が出てきます。
赤ちゃんが生まれると、普通はすぐに泣き始めます。
何故なら、母親の子宮の中はとても暖かったのに、外は寒いからです。
生まれたばかりの赤ちゃんは泣き、体重が最初に測定されます。
それから毛布をかけられます。
お父さんは赤ちゃんを見てとても嬉しそうです。
赤ちゃんはお母さんと一緒に、快適に寝ることができます。
必ずしも全ての子どもが生みの親と過ごす訳ではない
子どもが生まれるまでのプロセスを描いているところもオランダらしいといえばそうなのですが、必ずしも全ての子どもたちが生みの親と一緒に生活する訳ではない。というところまで、この本は言及しています。
![画像5](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/35748616/picture_pc_4726341c250a843b5a79526779145e60.jpeg)
一部の赤ちゃんは、自分を育てる母親の子宮の中で育ちません。
医師は精子と卵子をチューブに入れ、医師はその小さな始まりを母親の子宮に置き、赤ちゃんがそこで成長し続けることができるようにしました。
2人の母親が赤ちゃんを望んでいる場合も、医師がこれを行うことができます。それから医師は時々、快く引き受けてくれる男性に精子を医者に与えてくれるかどうかを尋ねます。
その後、2人のうち1人の母親の卵子に精子を持ち込み、そこで赤ちゃんを育て、産むことができます。
また、養子になっている子供たちもいます。
養子の子どもたちの最初の両親は死んだか、彼らの世話をすることができませんでした。よって、今は他の親が面倒を見てくれています。
2人の男性が赤ちゃんを望んでいる場合、子供を養子にして養育することもできます。
まだまだ男女のペアから子どもが生まれ、そこで育つということが主流と考えられる世の中ですが、そうでない環境で育つ子どもたちももちろんいます。
性教育の本は、そういった子どもたちの存在を知ってもらう役割を担い、周囲の子どもたちにも理解を示すよう促しているように思います。
性行為については11歳から
オランダにおいて、性行為について深く学ぶのは11歳頃と言われています。
その時にはコンドームの使い方や、マスタベーションについてもきちんと説明を受け、出来るだけオープンな雰囲気で学ぶと聞きます。
「オランダの性教育は世界一」と言われていますが、本を読んでいても、ただ単に「性行為」にまつわる話だけが性教育なのではなく、命が生まれた後の家族やその多様性について学ぶことも性教育だと気づかされます。
“Ik vind jou lief” = “I like you”
この本の内容が少しでもオランダの性教育を知ってもらうきっかけになると嬉しいです。