【シンガポール】“Stay safe” が挨拶となった日々

シンガポール政府が4月3日(金)に学校の休校を発表して、4月6日(月)から娘の通う学校はHBL(自宅学習=Home Based Learning)を始めることになりました。

週末に先生から、毎日行うZOOM MEETINGの設定方法や時間割がメールにて送られてきました。
そのメールには、付属校4校の校長先生がリモートで作ったビデオレターも添付されていました。

内容はHBLについての説明の後に、これはみんなにとっても私たちにとっても初めての経験だからみんなで頑張っていこうというメッセージでした。
そして、そのビデオは各々に手を振ったり、ガッツポーズをしたりして締めくくられていました。

日本の教育も今は変化していると思うのですが、私が学生の頃は先生が手を振るイメージがなかったので、なんだかとても親近感がわきました。
校長先生をまだHP上でしか見たことがないので、なおさらそう感じたのかもしれません。
入学して初めての学習が自宅学習ということで不安もありましたが、まずはやってみようとやる気になりました。

HBLの内容は毎日、朝と夕方に30分、クラスでのオンラインミーティング。
数学と読書は、アプリを使って毎日行うようにと言われています。
科学や、瞑想やヨガなどは週ごとに課題が出されているので、その中から毎日1,2個を選択して一週間ですべての課題を終えます。
毎週木曜は、リモートでmusic、art、ドラマ、P.Eの先生がそれぞれ30分ずつ授業をしてくれるといった形です。
日本では馴染みのない科目も多いので、こちらの内容については次の記事に書こうと思っています。

クラスを4つに分けて少人数でのスモールミーティングも、週に2回行われます。
クラス全体での授業だとどうしても発言する子供が限られてしまうので、それぞれの子供が理解度を確認するためにも、このミーティングは設けられているようです。

早速、数学のアプリをダウンロードすると、まずはアプリ内に自分のアバターを作ることが第一ステップ。これは通学を楽しみにしていた娘も、楽しんで作っていました。
読書のアプリも本を多く読めば読むほど、メダルがもらえたりといろいろな工夫がしてあります。

とはいっても、英語が話せないまま始まったオンライン授業は簡単にはいきません。
私も画面に映らないように、訳して伝えて、娘のヘルプとしてほぼ付きっ切り。

加えて、毎日タスクになっている数学は時計と掛け算。
日本では足し算をやっていたので、そこへのキャッチアップがとても大変です。
ただでさえ、反抗期の娘。毎日お互いにイライラをぶつけあい
休み時間に少し休もうと思うと、隣から「僕とも遊んでー」と弟の声が。。。

そんな中でも、授業は日に日に改善されていき、初めの一週間でミーティングのルールが決まりました。
2分前にはZoomにログインすること、質問や話したいことがあるときは手をあげること。
これはすべて子どもたちみんなで話し合って決めたこと。
ミーティングを行っていく中で、どうしたらスムーズにできるかを考え意見を出していきます。

はじめからルールが決まっているよりも、授業をしていく中で改善点があれば、みんなで話し合いをしてルールを決めることで、子どもたちに当事者意識が生まれているのではないかと思います。

また、両親にもフィードバックがたびたび求められ、
授業のレベルや内容も子どもが一人で取り組めるように、日を重ねるごとにどんどん改善されていきました。

日本にいたときは、先生と話す機会は年に数回ある親子面談以外あまりなく、教育内容に意見することもなかったのですが、シンガポールの娘の学校では、何か気になることがあれば先生に相談したり、提案したり、そしてそれが良ければすぐに反映されるというシステムが成り立っていると感じました。
親も子どもも与えられたものを受け入れるだけではなく、それが最善の方法か考え、主体的に学ぼうとすれば、与えられた以上に多くのことが学べる場になるのだと思います。

また、朝と夕方に行うミーティングは30分間と決まっているものの、質問がある子がいるかぎり、全員の話を聞くまで終わりません。
そして最後に「Stay safe」と挨拶をして締めくくります。
授業を終えた子どもたちの顔はみんな満足そうです。

娘もまだ授業はほとんど理解できないながらも、artの宿題をみんなに披露してほめてもらったことがうれしかったのもあり、今のところ、オンライン授業を楽しめているようです。
その娘の笑顔を見て、一週間の疲労感はあれど、来週も頑張ろうと思える週末を過ごしています。

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