【オランダ/ハーグ】心の扉は開くのか? ~学校が始まり半年・次女編

ハーグからGoededag(フッデダッハ・こんにちは)!

まだまだ冷たい風が私の大きな籠付き自転車(私のアイコンの写真)の行く手を阻んだり、後押ししてくれたり、春には遠いような気温ですが、道端に芽吹いた蕾に春の兆しを感じる今日この頃です。

早いもので子どもたちがインターナショナルスクールに通い始めてから半年がたちました。子どもたちの英語力は相変わらず会話できるようなレベルではありませんが、「Oh my gosh!」「Come here!」「Me?」など、最近になって家での会話の中に英語の頻出フレーズ?が登場するようになってきたのはおもしろい変化だなぁと思います。

さて、今回は次女(年中)の様子についてお話ししたいと思います。

※長男(小1)「瞑想ができるようになった!」と長女(小4)「テストがない!ストレスフリーの学校生活」の様子についてもよろしければご覧ください。

次女はもともとメンタルが強く、上手にマイペースをキープしてその場所を楽しめるタイプの子どもです。0歳から保育園に行っていたこともあり集団生活には慣れています。また、言語を習得するのは幼いほどいいような一般的なイメージがありましたし、学校での活動もほとんどが遊びのような内容であれば、上の子どもたちに比べたら学校での苦労も少ないだろうと考えていました。ですので、私たちは次女についてはそれほど心配をしていませんでした。

実際、次女は学校に楽しく通うことができました。9月に入学した当初も特に嫌がることなく、「学校どうだった?」と聞くと「遊ぶだけ~。楽しかったよ~。」と答えていました。先生から最初の週の様子をうかがったら先生がお話しをしている時によく鼻歌を歌っているとのことで、なんという強メンタルだろうと、わが子ながら感心したものです。同じクラスに1人日本人のお友だちがいたことも大きかったと思います。

ところが、そんな次女が11月ごろになると学校に行きたがらなくなってきました。特に具体的に何が嫌というわけではないようです。今振り返ってみると、こんなようなことが複合的に合わさってなかなか学校の門をくぐるのに時間がかかったのかなぁなんて分析しています。

①     天気の悪い日が増え、日が短くなり朝が暗くなってきた
②     秋休み(10月半ば)の後で、なんとなく休みモードになった
③     日本で言う「5月病」のような疲れが出てきた(9月が新学年のスタートなのでちょうど10月から11月がその頃?)
④     アルファベットの勉強などが始まり、保育園にはなかったストレスがかかった

オランダは秋からぐんぐんと日が短くなり、朝8:00でも真っ暗というような季節がやってきます。天気もわりとどんよりしていたり霧雨や風が強い日が続きます。気象条件は馬鹿にできないもので、朝登校時間に真っ暗だと目も覚めないし気分も暗くなるものですね。

また、日本では年少とはいえ、オランダではIDRという小学校の準備学年に所属しています(学年についてはこちら)。次の9月からは1年生なのです。1年生に向けて、鉛筆の持ち方やアルファベットを書く練習やフォニックス(phonics・アルファベットの発音を学ぶ学習法)、1~10までの数や足し算などの学習が始まり、今までにはなかったプレッシャーを何か感じたのかもしれません。

次女が学校に行きたがらないというのは私たちにとっては意外でした。さらに面談で先生からうかがった話によれば、あんなにおしゃべりな次女が学校ではほとんど声を発さないというのです。1人だけいる日本人のお友だちとは日本語で話しているようなのですが、英語での会話になると黙りこくってしまい、復唱や挨拶さえ声が出ないようです。

日本ではおしゃべりで物分かりもいい元気な性格だからこそ、年少さんとはいえ次女の世界の中で意外と言語が占める役割が大きかったのだということに気づかされました。鼻歌を歌っていたのも、メンタルの強さからというよりは、「知らない言葉を話す人たちの世界」から自分の世界に入り込むことでマイペースをキープしようとしていたのではないかと感じるようになりました。

ある時、こんなこともありました。帰り際にお友だちに「バイバーイ」という時に、日本人のお友だちの名前しか呼ばなかったので、「こういう時は一緒にいるお友だちの名前も呼んであげないとその子が悲しい気持ちになるよ。」というような話をしたのですが「お友だちじゃないから。」と本人が言うので少しびっくりしたのでした。その「お友だちじゃない」という子は中国人のクラスメイトで、一緒に鬼ごっこをしたりして楽しく遊んでいる仲です。また、他のクラスメイトもみんなフレンドリーな子が多く、声をかけてくれたりハグしてくれたりしますが、次女は戸惑っている様子をよく目にします。次女にとって言葉が通じないということが、「お友だち」の線引きになっていたというのを初めて知りました。ニコニコしながら、意外と心の扉はかたく閉じていたのです。

さて、そんな次女ではありますが「学校に行きたくない」はあっという間に過ぎ、今は毎日元気に学校に通っています。オランダでは秋ごろから暗い気分を盛り上げる楽しいイベントが盛りだくさんなのですが、そのおかげで乗り切ったようにも思います。一番大きなイベントが、クリスマスの1か月半も前にやってくる「シンタクラース」です。初めて聞いた時は私も冗談かと思いました。
シンタクラースというのは、11月半ばごろスペインから船に乗ってやってくる白髭のおじいさんで、サンタクロースの起源とも言われています。学校ではシンタクラースが上陸したというニュースを映像で見せたり、シンタクラースの乗っている白馬用のにんじんを用意したりと学校をあげて、さらには国をあげて子どもたちのイベントを盛り上げる手の込みようです。シンタクラースは上陸後、オランダの街をパレードして回り、各学校にも訪問し子どもたちにプレゼントを配ってくれます。オランダの人たちはどんよりなりがちな季節を乗り越える術を経験的にみんな知っているのかもしれませんね。

この半年の次女は年齢が小さいだけにできるようになったことも多く、それが着実に本人の自信になっているようです。いかにも幼児教育のプロという感じの担任の先生にしっかり鉛筆の持ち方を丁寧に教えてもらったので、長女よりも鉛筆の持ち方が上手になりました。(長女の時は保育園でしたし、私も子育て初めてだらけで手をかけてあげられなかったことを今更ながら悔やんでおります。)
アルファベットで自分の名前が書けるようになり、フォニックスの第一段階が言えるようになり、簡単な英語の絵本を発音できるようになりました。そして何より、半年たってやっと先生から「最近お話しするようになってきた」と嬉しいご報告を受けました。

とはいえ、おトイレの失敗など日々の困りごとを先生に言えなかったりもしますし、まだまだクラスメイトに心の扉を開けてはいないようですが。

オランダ滞在中に次女の「お友だち」が増えるか、乞うご期待です!

ではTot ziens(トッツィンツ・さようなら)!

この記事を書いたボーダレスライター に
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Saya

Saya

  • 居住国 : オランダ
  • 居住都市 : ハーグ
  • 居住年数 : 1年
  • 子ども年齢 : 10歳、7歳、4歳
  • 教育環境 : インターナショナルスクール

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