【オランダ】オランダ移住の起点となった転校の話
今回は、小5の夏、インターナショナルスクールから公立小学校に転校したいと娘から切り出された話を。
娘は、都内にあるスコットランドカリキュラムの小学校に入学しました。
親としては、このまま中学に行くのかしら?とのんびり構えていたのですが…
子供が人生を自分で決めた日、それは突然訪れた。
娘の小学校選びでは、学歴や偏差値を出口にした教育ではなく、自分の好きや得意を知り、伸ばすために、探究型の学びをベースにした学校を見つけたいと願い、夫と2人で様々な学校を巡り、日本のフリースクールにあたるインターナショナルスクールに辿り着いた。
スコットランドカリキュラムと異年齢教育を切り口にExpat向けの学校として設立されたその学校は、私と夫にとって「一つの才能も無駄にしない」教育で、自分たちが受けてみたかった教育として良い選択だと思っていた。
その学校は、いわゆる日本的物差しでの学力的では、かなり低い学校にあたると思う。
教科書もテストもなければ、異年齢で20名のクラスでタームごとに個人レポートで学びの進捗をシェアするという仕組みで、日本語と英語で学ぶ。
娘は、進捗はゆっくりだけれど、興味のあるタームは嬉々として、学ぶことを楽しんでいるように見えた。
ただ、小4くらいから「学校の授業が楽しくない」「算数はずっと計算のワークシートばかりをやっていて、自分の学習に役立っていると思えない」「このままだと自分の学力が心配だ」と言い始めた。
加えて、友達はみんな塾に行き始めていると言い、本人の中でジワリと「私は「勉強が出来ないのかも」という不安が漂い始めたようだった。
そして夏の終わり、娘から呼び止められた。
パパとママにお話しがあるんだけど、、、
その目には力があり、決意に満ち溢れていた。
・今の学校に通っている子供たちは学習環境として自力で公文に通ったり、通塾して日本の学力レベルをキープして、プラスアルファで学校の授業をしているから基礎があるが、私はパパとママに塾を否定されて、独学しなければならず、限界がある。
・公立の学校は自宅から5分だけど、インターに通うための1時間は、とても辛い、大きなターミナル駅を経て朝早く学校に通うのは苦痛すぎる。
・上記のために、塾に行ったりお稽古をする体力余力がない、日本の子供は小1から、私学などで長期路線に乗って1時間半かけて学校に行ったりするけど、私はそれは健康のためにも良いと思わない。
すでに娘の中では決まったハナシのようだった。
実は、おじいちゃんとおばあちゃんにも意見を聞いた結果、娘の決断を応援すると言ってもらったという。
教育は子供が選び取ることができるんだ、、、
とその時知ったのだった。
娘には、私自身が公立の出身だったからこそ、公立の良さを語ってきたし、
公立、私立、フリースクール、インターどこに通っても、良いところや課題などさまざまあって、でも、それを乗り越えて自分がその経験から何を得て学ぶか、、、と小さな時から語りかけてきたけど、
あっけなく、私の意見をよそに、娘は自分の必要な場所を自分で選び取ったのだった。
そして、
「パパとママに伝えておくね、私は、区立に染まることはあり得ない。
自分なりに考えて、良いところを取り入れて、これは違うとおもうものは、
自分の判断でお休みしたりして、調整していく。」
と付け加えたのだった。
その後、娘は、私たちに退学する決意を伝え、2学期から公立小学校に通学し始めた。
娘は、このとき、
「もし可能であれば、外国の学校に通ってみたい、それは中学からでも良いし、今すぐでも良い、自分は崖から突き落とされるような体験をしてみたい。パパとママは私を崖から突き落とすことなく、ゆったりのんびりした教育を選択してきたけど、私のことを本当は知らないのではないか?私は、ゲキレツな競争もやってみたい、そして外国での学びもしてみたい、とにかく自分で体験してみたいの。」と。
その一言が、あまりに全体を俯瞰した発言だったので、私のほうが後退りするしかなかった。
そう、ここから、娘の爆進撃がスタートした。
リングでゴングを鳴らした娘。その娘は、学校で新しい日本の文化にふれ、学校のルールの中で立ち回り、その後不登校となり、苦しみを自分で受け止めて、乗り越え、今はイキイキと学校に行き始め、オランダへの移住も視野に入り始めた。
いばらの道を知っているのか?知らなかったのか?
娘は、公立への転校を選択をしたことをとても誇らしく思っているようで、その言葉の端々に、奥にある強い喜びを感じた。
人生を生きるというグリップを10歳から握った娘の選択を、親として眺め応援するしかなくなった日の出来事。
この道がどんなものだとしても娘のものだ、と親として、娘の成長にふと、うるっとくる母なのでした。
かすみ
Kasumi
- 居住国 : 日本(2024年夏よりオランダ)
- 居住都市 : 東京
- 居住年数 :
- 子ども年齢 : 11歳、5歳
- 教育環境 : インターナショナルスクール、公立小学校、保育園