【オランダ/ハーグ】オランダで超便利なカーシェアリングに感動!

こんにちは!
夏休みに入って約2週間が過ぎました。
この夏は日本への一時帰国を断念した我が家ですが、ホリデーは国内旅行を楽しむことに決めました!
これまで行ったことのなかった、正しくは車がないと行けなかったところへ行くのに、環境へ配慮したかたちで行ってみたいね!となりました。

そこで大活躍しているのが、カーシェアリングです!
うちはほぼ100%在宅仕事…そして、大きい商店街が徒歩圏内にあるため、買い物にも困りません。トラムも複数の路線が近くに走っていて、NS(国鉄)の駅も自転車を走らせばそこまで遠く感じません。

よって、日常生活の中で「車がいる!」と感じたことはありませんでした。ただ、この夏休みは公共交通機関で行けないようなところにたくさん行ってみよう!ということで、カーシェアリングに登録したのです。

日本ではまだまだ認知度が低い(かもしれない)カーシェアリングですが、オランダで利用してみて、その手軽さにおったまげています。今日はどのようにしてカーシェアリングを利用しているかを紹介したいと思います!

まずはアプリをDLして、運転免許証を登録!

オランダには複数のカーシェアリング会社がありますが、我が家が利用しているのは主に2つで、

・My Wheels
・SIXT

です。

はじめ方は、超がつくほど簡単な3ステップ

1. AppをDL

2. 個人情報を登録(住所や名前、支払い方法など)

3. 運転免許証をカメラで撮影して登録(+パスポートなど他のIDが必要な場合も)

登録費もなし。
これでもう車がすぐにでも借りられる状態になるのです!

とにかく借りられる車の数が多いSIXT

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旅行から帰った日曜日の19時頃。「ちなみに今から借りられる車ってどれくらいあるのかな?」と思ったら、こんなにありました….おおよそ、自転車で行ける圏内にこんなにも。ただ、車を借りるのに、その場所まで自転車で行くのは不便なので、必然的に徒歩圏内で借りに行ける車を選ぶことになります。
それで数えてみると、うちから徒歩圏内で今すぐ借りられる車は約10台
恐らくですが「今すぐ乗りたいのに車がない!」なんてことはこの先もないだろうなと感じています。

また、車をタップするとその車が今どんな状態かを見ることができます。遠出をする場合は電池が多く残されている必要があるし、荷物を運んだり、近場でちょこ乗りの場合は電池の残りをそこまで気にすることはありません。

Googlemapを使えば、目的地までの距離や所要時間なんていくらでも調べられる現代において「どれくらいの距離かな?」「どれくらいかかるかな?」というような心配は無用になり始めていると感じます。つまり、多くのことは「予測可能」なのです。

時間に対して走行距離が短いとお金が返ってくるMy Wheels

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My WheelsはSIXTほど借りられる車の数がありませんが、自分が指定したシェア時間(いわゆるレンタルしたい時間設定)に対して、走行距離が短い場合は料金が戻ってきます。

例えば、この間家族でDelftのIKEAに行ったのですが、うちからIKEAまでの距離は約12km。ただ、IKEAの中で買い物をするのに時間はかかりそうだったので、12:30から18:30の6時間、€44,60の設定で借りてみました。

6時間借りると、自動的に90kmの距離が含まれてくるのですが、実際にその日運転したのは34kmでした。ということで、あまり走らなかったね。と、€12,70が返金されたのです。

最終的にその日、6時間でかかった料金は費用は€31,90でした。

下の図では、9時間を€65,15 / 135kmのパックで予約した時に、走行距離が100km、135km、150kmの場合にどんな料金差があるかを表しています。

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つまり、何が言いたいかというと、時間だけではなく、時間に対する走行距離まで考慮してくれるところに配慮がある!ということです。

電気自動車が多数、ガソリン車も

カーシェアリングの楽しみの1つは、毎回いろんな種類の車に乗れることかもしれません。EVカーか、ガソリン車か。AT車かMT車か。HatchbackかSUVか。多くの場合は4〜5人乗りで、新車の匂いがするようなものばかりです。
また、車はフル装備(ナビやbluetoothなど)なので、車内で何かに不便することはほぼありません。むしろ、いい装備が整った新車に乗れてラッキーです。

うちは毎回、環境への配慮を考えてEVカーを選択しているのですが、Renault ZOEや、SKODA、Nissan LEAFなどに乗っています。

オランダの住宅地や商業施設、ガソリンスタンドにはEVカーのチャージスポットも多くあるため、ガソリンスタンドを探すよりもスポットを探す方が楽かもしれません。今日の旅行の帰りもまた別のIKEAに寄ったのですが、買い物中に充電をしておきました。

もちろん、EVカーは電池をチャージをするために時間を要するため、ガソリン車ほど”楽チン”ではありません。ただ、計画的に利用すればゼロエミッションで運転できることを考慮して、我が家は積極的にEVカーを選択しています。

料金に含まれているもの

日本でレンタカーを借りると、車体のレンタル代+免責保証費がかかり、その上、返却時にはガソリンを満タンにしてレシートを渡さなければいけないこともありました。(今はどうかはわかりませんが…)

オランダのカーシェアリングは料金が明瞭で、“1分あたりの料金”が表示されています。会社によって含まれる内容は少し異なるのですが、基本的に、その”1分あたりの料金”に含まれているのは、

・電気自動車のチャージ費用 / ガソリンの給油費用
・ビジネスエリアの駐車料金
・運転者に対する保険料(会社によって内容が異なる)
・車体に対する保険料(会社によって内容が異なる)

です。

これは会社によって提供されているサービスが異なるところもあるのですが、SIXTなんかは「時間パック」と「距離パック」を組み合わせて借りることができます。例えば、3時間パックを借りると、必然的に80kmの走行距離がついてきます。ただ、3時間の中で80km以上走行した場合は、+50kmまでなら€14,00、+100kmまでなら€27,00と、超えた走行距離に対して料金がプラスされていくイメージです。

料金において感動的なのは、支払う料金の中にチャージ費用(いわゆるガソリン代)が含まれていること。カーシェアリングの場合は、車の貸し借りに人を介さないため、レンタカーのように「ちゃんとガソ満にしました」と誰かに証明する必要がありません。また、企業側は貸し借りの際に必要な従業員も、車を格納しておく場所も、常にどこかに用意しておく必要がありません。

借りたい時に借りて、返したい時に返す。しかも人を介さずに。
テクノロジーが発達すると、ここまでスマートに物事が滞りなく行えるものなのか…と感動しています。

最初の車のunlock(借り始め)はスマホのbluetoothで

カーシェアリングで私が最も感動したのは、車を借り始める時に車をunlockする時、つまり最初に車のドアを開けるのが、いわゆる「キー」ではなく、bluetoothなこと!!

スマホを持ってアプリで車の近くに行き”unlock”をスワイプすると、車が”カチャ”と音を立て、ロックが解除されるのです!!!!それからは、ダッシュボードに入っているキーを取り出して、乗降車したりできるようになります。(それはつまり、スマホがない場合はカーシェアリングができないということでもあるのですが)

シェアのはじめと終わりはアプリで完結するので、最初は「ちゃんとこれで合っているのかな?」と多少不安になりますが、カスタマーセンターに電話をすればすぐに対応をしてくれますし、アプリ上にある”HELP”では様々な疑問に対して明瞭に答えてくれているので、参考になります。

また、だいたいの場合、ダッシュボードに入っているキーには、そこら中のチャージングスポットで使えるチップのようなものがついていて、それをかざせば、どこのチャージングスポットでも(無料で)充電ができるようになっています。(無料でというのは、シェア料金に電気チャージ料金が含まれているという意味です)

10億台の自家用車が、5000万台の共同利用型の車に減らせる日

ユヴァル・ノア・ハラリ著の「ホモデウス(下巻)」によると、人々の車の乗り方やその利用目的などの分析が進む中で、「必要な時に車に乗る」ということが共同利用型、いわゆるカーシェアリングというかたちで叶うようになれば、10億台の自家用車が5000万台にまで減らせるそうです。

つまり「所有しているのにそこまで乗っていない車」が「所有せず必要な時にだけ乗る車」に変わった時、車の生産数を減らすことができることでCO2の削減につながったり、「所有する」という資本主義の考えから脱することが環境保護につながるということではないでしょうか。

端的に見ればコストがかかっているように見えるカーシェアリングですが、「そもそも車は必要なのか」という問いに立ち戻れば、環境面でも、コスト面でも、とても優秀に思えます。

「所有する」から「シェアする」へ。
オランダでアイデアとテクノロジーの発展の中に、これからの地球と環境の未来を考えるヒントを得られて嬉しいです。

この記事を書いたボーダレスライター に
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税所 裕香子

Yukako Saisho

  • 居住国 : ドイツ
  • 居住都市 : ザールランド
  • 居住年数 : 1年
  • 子ども年齢 : 6歳、3歳、1歳
  • 教育環境 : ワルドルフキンダーガルデン

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