【アメリカ / ボストン】Me too hand signal
子どもたちがこちらで小学校に通うようになってから、初めて知ったハンドシグナルの話です。
下の娘(当時1st grade)によると、クラスでは手を使って意思表示をするhand signalを日常的に使うということでした。
例えば、タイトルの“Me too” hand signalは、誰かの発言に対して「わたしも同じ」と言いたいときや「さんせい!」のときに声出さずに、自分の意見を伝える方法です。
先生の話や他の人の発言を妨げないで、静かに自分の意思や意見を表現するために使われているそうです。
このときの手の形はアロハ~の手の形。日本だと電話をかけるジェスチャーの手の形です。
他には“トイレに行きたい”、”拍手~(パチパチ)”、”Disagree”、”静かにして(Be quiet)”などのハンドシグナルがあります。
面白い指導だな、と思って担任の先生と話した際にハンドシグナルについて聞いてみました。
- 子ども(特に低学年)は各々が勝手に発言しだすことが多々あるが、声を出していいときと、ダメなときがあることを認識させる。
- ハンドシグナルを日常的に使うことで、自分の意見を表現しつつ、落ち着いて授業や先生の話に耳を傾けることができる。
- 学校には自閉症などで音に敏感な生徒や、補聴器を使用する生徒もいるので、ハンドシグナルはその子たちの負担軽減にも役立つ。
主にこんなメリットがあると教えていただきました。
先生も生徒たちに対してハンドシグナルを使うことで、大きな声をあげて注目をひくことをしないようにしているそうです。
学年の途中、コロナウィルスの影響で小学校の授業がリモートに切り替わりました。画面を通しての授業でも、このハンドシグナルはとても役立っているようでした。
授業中、自分が発言する時以外はマイクをオフにするように指導されています。
オンラインの授業では各家庭の雑音が多いと、大きな支障になるからです。
そんな中でも、カメラを通して友だちの発言に”Me too”や”拍手”を表現できるのはとても便利ですよね。
また、あるクラスメイトのお母さんは「うちの子は、みんなの前で声を出して発言することが恥ずかしくてできないけれど、ハンドシグナルでなら自分の意見を表現できるのよ。」と言っていました。
いろんな個性の人にとって同じく便利なハンドシグナルは、普段の生活に取り入れられたユニバーサルデザインなんだと感じます。
多様な人が集まって作られているコミュニティならではの指導方法は、私にとって斬新で、感心するものでした。