【アメリカ】褒め上手なアメリカ式教育

先日は、長男が参加した、昨年のアメリカのサマーキャンプについてを書かせていただきました。

今回と次回に分けて、コロナ下の今年のサマーキャンプについてをご紹介しようと思います。
今回は、オンラインサマーキャンプについて、そして次回はコロナ対策を徹底して開催された野球のサマーキャンプについてです。

オンラインサマーキャンプ

オンラインのサマーキャンプって!?と、私も初めはその仕組みに戸惑い、実際に参加してみるまではイメージが湧きませんでした。
新規感染者数が、一日4桁のペースで増え続けている、ここノースカロライナ州では、去年のように対面でのサマーキャンプを開催しているところもごく僅か。さすが、訴訟大国アメリカです(笑)

オンラインということは、つまり家にいながら、パソコン画面を見て先生の指示に従い、活動や学習をするのですが、結局家にいるのは変わらないしな…と思いつつも、春先以降ずっと家に引きこもり状態の長男にとって、何か新しいことに挑戦することは、きっと何か刺激になるのではないかと思い、専用サイトに登録しました。

その後の手順としては、数あるクラスの中から自分が興味のあるクラスを探し、申し込む時にオンライン決済をするだけ。あとは、開催日時になったら、各自パソコンやiPadなどのデバイスを用意して、指定されたリンクをクリックし、クラスに参加します。参加人数は、クラスによって違いますが、だいたい10人前後が多かったです。

…結論としては、参加して良かった!です。

絵本作家のクラスやスペイン語のクラスなど、いくつかのクラスを受講したのですが、その中で特に息子が生き生きとしていたのは、Artのクラスと、アメリカのGeographyやHistoryを学ぶクラスでした。

Artのクラスは、先生から送られてくる動画を見ながら、一週間に一つ作品を仕上げていく、というものです。
LIVEでの授業ではないので、2歳年下の弟も一緒にお絵描きを楽しんでいました。

インドの素材をモチーフにして描いた魚です。
背景までしっかりと描くことで、魚の表情や躍動感が出ました。
筆先に付けた絵の具を指で弾き、星を表現しています。
プラスチックトレーに鉛筆で線を書いて彫り、版画をしました。

他にも、葛飾北斎の神奈川沖浪裏の波の絵を、絵の具と塩を使って描く技法や、クレヨンで描いた線を指でなぞってぼかす技法など、大人の私でも見ていて楽しかったです。

また、仕上がった作品は、どれも色彩が豊かで、見ていて元気をもらえるし、お絵描きが大好きな息子にとって、このような新しい切り口の技法を学ぶその目はキラキラと輝いていました。
描けたらクラスの専用サイトのページへ投稿し、受講している子供たち皆で共有できるのは、オンラインならではの利点ですね。

そして、私が特にいいなと思ったことは、先生の褒め方です。
参加者の作品投稿に対し、先生が一人ずつフィードバックでコメントを付けてくれるのですが、その褒めようといったら、素晴らしいのです!

例えば、先生が配信した動画とは全然違う作品になっている子に対しては、「まぁ素敵!こんなカラフルで生き生きとした◯◯を想像できたあなたは、本当に才能があるわ!Fantastic work!」ですし、先生が指定した色使いと違ったもので塗っている子の作品に対しては、「私はあなたのcolor choiceが大好きよ!特に、このピンク色が本当に素敵ね!コントラストが素晴らしいわ!Great work!」と褒めてくれるのです。

先生が指定した色=正解

ではなく、個人の感性を褒めちぎってくれるので、そりゃ親も嬉しくなりますし、もっと自由に伸び伸びとやらせてあげてもいいんだという自信にもなります(笑)
これは、特に芸術だからというわけではなく、他の分野に対しても、アメリカでは「褒めて伸ばす」教育が浸透していると、これまでも度々感じていました。

私も現在、声楽科の音大生へのコーチングに加えて、こちらの子どもたちにピアノを教えていますが、アメリカの「褒めて伸ばす」教育に私自身も影響を受け、実践していることは間違いありません(笑)
日本にいた時は、音やリズムの間違いを指摘する方が、限られたレッスン時間で手っ取り早い教え方だと思っていた私。でも、褒める方が子どもは嬉しくて練習するし、自信も持てます。それがやる気に繋がり、益々の向上心を生む。こんな当たり前のことは、今までもやってきたつもりでしたが、私の褒め方は全然褒め足りなかったと気づかされました。

さて、次に息子が参加したオンラインサマーキャンプは、アメリカのGeographyとHistoryを学ぶクラス。
アメリカを6つの地域に分け、一回50分のセッションで、そのうち一つの地域を学びます。
あらかじめ先生から送られてきたワークシートを印刷して準備しておき、クラスを受けながら各自書き込んでいきます。

私も隣で聞いていましたが、とても面白かったです。

アメリカの州の名前が沢山出てくる、Monopolyという双六のようなゲームをきっかけに、アメリカの地理に興味を持った息子は、クラスで学んだことを、毎回 嬉しそうに私に話してくれました。

英語は難しくて全て聞き取れなかったはずですが、答えられる質問には積極的に挙手して発言していました。バーチャルではありますが、家で一人で勉強するのとは違い、確実に“集団”を感じられていたように思います。

最終日は、これまで全6回で勉強した内容の中から、自分が一番行ってみたい場所や、会ってみたい人など、一人一人がプレゼンテーションする時間がありました。精一杯の英語力で一生懸命発表している息子を見て、参加して良かったなと思いました。

しかし、限られた時間のオンラインということもあって、先生はほぼ一方的に喋り続けていたので、沢山質問したい子や、意見を言いたい子にとっては、少しフラストレーションが残ったかもしれません。
常にミュートにしておかないと雑音も入るので、カメラに向かって相槌を打ったり、ハンドサインで親指を立てたりと、声を出さずに反応することが求められます。

色々なことを学ぶことが出来たオンラインサマーキャンプ。
人肌の温かさを感じながら受ける、対面での指導には敵わないかもしれないけれど、逆に今しか出来ないこと!と割り切って受けていたので、親子共に満足です。

コロナ下で学校も登校出来ないこの状況のため、色々と制限のあったこの夏でしたが、まだまだ息子の暑い夏は続きます!

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