【オランダ】学校公認のアプリで学校と保護者、保護者同士が繋がる?!

登校初日の下校時、担任から直接手渡された紙がありました。
それには娘が通う学校から割り当てられたID的なものが載っていて、どうやらアプリをダウンロードしてください。とのこと。

AppStoreで検索すると、そのアプリは出てきました。
そして、与えられたIDを入力すると、なんと娘の名前が。

「これは何のためのアプリなんだろう….」と思って色々見てみると、
どうやら、
・学校と保護者を繋ぐアプリ
・保護者同士を繋ぐアプリ
のようです…。

「すごい!」と思わず声を上げた私。
…とはいっても、このアプリは学校が開発している訳ではなく、開発されたアプリを学校が利用しているということなのだと思うのですが。
アプリを開発した企業のサイトを訪れてみると、学校向けにいくつかプランが分かれていて、このうちの1つのプランを娘の学校が学校予算で利用しているということのようです。
娘が通う小学校ではこの”Social Schools”というアプリの採用をしているようで。

トップページには、
「明日から学校が始まります!」というメッセージと詳細。
少し遡ると、
「校内にある荷物を移動させてくれるボランティアを募集しています!」
「○○を手伝ってくれる保護者を探しています!」

など、教育活動に関わる内容で活発に掲示板が更新されていて、Facebookみたいなページの仕様になっています。

また、娘のクラス専用のページもあり、担任からクラスの連絡もここに。
保護者はプロフィールを入力することで、誰の保護者かということがわかり、色々便利です。
生徒と保護者を一致させるために、WhatsApp(LINEの海外版)で個人的に連絡先を交換して…という最初の手間も省けます。

メーリングリストのように一方的に学校から連絡がくるのではなく、 保護者の方から連絡を取ることもできる、というこのアプリ。
しかも、LINEなどのように個人的な情報を与えることなく、です。
もちろん、プロフィールには、電話番号、メールアドレス、住所を入力できますが、公開設定もあるので非公開にすることも可能です。

オランダでは働き方がフレキシブルなせいか、学校で何かある際はボランティアを募ることも多いのかもしれません。
PTAに携わっていなくても教育と関われる社会の在り方って素敵だな。と思います。
要するに”時間がある人はよろしく!方式”で学校運営がなされているということです。

とにかく、私もプロフィール写真をUPして、自分自身の情報を入れ、娘の母であるということをアプリで設定しておきました。
これで、娘の学校のママたちとも連絡が簡単に取れそうです!嬉しい!

また、アプリでは欠席連絡も可能。
私が勤務してきた高校では留守番電話に出席連絡を入れてもらい、日直当番が空き時間にそれをチェックして、紙に書き出し、クラスボックスや担任に渡す…ということをしたり、朝、日直当番が早めに電話の前を陣取り、直接出席連絡を電話で受ける…ということをやっていました。
無論、それよりも早くかかってくる欠席連絡に関しては全て、教頭が電話を受け続けます。
なんと無駄……

もちろん、教育現場に電話を取れるだけの時間的余裕があればそれで良いのです。
しかし、そうでない現状であの時間の意味とは。
インフルエンザの季節になれば、電話の数も増えるので電話が鳴りっぱなしの時もあります。

何度か苦言を呈したことがありましたが何も変わりませんでした。
もちろん、私がアプリを開発できる訳でもないのですが…欠席連絡を受けるだけで、一体どれだけの時間が割かれるか。そして、その時間がどれだけ貴重なものか。
時間も無駄、紙も無駄、ペンのインクも無駄。
無駄だらけ。

かたや、こちらではアプリで一瞬です。
オンライン管理のため、担任は教室に行く直前にアップデートされた出席情報をみるだけ。
オランダ人は無駄が嫌いだとよく言われますが、こういう効率最優先の行動を教育現場がしているのを見ていると、とても清々しい気持ちになります。

事務作業は全てオンライン化して、生身の子どもたちと関わる時間を増やす。
もちろんオランダの教育予算は日本に比べ多く費やされている事実がありますが。
それだけではこんな現場にはならないと思います。
やはり、教師たちが子どもたちのことを考え、どうすれば無駄な仕事を技術で解決できるか。そこを突き詰める集団でないと出来ないと思うのです。

とにかく、このアプリを採用してくれた娘の学校にとても感謝しています。
他の保護者と積極的に関われる場を学校が用意してくれているからです。
そして、それは学校の益にもなっている。素晴らしい!
これからこのアプリがどんな風に活用されていくのか楽しみです!

and more...