【オランダ】スポーツの語源は”気晴らし”

昨年度、現役教員として働いていた時、部活動の在り方について英語科の部屋で話す機会がありました。
そこで、年配の先生が「そもそも”スポーツ”の語源は”気晴らし”ですからね」とおっしゃって、「へぇー!そうなんだ!」と思ったことがありました。

今日はオランダでのスポーツについて完全に主観で書きたいと思います。

…そもそもこの内容でブログを書こうと思ったのは、先日、市が主催する無料のスポーツイベントへ出かけたのがきっかけです。
オランダに移住して最初の頃に感じたのは、“ストリートスポーツ”というものに多くの人が親しんでいる国だなぁ。ということです。
オランダで生活していると見かけるストリートスポーツ(移動手段の様々)…

・自転車
・スケートボード
・キックボード
・ローラースケート

日本でもスケボーをしている人は見かけると思うのですが、
女性がバックパックを背負って、スケボーをしている姿はあまり見ないと思います。
実はオランダでは、女性がスケボーをしているところもよく見かけます。
なんなら、子どもは自転車、ママがスケボーとかもあります。「…わぉ」です。

キックボードで小学校へ通っている子どもたちはたくさんいます。
ちなみに娘も小学校にはキックボードかストライダーで通っています。(私は徒歩)

街でもキックボードやスケボーで移動している大人は男女関わらず、日本に比べると結構います。
休日、ローラースケートを履いた親子が家の前を通ったりします。
日本でローラースケート履いている人なんてほとんど見ません。笑
私も最初は「光GENJI?」と思いました。←

ちなみにオランダの象徴でもある”自転車”ですが。
2人乗りは全く問題ありません。大人でも2人乗りをしています。
何なら、前かごを載せるフレーム部分に人を乗せていることもあります。笑
タンデム(2人漕ぎ自転車)もよく見かけます。だいたいヘルメットはかぶりません。

私の乗っている自転車は、ブレーキは左手ハンドルだけ。右のブレーキはフットブレーキです。ペダルを反対に漕ぐと自転車が止まります。
オランダの自転車はハンドルにブレーキがなく、フットブレーキだけの自転車が本当に多いです。
オランダに来て最初に驚くのは、人々が自転車に乗っている姿…かもしれません。
多種多様、少なくとも私は何度も二度見してきました。

…さて、話が逸れて自転車の話になってしまいましたが、オランダではストリートスポーツというものがかなり身近にあります。ストリートスポーツ用の施設(スケートパークと呼ぶらしい:写真参照)が結構あるくらいメジャーなものなのです。

先日のイベントはストリートスポーツも含め、
「スポーツに親しもう!」という、市が主催するイベントでした。
とにかく無料なのに規模がすごい…
「税金納めてる甲斐あるわー」と思えるくらいでした。
税が還元されているってことが実感できる取り組み、本当に素晴らしいと思います。

何より、無料で色んなものをくれます。
Tシャツ、レインコート、フリスビー、LEDライト…めっちゃくれるやん!!!そして、リンゴも無料、ボトルの水も無料でもらいました。
アメリカに留学していた時も感じたのですが、海外では日本よりも無料で配られる物が多い気がします。
しかし、“無料でもらえる”という感覚が麻痺している故に物を大切にしない傾向もあり。
そこに関してはどちらが良いとは比較しにくいところです。(もちろん無料で何かが貰えるのは嬉しいけれど)

さて、今日見かけたスポーツは…

・卓球
・サッカー
・ビーチバレー(今回はビーチではなかったけど)
・BMX
・スケートボード
・バスケットボール
・ラインダンス
・剣道
・柔道
・サーカス競技(え?)

・・・とにかく書ききれないほどのスポーツがありました。
もはやスポーツというか“身体を動かすアクテビティ”くらいのゆるい括りだと感じましたが、実際に体験する場所やブースがあったり、サッカー教室の申し込みができたり…というようなイベントでした。

ブンチャカブンチャカとイケイケの曲が流れ、ステージにはDJもいます。
とにかくお祭り気分。テンション上げていこうぜ!的な。笑

そして、本格的な陸上のフィールドがあるところには、無料イベントとは思えない規模の施設。
気前の良さって言うのだろうか…とにかく規模が違う。子どもはすごく楽しめます。
たかがトランポリンであっても「身体を動かす楽しみ」が実感できます。
案の定、娘は約2時間ひたすらにトランポリン施設で遊んでいました。

オランダ人は長身ということもあって、スポーツには有利な身体つきかもしれません。実は世界一平均身長が高い国としても知られています。そして、ある資料にはオランダに住む人口の約52%が何らかのスポーツに親しんでいる。と書かれています。
確かに、週末ともなれば近所を走っている人も多く見かけるし、サーフボードを抱えて海に行く人もたくさん。

しかし、学校の授業の体育はそこまで本格的とは言えないし、そもそも体育館は狭いし小さいし、ほとんどの場合グラウンドはないし、学校に付随した部活動もありません。
しかし、アイススケートやサッカーでは、ある種強豪として知られています。

なんとなく、本当になんとなくなのですが、オランダ人はスポーツをとても楽しそうにやっているな。と感じます。
「やらされている」という感じはなく、「好きだからやっている」という感じです。

「好きだからやる」ってとても大切だと思うのです。
「このスポーツ好き?」「この勉強好き?」「この取り組み好き?」と聞かれて、
誰に気を使う訳でもなく「好き!」「自分で好きだと思ってやってる!」と言えるってある種当たり前でなければいけないことなんじゃないかな。と。

大人になって「やりたくないけど」と言いながら何かを始めるでしょうか?
ダイエットくらいじゃないかな…と思うのですが。

オランダで生活してみて、今日のようなスポーツイベントに参加してみて思ったのは、
「やっぱりスポーツの語源は気晴らしなんだ」ということでした。
強制されてするものでもなく、嫌々するものでもない。
もちろん、何かを続けていれば壁にもぶつかるし、やめたくなることもあります。
でもきっと、本当に心から好きだと思えることであれば、周囲に相談して、話を聞いてもらうだけで「やっぱりまたやりたいな」と思えるものだと思うのです。
それは周囲への過度な気遣いではなく「自分がやりたいかどうか」という素直な気持ちに従ってなされるべき決断だとも思います。

とにかく、今日見ている限りでは、大人も子どもも本当に楽しそうにスポーツを嗜んでいました。きっとこういう「強制されない場」から生まれる興味や関心が、本当の「やってみたい気持ち」なんだろうな。と思ったのでした。

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