【オランダ】一週間経って感じた教育文化の違い
月曜日から娘がオランダの公立小学校へ通い出してはや1週間。
あっという間に1週間が過ぎていきました。
結論からいくと、娘はとても元気に一切涙を流すことなく通ってくれました。
これはきっと直前で通わせたHolidayCampのおかげ。
そして、何より彼女の性格のおかげかなぁと思っています。
初登校から1週間が過ぎ、その週末に海へ遊びに行ったのですが、なんとそこで手足口病に感染…
月曜日の朝から「口が痛くて朝ごはんが食べられない…」とグズっていた彼女。
他にも「歯磨きがいや」だの「着替えたくない」だの、色々グズっていたので、
「きっと小学校に行くのが嫌なんだろう…」と思っていたのですが。
水曜日になり彼女の身体を見てみると、手のひらに発疹、お尻に発疹、足の裏に発疹、そして口の中には6~7個の口内炎…
あれ….これ、手足口病やん!!!!(遅い)
熱が出なかったのが不幸中の幸いでした…..
ということで、別にナーバスだった訳ではなく、ただの体調不良だった…のか?
今となってはわかりませんが。爆
さて、娘は小学校生活2週目に突入したところな訳ですが、今のところ”全く”と言っていいほどオランダ語はわかっていません。
しかし、彼女は毎日「小学校は楽しい!」と言います。
言語がわからなくたって楽しい学校って、この歳の子にとっては最高です。
最高なのはわかるのですが、何故そこまで楽しいのか母には理解できません。←
色々聞いてみると、とにかく取り組みが楽しい。という感じ。
1週間娘が通う様子を見て、日本の教育文化と違うところがいくつかあったので、こちらの生活に慣れてしまう前に備忘録としても残しておきたいと思います。
ここに書き記す内容はあくまで娘の通う学校の話です。オランダ全土の小学校の当たり前ではないので、あくまで経験と主観であることをご了承ください。
1…入学式はなし。登校初日に必要なものはなし。
登校初日、娘に持たせたものと言えば、
・10:30に食べるスナックタイムの軽食(フルーツ)
・水筒
これだけでした。本当にこれだけ。
登校初日は自宅で昼食を食べたので、お弁当は持たせませんでしたが、プラスすると言えば”お弁当”。以上。
2….必要なものはすでに学校で用意されている
公教育無償のオランダですが、学校で必要なものは学校で用意してくれます。
もちろん、そもそも”必要なもの”が日本とは異なりますが。
教室に”自分の机”はないので、お道具箱もありません。
学校で用意されていたものと言えば、
・娘の名前シールが貼られたスナック&お弁当を入れる棚
・学校に着いたときにジャケットや体操服などの衣類を入れておく袋
・体操Tシャツ(学校名と名前が入ったもの)
・自分が座る椅子に貼るための、名前が書かれたカード
以上です。
それ以外のものはみんなでシェアして使うものとして置かれています。
3…通学は好きなスタイルで
通学方法は自由です。
しかし、ある一定の年齢に達していない子どもの通学には保護者の引率が必要です。車で見送られる子、自転車で見送られる子、子ども自身はキックボードで通学するもよし、ストライダーで通学するもよし、補助輪付きの自転車もOK、もちろん自転車もOK。娘は自転車練習中なので、ストライダーで毎日通学しています。
4…低学年の子を持つ保護者はほとんどの場合、教室まで見送りに行く
高学年になっていくと、校門のところで「バイバーイ!」という感じなのです
が、低学年の場合は教室まで一緒に行きます。
「スナックをここに入れて~」「お弁当はここ~」「水筒はこの棚の上ね~」
という感じで、持ち物をきちんと所定の場所に片付けたのを見届け、バイバイのハグやキスをしてから教室でお別れします。
5…(低学年の場合)教師はすでに教室で待っている
教室に行けば、担任は教室にいます。
生徒たちが来るのをすでに待ってくれています。
6…(娘の担任の場合)目を見て握手をしてから生徒を教室へ入れる
娘の担任はいつも教室のドア付近/教室内にいて、生徒が来ると必ず握手を求めます。
そして、右手を差し出し生徒が握ると、”goedemorgen(おはようございます)、◯◯(名前)”と言って、挨拶を求めます。
そのとき、目を見るように伝え、挨拶を返すように促してくれます。
同時に”hoe heet je?(英語のhow are you?のようなもの)”と聞いたりして、子どもたちの様子を聞いてくれます。
7…円のかたちに並べられた子どもたちの椅子、自分のネームカードが置かれた座席を探すことから始まる
教室内にはいつも子どもたちの小さな椅子が円状に並べられていて、教師も一員として座席があります。その椅子一つひとつに子どものネームカードが置かれていて、毎日座る場所が変わるようです。
7…10:30にはスナックタイム。お腹が空いてイライラするくらいなら少し何か食べた方がいい。
これは意外と海外では王道なスケジュールで、10:30頃に一度軽食を挟みます。
持ってきたフルーツを食べたり、パンを食べたり。ちょうど大人でも10:30といえば少しお腹が空いてくる頃。お腹が空いてイライラするくらいなら、少し何かを食べた方が落ち着くし、気分転換になって良い。そういった観点から採用している国や学校も多いと聞いています。
ちなみに”ヘルシーなもの”が推奨されていて、ガムやチョコは禁止です。
8…(娘の担任の場合)娘がわからなさそうにしていたら英語で話しかけてくれている
最初の段階で担任からは「この子にはオランダ語で話しかけます」と言われていました。ただ、学校生活を送る上で、必ず伝わっていないといけないようなことは娘に対して英語で言ってくれているようです。よって、娘も多少言語によるストレスを軽減されているような気がします。
9…体育の授業が最後にある日は、保護者が教室で着替えを手伝ってあげてほしい
1週間のうち1日だけ体育の授業が時間割の1番最後にある日があります。その日に関しては門付近で解散ではなく、教室解散になるため、教室まで子どもの着替えを手伝いに着てください。という連絡がありました。まだ4歳。保護者が手伝うことでみんなが早く帰れるならそうしようよ。という感じです。
10…水曜日は昼まで授業
当たり前過ぎて忘れてしまいそうですが、オランダの小学校のほとんどは水曜日は昼までです。よって、昼頃にはお迎えに行かなくてはいけません。そして、家に帰って一緒に昼食を食べます。
この”水曜日は昼まで授業文化”はオランダにとっては当たり前のことで、企業はこの水曜日のために、小学生を持つ親の働き方を見直すことが求められるそうです。
11…幼稚園の子どもたちが小学校に遊びにくる?
娘を迎えに行った時に気が付いたのですが、たまに娘よりも小さい子たちが小学校にいます。娘曰く、時々音楽の授業はその子たちと一緒に受けているのだとか。異学年指導ならぬ、異校種授業…情操教育をこんなかたちでやるとは新しい!
12…これがヨーロッパ?バイオリンを弾かせてくれる音楽の授業
娘に話を聞くと、音楽の授業ではバイオリンを弾かせてくれたのだとか。娘は前からバイオリンがやってみたいと言っていたので、大喜びでした。見て、聴いて、触れて…情操教育を大切にしているのかもしれません。
13….家から自分の好きなオモチャを持ってくる日
娘の小学校では月に一度、最初の金曜日には家から自分の好きなオモチャを持って良いことになっています。まさに今週、その日にあたっている曜日があったので、娘は大好きなIKEAの犬のぬいぐるみを持って行きました。
きっと、show&tell(自分のお気に入りのものをみんなに見せて、どういう物なのか、どこが好きなのかなどをクラスメイトに説明するという小さなプレゼンのようなもの)をするためなのだと思います。4歳なので多くの説明はできないとは思いますが、それが何であるかを見せるだけでも良い練習になると思います。
14…保護者会(夜)が来週に
入学式も保護者会もないまま始まった新学期。…ということで、新学期開始から1週間経ってから、”information night”という保護者向けの夜の説明会が来週開かれます。「え。夜?!」と思われるかもしれませんが、オランダでは保護者会が夜にあることは普通のことのようです。
「娘も連れて行くのか…?」と思っていたのですが、担任に聞くと、あっさり、「連れてきちゃダメよ。ベビーシッターでも雇ってね」と言われました。マジか!
この保護者説明会、聞くところによると参加率はそれほど高くないそうですが、初年度なので参加しておこうと思います。さて、娘はどうしようか…
とにかく、思い出したことを書いてみました。
日本とは異なるのは、保護者が校内に物理的に入ってくることが多い、ということ。
物理的な距離はきっと、精神的な距離に繋がるだろうな。と、保護者たちの様子を見ていて思います。ほぼ毎朝保護者同士が顔を合わせ、学校に入っていく。
校舎にも入っていくし、教師との距離も近いのが特徴的でした。
1つ面白かったのは、持っていったお弁当のおにぎりに巻かれていた味付け海苔を見て、担任が包装だと思ったらしく、取り除いたそうで。笑
娘が学校を出るなり、
「おにぎりの海苔をteacher(昼食当番の人)が取ってん!」と悲しそうな表情で言うのです。
最初は意味がわかりませんでしたが、どうやらそういうことのようで。
「”I can eat this!”って言えば良いんじゃない?」
とアドバイスすると、翌日にはそう伝えられたそうです。
ちゃんと伝えられた満足感と、味付け海苔が食べられた安心感で、すごく良い表情をして帰ってきました。笑
食文化が違うとこういうこともあるんだなぁ。と実感。
海苔巻きおにぎりで海苔を取られた時のショックはすごいもんね。
その海苔事件の帰り、周囲が何を言っているのかわからない。と言っている娘に、それでも何故小学校が好きなのか聞いてみました。
すると娘は「Ms.○○(担任の名前)がすっごく良い先生だから!大好きなの!」と、笑顔で答えてくれました。
金曜日のお迎え時、担任にそれを伝えると、とても嬉しそうにしてくれていました。
娘は7月の慣らし登校で号泣したため、担任はそれを覚悟していたそうなのですが、月曜日から全く泣かなかったので驚いたそうです。
オランダ語の指示が通らない時は英語で話かけてくれているそうなのですが、担任が英語で話かけると、娘はものすごい勢いで英語を話しだすそうで。たぶん、彼女なりに話したいことが言葉にできないフラストレーションが溜まっているんだろうなぁ。と思いました。
伝わらないことも多い中で、それでも先生が好き!というモチベーションで学校へ通うことができるとはありがたい限りです。
そんなこんなで最初の1週間が終わりました。
毎日何があったか話してくれる娘。
そして、もうすでにオランダ語の歌を家で口ずさんでいる娘。
楽しく言語が入るってこういうことだな。と、改めて思うのでした。頭で考える前に入る言語は早いし吸収力が半端ない!もちろん抜けるのも早いのですが。
私はというと、娘の成長が早過ぎてついていけません…
かなりの焦りを感じて、オランダ語の本を手に取った金曜日でした。