【オランダ】シンタクラースからの贈り物

12/5、シンタクラースの日の夜を親子2人で迎えていた時のことでした。
それはもう日が沈み、辺りがすっかり暗くなった18時半頃のこと。

家のインターフォンが鳴りました。

Amazonの配送予定もないから、ご近所さんの荷物の預かりかな〜。
と、玄関へと急ぎ、ドアを開けたのですが。

そこには誰もいません。

その代わりに、ドアがやたらと重く…
ふと外を見てみると、フェルト生地のグレーのバッグがぶら下がっていました。

・・・・・・・・。

とりあえず何か分かりません。
しかも開けるのが怖いのです。笑

だって誰からなのか、そもそもうちへの荷物なのか?
そんなことを思いながら、恐る恐るカバンを家に入れ、玄関で開けることにしました。
爆弾だったら困るし、何かが飛び出してきたらどうしよう..
そんなことを考えながら覗き込むと…

そこには綺麗に包装された小包がいくつも。
そして、お菓子がたくさん入っていました。

・・・・・??!??!??!?!??!

とりあえず思ったのは、
「これは絶対うちのじゃない!!!」
ということ。笑

何かの間違いで、誰かがうちに引っ掛けてしまったんだ…
それなら、ちゃんと届くべき人のところへ届けないと。
誰宛かな…名前とか書いてあるかな…

と、袋を探っていると、藁の紐で結ばれた状態の紙を発見。
(宝の地図とかの…そういう感じの状態です。笑)

それを開いてみると、なんとそこには、
“Dear, Nao en ◯◯(娘の名前)”
の文字。

??!!?!うちのやん?!?!???

そこでやっと、1つの仮説にぶち当たるのです。
「シンタクラースか?・・・にしても誰?」

とりあえず、娘の夢を壊さないよう。

「シンタクラースが来たー!!!!!(誰、誰、シンタクラースって誰)←心の声」

と叫びながらリビングへ。
娘は驚いた表情をしながら、

「シンタクラース来たん!??!」

と寄ってきました。

それから、袋の中身を出してみると…

お菓子(たくさん)
“Nao”と書かれた小包が2つ
娘の名前が書かれた小包が3つ

が入っていました。

娘が興奮しながら包装を開けている時、
私はA4の紙にそこそこびっしりと書かれた手紙を読むことに。

そこには、
シンタクラースとピートが私たちをハグして迎えているということ。
私たちがオランダに引っ越してきて、とても嬉しいということ。
私たちの存在が周囲の雰囲気にいい影響を与えているということ。
娘がMiffyが好きだと聞いたけど、本当かな?ということ。
Miffyがオランダを旅する本があるから楽しんでね!ということ。
お菓子もおもちゃもあるから、楽しい夜にしてね!ということ。
オランダという国には色んな訪れるべき場所があって、ユニークな文化があるから、それを存分に楽しんで欲しい。ということ。
そのユニークな文化を知るための本を入れておいたから読んでね!ということ。
おもちゃで楽しい夜を過ごしたら、その後はそれらの本を読んで2人で愉快な時間を過ごしてほしいということ。

…などが書かれていました。
普通に生きてるだけなのに、こんなお手紙をいただくことなんて…(汗)

そして、プレゼントの中身は決して安いものではありませんでした。
木製のおままごとセットや、娘への本、そして私への本…
とても美しく温かい、私たちを歓迎してくれているという手紙。

何故この人が私たちにここまでしてくれるのか…謎で仕方ありません。
もう涙を流さずにはいられませんでした。こみ上げてくるのです。
娘に気づかれないよう、トイレに行って号泣しました。笑
(もはや嗚咽もんです)

少しして落ち着いてから部屋に戻ると、娘はちゃっかりお菓子を食べていました。笑
そして、”Nao”と書かれていたプレゼントを開けずに待っていてくれました。

私にはオランダ人を象徴する内容の本と、
私のイニシャルの”N”の形をしたチョコが入っていました。
(本の内容についてはまた紹介してみたいと思います!)

とにかく、頭の中で渦巻くのは、
「だれ、誰、ダレ、DARE….」
という言葉たち。

もはや遅すぎるのですが、プレゼントを開封してから、
「もしかして1階からまだ見てたりするんじゃない!?」
と思い(いや、遅すぎるやろ)、部屋を猛ダッシュで移動して、窓から外を覗いてみたのですが誰もおらず。(そりゃそうだ)
娘にはそれらの一連の行動を不審に思われたので、もう詮索するのはやめました。←

とりあえず、1番仲の良い娘の学校の友達ママに連絡して、
「担任って各家庭回ってプレゼント渡したりしないよね…?!家のドアに大量のプレゼントが入った袋がかかってたんやけど…!!!!」

と聞いてみましたが、
「ごめん私じゃなくて…笑 しかし、そんなことはないはず…でもすごい良いやん!」
との返信が。

そうだ。これ、人に聞けば聞くほど、
「ごめん、私じゃないわ。笑」
と言わせてしまう可能性が高くなるんだわ。爆
誰か知りたいのに、嫌味炸裂になってしまうやつか。やべぇ….

ってことは、人に聞くのは良くないかもしれない。
でも、誰か知りたいし、こんな粋なことをしてくれた人にお礼が言いたい!
私たちのシンタクラースの夜に燈を灯してくれたのは誰なのだい…

…ということで、随分考えた結果、
「これはきっと学校の保護者に違いない」
という結論に至りました。

というのも、私と娘の名前をここまで知っているのは学校の人だと思ったのです。
しかも、手紙の内容や筆跡は日本人ではない。
私たちがどこに住んでいるか知っている人、そういった情報を入手できる人…
もはや気分はコナンです。(←コナンに失礼やろ)

そこで、学校のクラスグループにメッセージを送りました。
「今日、うちにシンタクラースが来ました。私と娘のために、たくさんのプレゼントとお菓子を入れた袋をドアに掛けてくれた人がここにいるはずです。中に入っていた手紙には、私たちをオランダという国にとても歓迎してくれていて、オランダという国を好きになってくれると嬉しいと書いてありました。こんなことをしてくれる人に出会えたことをとても幸せに思います!誰かわからないけど、”ありがとう”を伝えたいので、ここに書かせてください。私たちの静かな夜に燈を灯してくれて、本当にありがとう!」

こういった感じの内容を投稿してみたのですが。

「Nao!私じゃないけど、とても素敵な話だわ!あなたたちの元にもシンタクラースが来てくれたのね!」
「なんて素敵な話なの!」

というような反応が並ぶだけ。(なんてこった)

「みんな揃って秘密を守ろうとしているのではないか?」
と疑心暗鬼になってしまうのは、私の心が荒んでいるから…←

とにかく、保護者から「私で〜す!」という反応はなく。
心のモヤっとは解消されぬまま、翌日の朝を迎えることになったのでした…

そして翌日。

「これが最後の砦!!!!!」
と思いながら、娘の担任に聞いてみました。

「ちょっと変なこと聞くけど、昨日の夜うちの家に来た?」

「…..いいえ?なんで?」
↑結構ガチなトーン。

「…あ、いや、えっと….(やってもーたー)」

事情を説明したところ、
「私じゃないな〜。ごめんね〜。笑」

「…ですよね」

ということで、迷宮入りが決定。←
ちょっと担任のハンドライティングに字が似ている気がしたのです。
しかし、こっちの人ってだいたいハンドライティング似てるんですよね…
だから、余計わからんのじゃーい!

とにかく、こうしてシンタクラースの謎は迷宮入りいたしました。

翌日、最初にメッセージを送った友達とお茶をしていたのですが。

「ま、きっと2年後くらいに”あれあたしだったの〜!”と現れるよ、きっと。笑」

と言われ。
きっとそうなんだろうな…と思ったのでした。

それにしても、粋過ぎるオランダ人のやり方。
久しぶりに“心が芯から温まる”という経験をした気がします。
謎は謎のままだから良い。
あまりにもカッコ良過ぎる図らいに、日本人の私の心は未だについていけておりません。←

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