
【ニュージーランド】ニュージーランドのお誕生日会事情
子供が幼稚園や保育園に通い始めると、たまに子供の友達のお誕生日会に呼ばれることがあります。そして子供が小学校へ上がると、それが本格化します。毎月必ずと言っていいほど誰かのお誕生日会に呼ばれ、多い時には毎週のようにあったり、同じ日に二つのお誕生日会に呼ばれたりすることもあります。呼ばれると、今度は自分の子供のお誕生日会の時はどうしようかということも考えなくてはならなくなり、誕生日の数か月前から悩み始めたりします。
今はどうなのかはわかりませんが、私が子供の時は、お誕生日会、というのはとてもまれだったように思います。もちろん、招かれたり招いたりした記憶もありますが、招かれたのも数えるほどでしたし、自分の子供のころのお誕生日会に友人を招いたことは1度か、あっても2度だったような気がします。
そう考えるとニュージーランドでは、お誕生日会はある意味ビジネスとして成立しているように思います。例えば習い事などの場所でも、お誕生日会パッケージなるものがどこにも存在します。屋内の子連れで遊びに行ける施設は、大抵お誕生日会をすることができますし、市の運営するプールでさえ、週末の2時間くらい、プールの一部を貸し切ってお誕生日会に使用することもできます。
前回、習い事についての記事を書きましたが、息子が通っているパルクールの施設も、お誕生日会ができるようになっています。その時間、招かれた友人たちとその施設を自由に使って遊ぶことができたりします。ケーキを食べたりできる、テーブルのある部屋も使うことができます。施設によっては、簡単なランチや親向けのサンドイッチを提供してくれるところもあります。気になる料金は、大抵は2時間くらいで、$300(3万円弱)前後です。こういう施設を利用する場合、招かれる方は思いっきり遊べますし、招く方も、予約さえしてしまえば、あとは招待状を作ってケーキとお返しを準備する、それで終わりなので、家で誕生日会をやるときに必要となってくる準備や片づけをしなくて済む、というメリットがあり、実は、かなり多くの方が使用します。
息子が学校に入って初めて招かれた誕生日会は、去年、日本から戻って学校に通い始めて、わずか1か月後でした。そんなにすぐ誕生日会に招いてもらえたという嬉しさのようなものもありましたが、まだ知り合って一か月の息子をも招いてもらえる誕生日会というものはどんなものなのだろう、ととても興味深かった記憶があります。その誕生日会は、その子の家で行われたのですが、全部で20人近く招かれており、クラス全員が招かれているのかと錯覚するほどでした。親の数もそれだけいて、家は人であふれていました。私自身も同振舞ったらよいのかわからず、緊張したのを覚えています。先日、その子のお母さんと話をする機会があり、この誕生日会のことを聞くと、こりごりだから家で誕生日会はもうやらない、と言っていました。
家で誕生日会をやるのは、それなりに準備が必要です。ケーキなどはもちろんですが、子供向けにフルーツやお菓子などつまめる物を準備したり、親と一緒に来ることが多いので、親に向けてホットドリンクを勧めたり、と当日までホストは大忙しです。子供が退屈しないようにアクティビティも必要です。プレゼントをもらう代わりにお返しも渡すので、アクティビティとお返し、両方を兼ねる、Pass the parcelやPinataが人気です。
Pass the parcelは、子供が円になって座り、音楽に合わせて大きな包みを順番に手渡ししていきます。音楽が止まった時に持っていた子が外包みを破ると、小さなおもちゃやお菓子が出てきて、それをもらえる、というものです。その包みは何重にもなっていて、ちゃんと人数分いきわたるように作られています。音楽を操作する親が全員にチャンスがあるように回すので、子供は楽しいですが、親は結構神経を使います。
Pinataは、デコレーションされた大きな箱にお菓子やおもちゃを入れて上からつるし、それを子供たちが順番に棒などでたたいて壊していき、出てきた中身のおもちゃやお菓子を拾う、というものです。この箱自体を買うこともできますし、自作する家庭もあります。すぐ割れたり、なかなか壊れなかったり、順番を待てない子がいたり、やりたくない子がいたりと、いろんなドラマの生まれるアクティビティです。
招かれる側は、というと、プレゼントを用意してお誕生日会に参加します。みんな、一応ちゃんとしたプレゼントを持ってきます。例えばレゴの小さいセットや、私が良くつかうのは、科学実験セットみたいなものです。それ以外は車のおもちゃとか、女の子だとおしゃれセットみたいなものです。一つ数千円はするので、ちりも積もれば、なかなかの出費ですし、プレゼントを探したりする時間もかかります。
お誕生日会は、親が労力とお金を使うので、毎年やらないと決めている家庭もあります。兄弟で順番にやったり、今年は家族だけで来年は友達と、とか、家でやるなら呼ぶ人数を少なくする、とか、どの家庭も工夫してやっています。私は、息子の誕生日会が夏なので、自然の中でやりたいと思っており、今年はビーチで、息子が呼びたいといった二家族だけを招いて、とても小さくやりました。外だったので、ピクニックセットを持って行って、ケーキはカップケーキにして、お返し用のアクティビティは、大きな氷にお菓子を入れてハンマーでたたいて割るものを用意したりして、少し手間はかかりましたが、天気も良くこじんまりしていたので、他の子の両親とじっくり話すこともできて私も楽しめて良かったです。
お誕生日を迎える子は、呼ぶ人数にもよりますが、たくさんのプレゼントをもらいます。息子が招待してもらった誕生日会は、ほとんどが10人前後招待されていましたので、それだけのプレゼントをもらい、更に家では親から、祖父母から、など、多くのプレゼントをもらうこととなります。家族でないと、どんなものが欲しいものなのかわかりづらくて選びづらい、ということもありますし、気に入ってくれないこともあるかと思います。けれど、喜んでいる子供を見たいので、きっとどの親もこうして誕生日会を開いたりするのだと思います。
誕生日会が沢山あるからなのか、呼んだ、呼ばれた、といういざこざはクラスメートの間では少ないように感じます。息子は当然、呼ばれると嬉しいようですが、私としては、そんなにたくさん呼んでもらわなくてもいい、とさえ思ってしまっています。
ニュージーランドでは、子供の誕生日会は、クリスマスに並んで親が一番頭を悩ます時でもありますが、私としてはプレゼントより、息子に、その時に仲の良いお友達と楽しく過ごしたという思い出を残してあげることができたら、と思っています。

水野 宏美
Hiromi Mizuno
- 居住国 : ニュージーランド
- 居住都市 : クライストチャーチ
- 居住年数 : 15年
- 子ども年齢 : 6歳
- 教育環境 : 現地公立小学校


