【オランダ/アイントーフェン】学校見学
みなさんこんにちは。
今月、2回に渡って娘の小学校を見学する機会がありましたので、その様子を報告します。
<オープンデー>
オランダの小学校は学区制ではないので、基本的には自由に学校を選んで入学することができます。(定員超過、その他正当な理由があれば学校側が入学を断ることもできます。)その反面、学校側は一定数の生徒数を確保する必要があります。
こうした事情から、学校のPRとして地域の親子向けに一年に数回、学校ごとに「オープンデー」が開催されています。
我が家の場合、息子も娘と同じ学校に4歳から通えるよう申し込みをしてありますが、せっかくなので「オープンデー」を覗いてきました。
指定日の午前中はいつでも学校に入ることができ、校長先生からイエナプランや学校の特色の説明があるほか、高学年(11歳、12歳)の生徒たちが校内を案内してくれました。
ちょうど私たちが行った時に、1歳半の子どもがいるイタリア人の保護者の方もいたため、スタッフが「この子たち、英語できるから」と高学年の女の子を二人連れてきてくれました。オランダ語が不得意な私たちに、女の子たちは丁寧に英語で説明してくれ、私も娘の学校を再発見できる特別な時間になりました。
●高学年クラスの共有スペース
娘の学校では、4つの教室が一つの広い共有スペースを取り囲むように配置されています。このスペースには、低学年であればおもちゃなどが配置されていますが、高学年ではソファスペースのほか、楽器スペースやミニキッチンもありました。
「キッチンは空いている時間に使えるんだよ。」と女の子が説明してくれ、自由に記名できる予定表が貼ってありました。実際、訪問した際も二人の子どもたちが何か料理をしていて、できたものを職員室に少し差し入れしていました。
教室の中では勉強をしている子どももたくさんいたため、調理している子に授業との兼ね合いを聞くと、「料理する時間を確保するため、ちゃんと課題を終わらせるの。」と事もなさげに教えてくれました。また、同じように課題が終わった男の子が一人でソファスペースで本を読んでいました。
●学習進度の速い子どもへの対応
また、廊下の一角(教室の外)に、6〜7人の子どもと一人の先生が机を寄せて勉強していました。案内してくれた女の子たちが、「クラスの課題だと簡単すぎる子どもたちが、集まって他の課題をする時間があるの。レベル・レッスンって呼んでいるんだけど、誰でも参加できるわけじゃないの。」と説明してくれました。
後から教師に聞いたところ、こうした対応はこの学校が特別に行なっているわけではなく、今ではほとんどの学校で導入されているようです。
●学校の好きなところ
案内してくれた女の子たちに、「学校の好きなところ」を聞いてみました。一人の子は「人が好き。友達や先生がいい人。」、もう一人の子は「年に一回、クラスで行くキャンプが好き。最終学年だと一週間行かれるからすごく楽しみ。」と言っていました。
●英語について
二人とも、家庭内で英語を使っているわけではなく、「英語でyoutubeとか番組観るから、自然と英語ができるようになった。」と教えてくれました。私の周囲のオランダ人(大人)も、英語の学習方法として同じコメントをよく言っています。
一緒に見学していたイタリア人の保護者は、「でも、youtubeならみんな見てるわよね?その中でもあなたたちは特別英語が得意なのはどうして?」とさらに踏み込んで聞いていましたが、女の子たちは「うーん。分からない。」と笑っていました。
<保護者ウォークイン>
娘の学校では、月に一回程度、保護者が朝の時間に教室に入ることができます。これは「ウォークインの日」と呼ばれていて、特別なプログラムが用意されているわけではありませんが、保護者なら誰でもふらりと立ち寄ることができます。「この前はパパが来ていたから、今度はママが来て!」と娘も招待(?)してくれたので、先日行ってみました。
●出欠席
教室に入ると、みんなの個人写真が大型スクリーンに映し出されていて、登校したらまず自分の写真をタッチして、出席確認をしていました。タッチすると自分の写真が緑枠で囲まれるため、誰が登校したか一目で見ることができます。遅刻や欠席予定の子どもの写真は赤枠で囲まれていました。
●スケジュール
娘が、個人の週間スケジュールを見せてくれました。今週、教科書(教科)6種類をどこまで終わらせるか、それぞれ目標とする項目が書いてありました。この計画立案・相談・実行・フィードバックもイエナプランの特徴の一つのようです。
娘が「やっぱり難しいかもしれない時は、先生と相談して変えるんだよ。」と言っておりました。先週のスケジュールは全て<達成>マークがついており、その用紙を娘は嬉しそうに見せてくれました。
●朝の時間
登校後、朝の会(集まってみんなで話す時間)が開始するまでの20分程度は、トイレに行ったり、友達と話したり、教師と話したりと、子どもたちは自由に過ごしていましたが、手持ち無沙汰になると各自でワークブックに取り組んでいました。ワークブックはその時期のテーマに沿った(今だとイースターのテーマ)プログラミング基礎、塗り絵、なぞなぞ等、様々なドリルが冊子になっており、子どもたちが自分で進められる難易度になっていました。
娘から「ママと塗り絵をしたい。」とリクエストがあり、私も他の保護者と話したり塗り絵をしたりとのんびり過ごしました。
学校の中で、子どもたちがくつろぐ場所もあれば集中する場所もありました。
2回の訪問時、教師も子どもたちも保護者も、ごくごく自然な普段通りの様子が印象的でした。
この記事を書いたボーダレスライター に
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西山 千香子
Chikako Nishiyama
- 居住国 : オランダ
- 居住都市 : アイントーフェン
- 居住年数 : 1年未満
- 子ども年齢 : 6歳、3歳
- 教育環境 : イエナプランスクール、保育園(週3日)