【オランダ】保護者自身が手を尽くしてから、学校に頼ってみる
私たち家族が住むハーグは、12月18日からホリデーに入りました。
その段階で、通常であれば1月4日までだった冬休みは、1月19日まで延長されることが決定済でした。
そして先週、そのロックダウンが2月8日まで延長されることが決定。
しかも、今回の発表では21時30分以降の外出も禁止となり、違反した場合は罰金(約10,000円)となることが発表されました。
外出禁止令が出てから毎日21時過ぎ頃になると、うちの近所では「これでもか!!!」というくらいの音で花火が鳴り響くのですが(←)、皆さん21時半を前にストレスを発散させているのかもしれません。
娘はどれくらい学校に通わないことになったか
さて、本来であれば1月4日から始まるはずだった学校は、1月19日再開となり、その後2月8日再開にまで延長されました。よって、12月18日から2月8日の再開まで、娘は<約1ヶ月半>もの間学校に通わないということになりました。
しかも、この期間中は「ロックダウン中」なので、気軽に外へ遊びに出たりすることも憚られます。また、図書館や美術館、博物館等も閉館中なので、公園以外のどこかへ出かけることも難しい状態です。
学校のオンライン学習はどうなっているか
この期間中、学校の対応に関しては千差万別のようで、「学校の数だけ学校が異なる」と言われるオランダでは、オンライン学習の在り方も様々です。
娘は現在groep2、いわゆる日本で言う「幼稚園の年長」の学年に属しています。まだ本格的な学習が始まる前の「プレスクーラー」です。
娘が通う学校は1月4日を過ぎてから、アプリを通して保護者に自宅学習に関する連絡をしてきました。
基本的には、
・自宅で印刷可能な学習用PDFのシェア
・オンラインアプリの導入(ノルマなし)
・音楽の先生が歌を歌ってくれている動画のシェア
・体育の先生がエクササイズを紹介してくれている動画のシェア
・担任の先生からのメッセージ動画のシェア
・<1週間に1回15分>の対話(5人グループ)
で、乗り切ってきました。
ただ、1月19日以降のロックダウンが継続される発表後は、
・<1週間に1回10分>の体育の先生とのオンラインエクササイズ(自由参加)
・<1週間に1回30分>の算数の授業(5人グループ)
・<1週間に1回30分>の言語の授業(5人グループ)
・<1週間に2回30分>のクラス全体での対話(自由参加)
が追加されました。
恐らく、同じ学年の場合でも、学校によってはもっと熱心に、しかも早い段階からオンライン授業をしている学校もあると思います。笑
ただ、娘の小学校はいわゆる「お勉強」学校ではなく、最初のロックダウンの時からしきりに、
「この年齢の子どもたちに必要なのは、鉛筆を持たせてプリントをさせることではなく、暇な時間を持て余すことで、想像力を育むことです」
と言われてきました。
その教えについて興味がある方はこちらの記事をどうぞ…
「子供を暇にさせなさい」というオランダの先生の教え」
https://note.com/naom_27/n/n8345916b6332
実は移住の際に大切にしたのも、<学習と自由のバランス>でした。
移住を決めた時は、
「教育ママだね!」なんて言われたこともあったのですが、子どもの教育環境に関して言えば、むしろ<子どもらしい小学校生活>を望んでいました。
そうとは言えど、もちろん学校選びのためのポイントはいくつかあったのですが、
「オランダでオランダらしく自由を謳歌しながら、子どもの頃にしか経験できない小学校生活を送って欲しい」
という想いも大きくありました。
入学してから別のママが、
「この学校を選んだのは、子どもが子どもらしく過ごせて、勉強ばっかりしないところが気に入ったからなの」
と言っていたのを聞いて、何となくほっとしたことを覚えています。
自宅でのオランダ語学習は?
さて、家庭での共通言語は日本語の我が家。
家庭においてオランダ語のやりとりがないことは、彼女の言語面においてマイナスになってしまうことも懸念していました。
・オランダ語のテレビ番組を一定時間観ることにしたり、
・プレイデートを頻繁にして、子どもたち同士がオランダ語を話す機会を作ったり、
・学校から指定されているアプリ学習を多めにとってみたり
色々と意図的に策をとり続けてきた方だと思います。
私たち自身が日本語や英語を扱い、子どもから成人に対して言語教育をしている観点からいくと、娘にとってのオランダ語環境は意識して大切にしてきました。
やれることはやってきたけれど、再延長はきついな。ということで
そこで先週発表されたロックダウンの厳格化と延長。
自宅に招待できる成人の人数も2人から1人へと変更され、ますます言語環境が限られることになりました。
…ということで、やれることは散々やってきたけれど、ここで学校の助けを借りようか。という結論に。
担任にメールをして、週に1回で良いので、娘と一対一でオランダ語会話をする時間を設けてくれないか。ということをお願いしたのです。
すると、担任はあっさりと快諾してくれて、Microsoft Teamsのログイン方法を添えて日程調整に入ってくれました。
始まったマンツーマンのオランダ語チャット
私は仕事でレッスンが入っていたので相席出来なかったのですが、彼が対応してくれて、娘と担任のオランダ語チャットが始まりました。
担任の先生を独り占めできる特別な環境に娘も緊張&興奮していたようで。
その様子を彼が音声に録音して、後で聞かせてくれました。
「朝は何を食べたの?」から始まり、
「毎日どんなことをしているの?」など、娘の日常についてたくさん聞いてくれていました。
また、言語学習や算数の要素も入れてくれていて、アルファベットやフォニックス、算数の内容など、30分間ほどチャット&レッスンをしてくれたのでした。
手を尽くすこと、そして学校に頼ること
結果、担任にきちんと相談をしてみて良かったなと思いました。
メールでは、日々オランダ語習得で意識していることを述べながら、それでも娘にとってのアウトプットの時間が制限されてしまう。ということを相談しました。
「状況はとてもよくわかりました。是非、やってみましょう!」
と快く了承してくれた娘の担任の回答は、目の前を明るく照らしてくれたように思います。
また、娘の担任は私がオランダ語がそこまで話せないことを理解しながらも、いつもオランダ語でメッセージを送ってきてくれます。
私としては、彼女が「私に英語でメッセージを送らないこと」に好意を持っています。
「ママもパパもオランダ語、頑張ってね!」と言われているような気になるのです。
まだもう少し続くロックダウンとオンライン学習。
オランダで暮らす家庭は大変なことも多いと思います。
手を尽くしながら、誰かの助けを借りる。
先の見えない今ですが、出来ることから行動していこうと思います!
この記事を書いたボーダレスライター に
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三島 菜央
Nao Mishima
- 居住国 : オランダ
- 居住都市 : バーグ
- 居住年数 : 2年
- 子ども年齢 : 4歳
- 教育環境 : 現地公立小学校