【日本】三者が納得できるカンファレンス

節分も終わり、暦としても新しい春を迎えた今日この頃、京都では日に日に暖かさも増していて、それに比例して、明け方布団から出られるようになるスピードが増しております。

起き上がるスピード以外にも、体感としてもしっかりバッチリ春を感じているこの頃。
なんてったって、目の痒みと鼻水が止まりませーん!
体内に高性能花粉レーダーを搭載している私は(このいらないレーダー、誰か買い取って!いや無料で差し上げます。)、これからしばらく、日常におけるパフォーマンスが3割減(集中力と頭の回転率が激減)、そして薬漬けの日々。

あああ、憂鬱な日々が到来したわと思っていたら、隣からも鼻のグスグスが聞こえてくる。
あれま、どうやら長女も同様のようです。まだまだ若いのに、なんてこった。
辛さを共有しながら、乗り越えようと思うあと数ヶ月です(な、な、長すぎる涙)。
同じく花粉症のみなさま、お互いガンバリましょう。

そんな春を感じながらも、今回の話は、ちょいと時期をさかのぼって、長女の通う、国際バカロレア(IB)カリキュラムの私立小学校にて、年末の冬休み前に行われた カンファレンスについて。

●カンファレンスとは?

カンファレンスとはナンジャラホイ、という方はググっていただければわかりやすいのですが(得意の他力本願)、今回の場合、簡単に日本語でいうと「懇談」です。

昨年末の学期終わりに行われたのは「 SPT カンファレンス(Student, Parent, Teacher) 」だったので、先生と親と子どもで座って話す「三者面談」を想像してもらえると、形としてはわかりやすいかなと。
昨年度は年間を通して、個人カンファレンス(要するに、先生と親で話す個人懇談)、学年全体カンファレンス(要するに、学年懇談会)が数回行われたのですが、今年度はこのご時世なもので、ほぼ流れました。

そして、SPTカンファレンスも、新型コロナの状況如何では対面で行える可能性もあったのですが、結局直前に、Zoomを利用したオンラインカンファレンスとなりました。(移動時間が必要ないことはメリットだけど、やっぱり対面で会って話したかったなーという思いが個人的には残りました)

●アナログな日程調整

ちなみに、カンファレンスの日程の決め方は、なんとまあ公立小学校と同じく、配布されたプリントに、決められたスケジュール内の可能な日時を書いて提出する、というとてもアナログなもの。

長女の小学校、普段のお知らせなどは、学校のホームページにアクセスしてそこから各自チェックorダウンロードしてくださいねー、のスタンスなのに、なぜこのスケジュール決めはアプリやらオンライン上でやらぬのか。。。
この紙で提出パターン、集計やら調整やら先生にとっちゃだいぶ手間がかかる事務作業でしょうに。

このサイトのオランダ在住のライターさんの記事などからも分かるように、スケジュール管理アプリのようなものでそれぞれの親が可能日時を登録していくという手法が取られている国や学校もあります。
これなら、先生が何もしなくても、勝手にスケジュールが決まっていきます。
先生は事務作業に取られていた時間が、子どもたちのために有効活用できるわけです。

そのほうが先生方にメリット大きくないでしょうか?
先生にメリットがあるということは、心の余裕がある先生が子どもたちに向き合ってくれるということになり、結果、子どもたちにメリットがあるってことじゃないでしょうか。

もちろん、早いもん勝ちはどうなんだとか、各家庭の事情があるからとか、まあもろもろのプリントから抜け出せない言い分はあるのでしょうけれど、長女の学校は普段がオンライン上でチェックしてくださいねスタンスだからなおのこと、なぜこのスケジュール調整はアナログなのか、疑問に感じます。

欲を言えば、いろいろなプリント類は配らないからホームページでそれぞれ確認してねっていうのなら、提出しなければならないお知らせプリントを、各自でダウンロードして印刷して書いて提出するっていうのは、二度手間ならぬ三度手間になっているし結局ペーパーレスになっていないので、PDF上でチェックやサインしてそのままオンライン上で提出できるようにしてもらえたら。(いつも提出プリントを期限までに出し忘れがちな私としては、締め切り当日の朝に娘が登校後、提出忘れに気づいた場合も焦ることなく提出できるっていう大いなるメリットが。え?人間としてのそもそもの問題?)

でも(自分のことは棚に上げて)、そこまでできて、本当のオンライン化だと思うのです。

しかしまあ、息子たちの公立小学校での経験と比べると、これでもだーいぶプリント少なめなのは、家庭にとっても環境にとってもありがたいことだと思います。
日本の公立学校のお知らせプリント類の多さは、ほんと早急になんとかして欲しいと思うのは私だけじゃないはず。(そう思っている親は多いはず。いや、多いって絶対。)

兄弟姉妹がいるとなおのこと、家の中にプリントの山が出来上がって、「プリント整理」が家事のタスクの1つとなります(母親はただでさえ忙しいっていうのに)。
デバイスを持っていない家庭に対する配慮だとかの事情があるのでしょうけど、デバイスの貸し出しなど、時代に合った対策をしてくれたらなーと。

●子どもがプレゼン&親が質問&先生がコメント

そして、カンファレンスの内容なのですが、先ほど伝えたように形だけ取れば日本でいう三者面談の形。だけれど、日本では、主に先生が話してその話を親子で相槌を打ちながら聞くだけ、というそのような内容とは大きく異なります。

今回の設定は、一家庭20分枠。
内容としては、

  • 児童による、今学期努力をした点・冬学期及び今後に向けての改善点の発表 (約5分)
  • 保護者から児童への質問 (約5分)
  • 教員からのフィードバック

となっていました。
子どもがプレゼンして、親がそれに対して質問して、先生がそれらにコメントする、ということです。

このSPTカンファレンスの方式、昨年度、娘が一年生の時にはありませんでした。
一年生だからなくて二年生だから始まったのではなく、今年度から新たに取り組みとして始めた、ということです。
なので、一年生から六年生まで、子どもはもちろん、親も先生も皆が初めての試みでした。

このように、国際バカロレア(IB)のカリキュラムの中で、次々と新しい策を取り入れていこうとする学校側の姿勢に、私はとても好感を持っています。
時代は進んでいるのだから、進化しない現状維持は退化と同じ。
何事も、やってみなきゃわからんのです。やってみたらいいんです。

●子にとっても親にとってもメリット多し

結果、いち親として、このSPTカンファレンスはとても良い方法だと感じました。

学んだことが自分に身についているかどうかを知る一番の方法は、アウトプットをすること。もはや世の中の常識であるこのことを、子どもが面談でやるってことです。
何も知らない相手に対して、自分が学んだことを、いかに相手が理解できるように伝えるか。
学んだ内容をいったん腑に落として自分で噛み砕いて、目の前の相手に伝わる言葉を選んで話すという技術が必要です。

子どもにとって、学びの定着にもなるし、プレゼン資料作りやトークの練習にもなるし、聞いてくれる誰かに向かって話す緊張感に慣れる機会にもなる。
親にとって、我が子が何をわかって何をわかっていないかが分かり、得意なことや苦手なことが見えやすく、我が子と先生の関係性も伝わってくる。

もちろん、その学期内に学んだこと全てのプレゼンではなく、学んだunit(IBカリキュラム参照)の中から自分で何をプレゼンするのかを選んでいるので、すべての学びのアウトプットになっているわけではなく、SPTカンファレンスをしたとて上記のメリットは一部のことかもしれませんが、それでも、ただ学校での様子や成績を先生からつらつら聞くだけの三者面談よりは、断然にこちらの方式を私は良しとします。

そして何より、これは繰り返すことに意義があると思います。
SPTカンファレンスを何度も重ねていくことにより、子どもが成長していく様子を親が目の前で実感できるはずなのです。
そしてそれを担任の先生と同時に共有できているということが、子どもに対して大きなメリットとして還元されることになるはずなのです。

ちなみに、娘の様子を見ていると、“子が親に対してプレゼンする”っていうのは、なんだかものすごく緊張するみたい。
あんなにも大勢の前で堂々と踊れる度胸の持ち主(前回の記事参照)が、ものすごーくガチガチになっていたので 笑。
(え?うちの子だけだったり?決して親としてプレッシャーなんてかけてないんだけどなあ。)

●あっという間に年度末

あれよあれよと日本は年度末が近づいてきています。
娘も、もうすぐ二年生が終わっちゃう、今のクラスが終わっちゃうと淋しい顔をしながら、登校できる日数をカウントダウンしています。
学校に登校できるありがたみを感じた一年だったなあ、ほんと。

クラス替えが淋しいと思えるクラスのお友達と先生と出会えてよかったねと声をかけながら、やっべ、もうすぐ三年生?え、この前入学しなかったっけ?と心の中でひとりで不明な焦りに駆られ、時代の速度はもちろん日々の速度についていかねばと思う母です。

花粉の辛さを乗り越えた頃にはもう、新三年生。はっや。

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