【オランダ】オランダでは子どもの「読書週間」も楽しい

日に日に日照時間が短くなりつつあるオランダです。
朝7時前に目覚めると窓の外は薄暗く、夜のよう。
子どもを送り出す時間(8時過ぎ)には明るくなっていますが、これから登校時間には自転車のライトが必要になる季節へと突入します。

さて、今日はオランダにある秋の風物詩(?)、“kinderboekenweek”をご紹介します。

“kinderboekenweek”とは?

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“kinderboekenweek”とは日本語にすると「読書週間」でしょうか。
日本語にするとどうしても固くなってしまうので、”Children’s book week”くらいの方が良いような気がします。

CPNB財団という本や読書を啓発している財団が中心となり、毎年テーマを決めて秋の季節に子どもたちを本の世界へと誘います。

今年のテーマは、”En toen?(And then?)”

今年のテーマは”En toen?(And then?)”ということで「それからどうなるの?」という感じ。CPNB財団のHPには、

Children’sBookWeek®2020の期間中、私たちは時間を遡ります。 本は歴史に命を吹き込み、過去の世界を具体的にします。 騎士についてのエキサイティングな物語を読んだり、戦時中に旅行したり、古代についてすべてを学んだりしてください!

と書かれていました。
つまり、今年のテーマは「本で時代を巡ろう!」という感じでしょうか。

子どもの小学校からは、学年ごとに決められたテーマが送られてきて、このkinderboeknweekにどんなアクティビティを行うかのお知らせが届きました。

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図書館や本屋さんも一緒に!

このkinderboekenweekですが、何も学校だけが躍起になっている訳ではなく、図書館へ行けばフライヤーが置いてあり、図書館開催のWSなども行われます。
また、本屋さんでも今年のテーマに沿った本を店頭に並べたり、本屋でWSを開催したり…と「本に関する場所」は積極的に応援しているように思います。

なんとYoutubeでダンスまで!

そして極め付けはダンス!笑
ダンスと読書がどう関係するの?!という意見はさておき、方法は何であれ、この期間をテーマに沿って楽しもうという雰囲気がうかがえます。

学校からの連絡では、このダンスは体育で踊るとのこと。
よって「自宅でも練習してみてください!」と書かれていました。

なるほど、これは日本の小学校の運動会のテーマのようです。
ただ学校生活を通して「テーマ」が教育活動に組み込まれるのはとても大切なことではないでしょうか。
国をあげたイベントのテーマを教科横断型にして、子どもたちに浸透させながら学びを深めていく。
とても合理的で現実的だな、と感じます。

大人の本気具合を子どもたちは見ている

話は変わって、オランダの冬にはサンタクロースならぬ「シンタクラース」というイベントがあります。クリスマスよりも前に行われるこのイベントでは、シンタクラースが実際に学校に来ることも多く、彼が連れてくる「ピート」という仲間が学校を荒らす(実際は先生がいたずらする)、というようなことも起こります。

去年の様子

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朝学校に行くと、あら大変!教室の中の物がぐちゃぐちゃに荒らされている!という始末です。笑

また、国営放送ではスペインからやってくるシンタクラースが、今日はヨーロッパのどの辺まで来たか、どんな事件が起きたか…などを、子どもたちをワクワクさせるためにド真面目に撮影、編集、放映しています。

オランダの子どもたちはこういったイベントの中で生きているような気がします。しかも、一つひとつのイベントは強制されるものではなく、単純に楽しめるもの。
そして、大人たちは子どもたちがそういったイベントを心から楽しめるよう工夫し、子どものままでいられるようにしてくれいるようにも感じられます。

去年は「旅行」がテーマで、パイロットのパパがKLMの制服を着て教室へ話をしに来てくれました。
今、コロナウイルスの感染者数が増えているオランダではそういった企画は難しいかもしれませんが、子どもたちが楽しいkinderboekweekを楽しめることを祈っています!

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