【アメリカ】8月からの新学期はどうなるのか

連日、最高気温は35度超えで、日差しも強烈なアメリカ・ノースカロライナ州です。
日本のこの時期の、ジメジメとしたあの湿気を、少し忘れかけている今日この頃です。

アメリカは、州によってその差はあるものの、国全体としては、新型コロナウィルスの感染者が1日に6万人や7万人ずつ増え続けていて、厳しい自粛生活は依然として続いています。

そして最近、私のメキシコ人の友人やアメリカ人の知人が、新型コロナウィルスに感染して入院までした話を聞き、もう本当に私たちもいつ感染してもおかしくない状況なんだと、危機感を抱いて生活しています。

中にはニューヨーク在住のお母様が危篤状態なのに、州をまたぐ移動が制限されていたり、検疫のせいですぐに会いに行く事すらできないと泣きながら話す知人もいます。
そういった悲しい知らせを聞く度に、穴の中へ体が落ち込むような暗い気持ちになり、かける言葉も見つかりません。

また、子どもたち同士の交流も、3月中旬以降、基本的には閉ざされたままの状態です。
勉強の遅れは、努力次第で取り戻せるかもしれませんが、同年代の友人たちと過ごしてこそ培われる、社会的感情や協調性などは、子どもたちが集まる現場でしか学ぶことが出来ません。それが約半年もの間、全く学べていない状況であることは、子育てをしている親たちにとっては一番心配なことではないでしょうか。

さて、今はちょうど年度末にあたる時期のアメリカ。公立学校の休校措置が3月中旬から取られて以来、一度も登校することなく6月中旬から夏休みに入っている今、来月(8月)からの新学期がどうなるのかは、皆がとても関心を寄せているところでした。
そして、新学期から我が子を学校へ登校させたいか、それとも、自宅での完全リモート学習(オンライン学習や家庭学習)を希望するかのアンケートが、全家庭に対して行われたのです。

すると、約64%の家庭が、リモート学習ではなく学校へ登校させたい、との結果。(アンケート結果は、学校区からのメールで連絡を受けました。)
私が予想していたよりも、多い数字だな…と個人的には思いました。

そんな中、こちらノースカロライナ州では先日、新学期からの学校登校について、州知事から重要な発表がありました。
それは、知事が提案する2つの選択肢から、どちらかを選べる、というものです。
一つ目の選択肢は、月曜・火曜に登校するグループと、木曜・金曜に登校するグループの2つに分けて登校曜日を指定し、登校しない日はリモートにする、という、“登校”と“リモート”混合の、ハイブリッドプランです。つまり、こちらを選択すれば、週に2回だけ(といっても、半日なので午前中だけですが…)登校が可能になります。
二つ目の選択肢は、完全リモート。一切登校はせず、自宅でオンライン学習です。健康面に不安を抱えていたり、家族にハイリスクな人が居たり、その他の理由で登校を望まない人は、この完全リモートを選択することができます。

残念ながら、感染者と死亡者は増え続けているし、8月からも登校は無理だろうな…と諦めていた私にとって、この州知事の発表は、わずかなから希望の光が見えたように感じました。週に2回だけでも登校出来るなら…!!

しかしそれが一転。

私たちの住む地域の学校区の教育機関が、州知事の決定よりも厳しいプランにすることを、先週発表したのです。
それは、8月からの新学期、全員少なくとも初めの9週間は完全リモート、そしてその後、もし事態が良くなっていたら、週2回登校可能なハイブリッドプランを開始する、とのことでした。もちろん、希望者は、引き続き完全リモートを選択してもokとのこと。
そこで、9週間のリモート学習を経た後、もし週2回の登校が可能になった場合、どちらを選択するかのアンケートが、また各家庭へメールで送られてきました。

事態が良くなっていたら…
なので、10週目からも完全リモートが続く可能性は十分あります。

約64%の家庭が“登校”を希望しているはずなのに、少なくとも全員9週間のリモート学習というこの決定がされたということに対して、個人的には少し疑問なのですが、それだけ危険な状況であるということは間違いありません。

ここで少し注目したい点があります。
それは、アメリカの教育行政のシステムは日本と異なり、各州の教育省の下にある郡教育局の、そのまた下にある学校区の裁量で、このように色々なことを取り決めることが出来るということです。つまり、これによって、州知事の発表よりも、厳しい休校措置を決定することが出来た、というわけです。
学校で使う教科書やカリキュラム、そして、休日までもが、学校区ごとに決まるので、車で10分の隣町では登校日なのに、うちはお休み〜なんてことがあるのも、納得できますね。

8月から次男も小学校のKindergarten。
このままリモートが続くと、彼らを連れて私は大学へ伴奏の仕事(本業ピアニスト)をしに行かなくてはならなくなるのか…!?

兄弟揃って、あの黄色いスクールバスで楽しく小学校へ通える日を、親子共々、楽しみにしていたのですが…。
本当に、どうなることでしょう。

不安な日々はこれからも続きますが、一つ言えることは、こちらに住む“日本人ママ友”の存在の心強さ、です。
学校区からの重要な発表や取り決めなども、全てメールで連絡されるため、見逃してしまうこともあるのですが、ママ友とこまめに連絡を取り合うことによって、お互い新しい情報を手に入れたら教え合ったり、助け合ったりしています。また、この状況での子育てに対する不安や意見を、LINEでやり取りし合うことで、同じように悩んでいるママが他にもいることを知り、共感し合うことは私にとって何よりの支えになっています。

and more...