【アメリカ】オンライン授業ではどんなことをするのか
新型コロナウィルスの影響で小学校が休校になり、3月下旬から始まった長男のホームスクール。
日本の公立小学校はこの頃、ちょうど学年が変わる春休みということもあってか、学校によって少し宿題が出ているところもあれば、特に課題などは何も出ていないところもあると聞きました。
家で勉強することにも少しずつ慣れてきた4月3日、クラスで初めてのオンラインミーティングがありました。
日本で“ミーティング”というと、大人が職場の人たちと会議をする、というイメージがありますが、こちらでは、子どもがオンラインの画面上で集まることもミーティングと呼ばれています。
ZoomやSkypeなど、世の中には様々なオンラインミーティングツールが存在していますが、息子の小学校では、Googleのオンラインミーティングツールを使うことになりました。
ミーティング開催日の数日前に、担任の先生からリンク付きの招待状が送られてきて、指定の時間になったら各々のデバイスを用いてリンクを開き、ミーティングに参加する、といった流れです。参加、不参加は自由ですが、毎回ほぼ全員のクラスメイトが参加しています。
2nd grade以上の学年は、毎日クラスミーティングがあるそうなのですが、1st gradeの息子のクラスでは、週に2回(各30分間)のクラスミーティングがあり、それとは別に、希望すれば、担任の先生とマンツーマンでのミーティングが受けられることになっています。
クラスミーティング
学習内容は、担任の先生によってあらかじめ決められていて、毎回、スライドや絵本などが用意されています。(準備する先生は本当に大変そうです!)
授業を具体的にご紹介したいと思います。
こちらは、あるReading/Writingの授業で、特定の2つのもの(こと)について、“Compare”と“Contrast”、共通点は何かを考えて、Venn Diagramに書きましょうという課題。
まずは、先生がこのスライドを画面に表示します。そして、これを皆で見て、“Compare”と“Contrast”とは何かを学び、
次に、このスライドを見ながら、書いてある質問を誰かに読んでもらったり、書かれている質問に答えていきます。
最後に、このスライドを見ながら、それぞれの動物の違いと共通点を発表していき、Venn Diagramを埋めていきます。
このミーティングの後、各自で取り組む課題として、2冊の異なる絵本を読み比べてから、自分でDiagramに書き入れる、という復習課題が出ました。
教科が変わって、次はMathの授業についてです。
ちょうどこの時は、形についての単元を学んでいました。
各々準備しておいた紙と鉛筆で、このスライドに書かれてある問題を、生徒それぞれが描きます。(息子はトラックのような絵を描いていました。)
そして、描き終わったら、各々がカメラに向かってその絵を見せて画面に映し出し、画面上で皆とシェアします。
それに対して、先生がコメントをしてくれるのですが、だいたいいつもこちらがびっくりするほどオーバーな表現で褒めてくれるのは、アメリカっぽいなといつも思います!
クラスミーティングの時の息子の様子はというと、初回はかなり緊張していて、一度も発言することなく終了しましたが、回を重ねるごとに慣れ、自分で挙手をして発言もできるようになってきました。
また、実に色々な意見が飛び交うので、息子もとても楽しんでいます。家で一人で勉強するのと違い、お友達の意見を聞いたり、共感したりすることができるのは、集団学習でしか得られない素晴らしいことですね。
ただ、このクラスミーティングに参加するときは、発言のマナーを守る必要があります。それは、発言をしたいときは挙手をし、先生に当ててもらってから話すこと、そして、ミュート機能(こちら側の音声が、ミーティング参加者全員に聞こえなくなるモード)を、自分でコントロールすることです。
特に、自分が発言するとき以外、常にミュートにしておくことは、一番大切なマナーで、初めに先生からも丁寧な指導がありました。何十人もの生徒が一気にミュート機能を外してしまうと、統制がきかなくなり、また、まるで先生の声が聞こえないばかりか、雑音が重なってものすごい音が発生してしまうので…。
このマナーは、このようなパソコン操作を、小学校1年生から自分でさせることにも、意味があるのではないかと私は感じました。
あと、課題をやり終えた時や、先生の言っていることが理解できたという意思表示をするために、“Thumbs up”(こぶしを握り、親指を上に立てて上に向ける動作)をしょっちゅうするのですが、これは普段の授業の時もなのだと思います。「できたー!」「終わったー!」の声で、いちいちクラスがうるさくなるのも防げるし、とても良いですね。
マンツーマンミーティング
息子も希望して、週に1回、担任の先生とマンツーマンミーティングで勉強をみてもらっていました。
テーマが決まっているクラスミーティングと違い、マンツーマンミーティングは自分で課題を決め、そして個人のペースで勉強をみてくれます。息子は、ReadingとWritingの課題を中心にリクエストをして、じっくりと教えてもらっています。
私も、課題で分からないところがあれば直接質問できるのでとてもありがたいのと、何より、大好きな担任の先生を独り占めできる嬉しさが息子にはあるようです。
そして感じるのは、英語を英語で勉強できる素晴らしさ。
どうしても、私が教えるとなると、日本語の解説が沢山入ってしまうので…。
マンツーマンミーティングでも少しずつ余裕がでてきたのか、最近は余談(時には余計な事まで!)を言って先生を笑わせたりする場面もあり、そんな息子を頼もしく思ったり、苦笑いしたり、時には眉をしかめたりしながら、私は隣でその様子を見守っています。