【オランダ】5/11から”部分的に”小学校が再開します

オランダでは、4/21にルッテ首相から正式な発表があり、小学校が部分的に再開することが決まりました。
この”部分的に”というのは、全面再開ではない。ということです。

時系列で追ってみると、
4/21(火) 首相の発表
4/22(水) 学校から”首相の発表に基づいた学校のスケジュールを追って連絡します”との連絡あり
4/24(木) 学校から登下校や授業の再開手順についての詳細連絡
という感じで進んでいます。

まずは、小学校の”部分的な再開”とはどういうことか。以下、大使館からのメールです。

1 教育
〇小学校(特殊(小)学校、託児所を含む、12歳までの児童対象のもの)は5月11日(月)に再開する。児童は、登校する日は校外託児所に行くことができる。ただし、教室には半分のみ出席とし、隔日等の方法により、遠隔教育も活用して授業を行う。
〇実際の運用については、学校ごとに検討。学校は保護者に対し、どのように教育が行われるのか説明を行う。
〇小学校の特殊教育は100%再開する。
〇学校への送り迎えについては、公共交通機関への負担を避けるため、保護者に対し、可能な限り、徒歩または自転車での通学を呼びかける。
〇学校、チャイルドケア施設、地方自治体は、児童保護サービスについて可能な限り通常運営の努力を行う。夜中の緊急児童保護サービスは引き続き運営される。
〇中・高等学校については、6月2日(火)の再開を目指して準備を行う。ただし、それまでの間の感染状況次第では、変更(または一部の再開等)もあり得る。

2 スポーツ
〇4月29日(水)以降、青少年は戸外でのスポーツを行うことが可能。ただし、公式試合は禁止。
〇12歳までの児童は、戸外で監督者の下でスポーツを行うことが可能。距離の制約はない。
〇13歳から18歳までの青少年は、戸外で監督者の下でスポーツを行うことが可能だが、1.5mの距離を維持しなければならない。
〇各市は、スポーツクラブやコーチと個別にこれらの活動のための協議を行い、取り決めを行う。その内容は、地方の実情に合わせて異なるものであってよい。
〇トップレベルのスポーツ選手については、1.5mの距離を維持することを条件に、個々に指定された訓練施設においてトレーニングを再開できる。
〇また、シャワーを浴びる際は、自宅に帰って浴びる必要がある。

3 高齢者への訪問
〇70歳以上の高齢者への訪問禁止は、緩和される。4月29日(水)以降、70歳以上の高齢者の自宅には、1または2名の同一の者によるある程度定期的な訪問が認められる。

4 イベント
〇イベントは、急速かつ大規模な感染のリスクが大きいため、許可制及び届出制のイベントの禁止は8月31日(月)まで延長される。これには、プロサッカーの試合も含まれる。

5 接触を必要とするサービス(マッサージ、美容院、理容院等)、レストラン、カフェ等
〇現在とられている閉鎖等の措置は、5月19日(火)まで延長される。この一週間前に、今回同様、状況を踏まえて、延長あるいは緩和等について検討され、その決定方針が発表される。

…ということで、
オランダでは保育園/幼稚園/小学校/それに伴う学童保育の再開が決定しました。

COVID-19に関するRIVM(国立公衆衛生環境研究所)によると、子どもの感染率は比較的低い。と結論付けているようです。
https://www.rivm.nl/coronavirus-covid-19/kinderen-coronavirus
また、中学校などの中等教育が再開されない理由としては、初等教育に比べて生徒たちの地域間の移動が多く発生するから。だそうです。
オランダの小学校に学区制はありませんが、多くの場合は自宅付近の小学校に通っています。また、自宅から距離がある場合も送迎は車ですることが多く、公共交通機関を利用する機会も多くありません。
しかし、中等教育以降は公共交通機関を使わなくてはいけなかったり、地域をまたいで生徒の往来が多発します。
そこで、オランダ政府は、リスクが低く移動の少ない小学校からの部分再開を決定したのかもしれません。

そもそもオランダは”外出禁止”というような厳しいロックダウンは選択せず、”インテリジェントロックダウン”と名付けた自粛措置を選びました。
これは、ある程度の自粛要請は出すものの、人々の行動をスペインやイタリアほど制限しない。というものです。
ルッテ首相は、規制を厳しすぎないものにするために、人々の個々の行動を見直すよう求めた感じでした。

また、厳しいロックダウンをしない。と決定したことで、ある程度の感染は止むを得ない。というような意味も含まれていたようです。
言い方は難しいですが、
「国全体において、徐々に感染していくことを踏まえながらもその感染拡大を最小限に抑えていく」というようなイメージです。(私の理解が間違っていなければ。ですが…)

さて、その再開する小学校ですが、クラスを二分割して授業を行うようです。
また、学校からはアプリを通してこのようなポスターも送られてきました。

左上から順に…

・子どもの送迎について
子どもの送迎に付き添える保護者は1名のみ
・校内の立ち入りについて
保護者やそれに相当する人の校内への立ち入りは禁ずる
(つまり、ピックアップは門の外で。ということ)
・教職員の指示に従うこと
・交通手段について
生徒とその保護者は、可能な限り徒歩か自転車で来ること
・人と人との距離について
 ・生徒同士の距離:1.5mの規制なし
 ・教職員と生徒の距離:出来るだけ1.5m以上保つ
 ・大人同士の距離:1.5m規制を守る
・生徒が自宅での療養/待機が必要な場合
・風邪の症状、鼻水、くしゃみ、喉の痛み、咳、38℃以上の熱
・家族のうち誰かに風邪の症状がある場合
・その後24時間症状がない場合は学校に戻ることができる
・リスクグループに属する人々への対応について
生徒や教職員で”リスクグループ”に属している人、もしくは生徒や教職員の家族が”リスクグループ”に属している人は学校に来ることが免除される。これについては、学校のマネジメントスタッフと相談すること。

最後の”リスクルグープ”の定義ですが、調べてみてわかったのは、ざっくりいくと…
・70歳以上の人々
・18歳以下で、罹患の可能性が高い基礎疾患をもった人

のようです。
(上の翻訳、不安なところが多くあるのですが…汗)

余談ですが、オランダで配られるポスターや街の看板というのは、いつもわかりやすくて、デザイン性が高いな。と思います。
デザインがキャッチーで、アイコンがわかりやすくて、細々としていない。
大事な部分だけが絞り込まれていて、何が重要かがわかりやすい気がします。

…ということで、娘のクラスが二分割された表が送られてきました。
娘のクラスはどうやら21名らしく(今回の名簿で知った。←)、10名のクラスが”青クラス”で、11名のクラスが”黄色クラス”と名付けられていました。

本来、水曜日は全学年午前授業なのですが、水曜日の授業については、
1週目が青グループ→2週目が黄色グループ…というようにして隔週で行うようです。

他にも、
・学年毎に異なる登校/下校時間が設定されている
・学年によって、校門Aを使うか校門Bを使うかが決められいる
・どのルートを使って校門に到着すべきか、どのルートを使って帰路につくべきか決められている
・自転車置き場所についての厳格な規程

などが書かれていました。

オランダの小学校の教室は低学年になればなるほど小さくなる場合も多く、教師と生徒の距離がどれだけ保てるかはわかりませんが…
国が出した「徐々に感染しながら」という方針をこういったかたちで乗り越えていくしかないのかもしれません。

SNSなどを見ていると、小学校再開に反対している保護者は思ったよりも多いようです。
やはり、「まだ時期尚早だ」と思っている保護者が多いということかもしれません。

オランダでは4/27〜5/8まで”mai vacantie”と言って、長期休暇に入ります。
休暇明けの5/11からの学校再開。

さて、どうなることやら…

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