【オランダ】「サッカーフィールドで見つけた、新しい暮らしのかたち」— オランダの小さな村で、家族とともに始まった日々

この春、私たち家族はオランダの小さな村に引っ越しました。夫と私、そして中学1年生と小学校1年生の子どもたち、4人での新生活のスタートです。

子どもたちは、それぞれダッチ・インターナショナルスクールに通い始めました。言葉も文化もまったく違う新しい環境。最初は戸惑いや不安もありましたが、日々の通学を通して少しずつ慣れ、楽しいことも、そしてもちろん大変なことも、自分たちなりに受け止めて成長しているのを感じます。

私たち家族にとって、オランダでの生活は初めての連続です。ビザやレジデンスカードの取得、学校とのやり取り、子どもたちの適応など、ひとつひとつに時間とエネルギーが必要でした。でも、ようやく生活のリズムが整ってきた今、ふとした瞬間に「来てよかったな」と感じることが増えてきました。

特に印象的だったのは、下の子が始めたサッカーです。広々とした芝のフィールド、地域のパパたちがコーチとして参加するスタイル、そして2対2や10対10など、試合形式で体を思い切り動かす合理的なトレーニング。日本での習い事とはまったく違う風景がそこにはありました。

言葉がわからなくても、ボールがなかなか回ってこなくても、一生懸命走ってチームの一員になろうとする息子の姿に、何度も励まされました。のんびりしている暇はなく、全身でプレーに没頭する1時間。その姿に、たくましさと希望を感じました。

そんなサッカーの送り迎えの場で、地域のママとも交流が生まれました。ある日、私がフィールドの隅でひとり佇んでいると、見かけたママが話しかけてくれました。近所に住んでいて、平日は都市部まで金融の仕事に通っているという彼女は、私が放課後の学童(BSO)のことで困っていると話すと、親身になっていろんな情報を教えてくれました。

「この地域なら、あそこのBSOがいいわよ」「新しくできた施設もおすすめよ」そんなふうに、一生懸命伝えてくれるその姿に、私はとても温かい気持ちになりました。

「月曜日は“ミータイム”で会社は休んでいるの。週に3日だけ働いているのよ」と聞いたとき、私は思わず「えっ?」と驚いてしまいました。オランダの親たちは、仕事・家庭・自分の時間を自分で調整して生きている。その働き方・暮らし方に触れたとき、「こういう生き方もあるんだ」と心の奥に何かがスッと落ちた気がしました。

日本とオランダ、どちらが正しいということではありません。ただ、私たちが持っていた「当たり前」が、実はとても限定的な価値観だったのだと気づかされたのです。

そして、感謝を込めて

この小さな村での暮らしを選ぶきっかけをくれたのは、このWEBサイト運営者のみどりさんと、ボーダレスライターSayaさんとの出会いでした。当初は大都市での生活を予定していた私たちが、いまこうして自然に囲まれた環境で、ダッチ・インターに通いながら暮らしているのは、あのときSaysさんに学んだ時間があったからです。

暮らし方、学び方、働き方に「正解」はなく、選択肢がたくさんある。そう教えてくれたSayaさん、そしてこのサイト<OVER THE BORDER -読む聴く知る 世界の教育->の存在に、心から感謝しています。

この文章が、どこかで迷っている誰かの背中をそっと押す、そんなきっかけのひとつになれたら幸いです。

かすみ

Kasumi

  • 居住国 : オランダ
  • 居住都市 :
  • 居住年数 : 1年
  • 子ども年齢 : 11歳、5歳
  • 教育環境 : ダッチインターナショナルスクール

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