【オランダ】まぁまぁ本気のdepression

オランダに移住して5ヶ月強、もう少しで半年が経とうとしています。

実はここ2週間くらい本気でdepressionを感じていました…つまり落ち込んでいました。
理由は様々ですが、1番大きい要因は天気だったのかもしれません。
ずーーーーーっと曇りか雨の日が続いていたのでした。
(2週間ぶりくらいに太陽を見たときは、ただそれだけで泣けました。笑)

オランダでは日照時間の関係で、生まれた子どもが4歳になるまでビタミンDを摂取させます。
これは義務ではありませんが、かなり推奨されています。
私が知るお母さんは「4歳を過ぎても、冬場じゃなくても1年中摂取させてるよ」
と言っていました。

とにかく、今のところ娘はどんよりした様子もなく元気なのですが。
…まさかの自分が落ち込んでしまうという失態。(失態ではないのかもしれないけど)

オランダに移住する前に色んな人と話をしたのですが、オーストラリア出身の友だちに「本当に天気悪いし、慣れるまでは落ち込むこともあるから気をつけて」と言われました。
夏は太陽をガンガンに楽しむオーストラリア人の彼にとってオランダの天気は最悪。だそうで。

そんな彼のアドバイスに「私は大丈夫だと思う!」という根拠のない自信を持っていた私。
しかし、そんな自信はいとも簡単にへし折られてしまったのでした。←
(…しかも10月で。爆)

下の階に住むイギリス人の女性には、
「これでもイギリスよりはマシ。笑」と言われたのですが。(イギリス人どうやって生きてるん)

ここまで落ち込んだのは天気もありますが、きっとワンオペで子育てをしているから。
そして、まだここできちんとビジネスを軌道に乗せることができるかわからない。という不安から。

日本にいる彼はまだ教員をしていて、離れて暮らしてはいるものの、一定の収入があります。
しかし、私は基本的に子育てに従事しながら、色々模索している最中。
基本的には貯金を切り崩す生活です。
お金の不安ではない…と言ったら嘘になりますが、
お金の心配よりも、正直、「社会との接点が欲しい」「もっと懸命に働きたい」という欲求がきちんと消化されない毎日に苛立ちを感じています。

自分なりに何がしたいかというビジョンは明確にあるものの、最初から何かを構築するためにある一定のまとまった時間を費やすことが出来ず、行動に移せない部分が多い。という状態。
「走り出しは思いっきりやりたい」と思っているのに、セーブしなければいけない。というのが結構精神的にきつかったりします。

何より家事育児は完全に1人で行っている上に、水曜日は12時半のお迎え、その他の4日間は15時に迎えに行く必要があります。それプラス、スタートアップ。

娘はまだ4歳。まだ慣れない生活なので、正直ベビーシッターの利用は不安があります。
「幸せを求めてオランダに来たのに、何だこの落ち込みは…」
と、落ち込んでいる自分に余計落ち込む始末。笑

落ち込んでいる自分が半分だとするなら、もう半分の自分は、
「そういったことも含めて移住したんだろう。甘えるな、もっと頑張れ」
と叱咤激励を飛ばします…
そして、それを考えて「情けないなぁ…」と涙ぐむ始末。(おいおい)

とにかくネガティブ。自分でも呆れるくらいネガティブ。
太陽は見えないし、何をしても気分は晴れないし、表面張力でなんとか持ち堪えているコップの水ような状態が続き(時には溢れ出す→号泣)、感情のコントロールが難しい時間が流れました。

まだまだ生活の立ち上げは完了していなくて、手続きで必要な調べ物が結構あったり(期限付のものも多し)、それこそ言語の壁があってそういった翻訳をして制度を理解しなければいけなかったり、個人事業主として経理処理があったり…と、目の前にはまだまだ書ききれないほどのTODOもあります。

そういったことを一人で一つひとつ乗り越えていくことに困難さを覚え始め、ついに爆発してしまったのがこの10月。

ただ、何を思っても、考えても、
「そういった苦労も含めてここに移住しようと思ったんだろうお前は」
と、ストイックな自分を顔を出すのです。(プライド高杉)

そして、落ち込む姿はどうしても娘に見せたくない….
自分は自分の責任でここに来たのだから。と言い聞かせる日々でした。

そんな日々を過ごす中、やはり自分には社会との接点が必要不可欠なんだと感じました。
もちろん、こちらに移住して色んな人と出会い、励まされ、応援され…本当に良い出会いに恵まれています。

しかし、今の生活は言うなれば教員として働いていた頃の生活とは真逆。
毎日仕事で誰かに会う訳でもなく、それこそ毎日働いている訳でもありません。
私が欲しているのは、母としてだけの日々ではなく、微々たる力でも良いから「社会に貢献している、社会とつながっている」という社会人としての実感なのだとわかりました。

そして何より、彼がいない。というのが1番辛い。
移住する前は「LINEでたくさん話せたら、そこそこいけるだろう」と思っていましたが、実際にはそう簡単にはいきません。
もちろん頻繁に話せたとしても、身体が隣にあって、目を見て話すことが出来て、話す間やタイミング、仕草や、動きなどがなければ、実際のところ「今お互いが同時刻に存在している」という実感を持つことさえ難しい。と感じています。
インターネットを介して話していても「通じ合っていない」と感じてしまうのです。

夏の終わり、涙を流しながら「また冬に!」と見送った時の焦燥感はずっと心の中にあり続け、本当に少しずつ自分の心を蝕んでいるんだなぁ。と思いました。
(こんな書き方すると何か詩人みたいになってしまうけど。笑)

ただその反面、ポジティブに考えれば、私はこの移住を通して普通に今まで通り日本で暮らしていては経験できないことを経験している。と感じています。
単身赴任の夫を持つ人が「旦那がいなくて寂しい」と言えば、「頻繁に電話しているなら大丈夫なのでは?」と思ってきたけれど、”頻繁な電話”では到底埋められないものがある。ということを経験を通して実感できました。

「シングルマザーで大変」という人がいれば、「そりゃ大変だろう」とは思ってきましたが、具体的に何が大変で、どういった時に不安を覚えるか…ということも、今では鮮明に分かります。
「旦那の帰りが遅くて、シングルマザーのような生活だ」と言う人の場合も同じで、いかに家で家事と育児を両立させることが大変か(現在娘は約10日間の秋休み中…)、という気持ちも今は痛いほどわかります。

そして、「子育てが辛くて仕方ない」というかつて懸命に働いていた人が、子育てという状況によって社会との接点を絶たれ、子どもだけに向き合う時に感じる孤独や孤立感(感じるかどうかは人それぞれですが)、子どもの接点だけを通して他人と人間関係を築くこと(ママ友作り)の難しさ、など、「こういう時に1人だと大変だ」「こういう時に物事の難しさを感じる」というポイントがより理解できるようになりました。

「自分が経験しないとその人がいる状況がいかに大変かが理解できない」
とは思っていませんが、やっぱり表面上で理解することと、”当の本人レベル”で何かを体感するのは全然違うことなんだなぁ。と感じています。
そういった意味では、私のここでの生活は、あのまま教員をしてるだけでは得られなかった”経験値”を確実に上げてくれています。

そして、そんな状況にいる私にも、支えてくれる家族や友人がいること。オランダで出会った心優しい人たちが「何でも話してね!」と言ってくれることにとても感謝しています。

ただ、そういった人たちに「こんなこと話せない…」となってしまうのは私自身の問題。「こういったことも含めて移住を決断すべきだったんだろ、乗り越えろ!」と顔を出す別の自分の存在は、私自身の問題。本当に何とかしたい…..爆

総合的に「やっぱり移住して良かった」とは思うのですが、正直なところ、”1人で全てをする”というところにまだ自信がありません。
だから、いち早く彼にはこっちに来て欲しい。

私たち家族は一緒にいるからこそどんな困難も乗り越えて来れた。そう実感する日々なのです。

こういった不安な日々を過ごす中、今の状況、つまり異国の地で母子で暮らすという行為は新生児の娘を育てていた時の感情に似ていると感じます。
右も左もわからない状況で、目の前の子を生かすことに必死だった日々。
途切れ途切れになる睡眠の中での授乳。とにかく一緒に起きて、彼が隣にいてくれることだけが支えでした。授乳中やその時の動きで不安なことがあった時、隣にいてくれて「こうかな?」「いや、こうかな?」という不安を一緒に共有して欲しい。
「こうしてみよう」「こうやってみたら?」と、隣で一緒に考えて欲しい。
「男は起きても何もすることがない」のではなく、私に「一緒に育てているよ」という実感を持たせてくれることが、何よりの安心でした。

そして、まさに今の私は、そういった“実感”を欲しているのだと思います。
まだまだわからないことが多い生活の中で、「これはどうすれば良いだろう」と思ったことに対して”答え”ではなく、”意見”がほしい。一緒に同じ時間を生きているという感覚が欲しいのです。
一時期は幸せそうに街を歩く家族連れを見るだけで涙が溢れていたのですが。
今はかなり落ち着いてきました。こうやってブログを書けるくらいには。笑

半年経ちそうな今ですが、自分たちの決断自体、正しかったかどうかなんてまだ分かりません。
きっと一生かかっても「これで正解だった」なんて言えるようにはならないかもしれない。
だからそこそ「いつか正解だったと言えるための努力」を日々重ねなければいけないのではないか。と思うのです。

ただ、それにはリスクや痛みが伴うこともあるだろうし、今回のように悲しみや虚しさが襲ってくるかもしれません。
それでも前に進みたい。この道を信じたい。という気持ちは捨てないように。
本当に心が折れそうになったら、周囲に力を貸して。と頼んでも良い。
立ち止まっても良いし、しばらく立ちすくんでも良い。
そんな自分を受け入れて、ストイックになり過ぎない。笑

この歳になって久しぶりにこんなに落ち込んで、一瞬ひるみましたが。
何からでも学びはある。と捉えられるようになりました。

いつかまたこのブログを読み直した時、
「そんなこともあったんだよな…!!」と思えるように。
私なりの備忘録としてこの経験を記しておきたいと思います。

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