【ドイツ】いざ、本場ドイツのシュタイナー幼稚園へ!-後編-
●シュタイナー幼稚園のこだわり環境
シュタイナー教育では、自然は子どもの感覚を育み、精神的な成長を促進する重要な要素と考えるため、人工的なプラスチック素材や化繊は好みません。
園舎については、建物全体に角がなく、やわらかい曲線と木材ででき、温かみのある色と温かい光で包まれています。
(実はこの園舎、園長先生が、自ら設計したと知ったときは本当に驚きました。シュタイナー建築の特徴を見事に取り入れているんですよ!)
幼稚園のことをドイツでは「キンダーガルデン(子供の楽園)」と呼びますが、シュタイナー幼稚園は、本当になんとも神秘的で平和な環境で満ちています。
おとなでも幸福感に満たされる、まさに「子どもにとっての楽園」だなと感じています。
【環境の特徴まとめ】
・幼稚園の中は全て自然のもの
・食事はオーガニックなどのこだわりで手作り
・ひとりひとりが好きなことをする時間を重要視
・自然の中でほとんどを過ごす
・整ったリズムでの生活
・オイリュトミーダンス
・お話の語り、想像の世界づくり
●シュタイナー幼稚園の先生の特徴
また、シュタイナー幼稚園は、先生の子どもたちの関わり方も日本と違うと思うことが多々あります。
例えば、日本では時間の過ごし方が「時間割」感が強い感じがしませんか?
「はい、次はお絵かきするよ~!」「はい、次はダンスだよ~!」と。
子供たちも、さぁ乗ってきたぞ!というところで、あれ?終わり?みたいな瞬間ってあるんじゃないでしょうか。
一方でドイツの幼児教育では「子どもの自主性」を第一に尊重する考え方のため、子供に「その時々のしたいこと」をさせます。そして、その様子を先生たちは見守っています。
一方で、上記で「整った生活リズム」も重要視しているとお伝えしました。
では、次のことへどうやって移行させてるのか?というと、見事に「導く」んです。
「子どもが次の行動へ移行することを選択」させるように。
具体的にどうしているかというと、ベルや歌などで、まず「合図」をし、次の行動へ興味付けをします。
子供たちは、そのベルの合図が習慣化されているため、自分たちで判断し、次の行動へ自然と移行していくんです。
この様子を見たときは、これこそ「自主性を高める教育」だなと関心させられました。
【先生の特徴まとめ】
・一緒に遊ぶというより子供の自主性を尊重し「見守る」
・手を出しすぎず子供を自立へ「導く」
・どんなことでも褒める
・一人づつ握手と共にあいさつする
●私たちがシュタイナー教育を選ぶ理由
なぜシュタイナー教育を選ぶのか?と考えたとき、1つの理由は「私自身がシュタイナー教育に救われたから」かもしれません。
長野の自然保育でシュタイナー教育に出会い、「生き方」そのものが楽になりましたし、豊かになったと実感しています。
シュタイナーは、自分の欲や利害を超え、本当に大切なこと、自分の成すべきことを選択し、実行していける人間を『真に自由な人間』と呼びました。
シュタイナー教育が「自由への教育」と呼ばれるのはそのためです。
ずっと子育てよりも仕事優先の生活、やりたいこともわからない自分、それらから解放されるような「真の自由」を、私自身が求めてたのかもしれません。
だからこそ、子供たちには『世界は真である』ことを求め、自分自身を見つけてほしい。
自分の歩む道を選び取れるような教育の環境を経て、社会へと巣立って行ってほしい。
そんな願いから、私たちはシュタイナー教育を選んでいます。
シュタイナー教育は、「子」育てだけではなく、「親」育ての機会も多くあります。
子も親も、一緒に安心して成長できる。
そんな環境が、シュタイナー教育にはあります。
私たちの日々を豊かにしてくれるシュタイナー教育に感謝です。
税所 裕香子
Yukako Saisho
- 居住国 : ドイツ
- 居住都市 : ザールランド
- 居住年数 : 1年
- 子ども年齢 : 6歳、3歳、1歳
- 教育環境 : ワルドルフキンダーガルデン