【オランダ】クラス発表!1年〜6年まで同じクラス?!

こんにちは!オランダでは夏だというのにあまり暖かくない日々が続いています。

先日、娘が通う小学校で次年度からのクラスが発表されました。
9月からgroep3になる娘。遂に小学校1年生の学年を迎えます。

「クラス替えの異議申し立ては受け付けません」

ちょうど次年度のクラス発表が学校のアプリを通して行われた時、私は泊まりがけでドイツ国境近くの学校視察を行なっているところでした。

学校からアプリを通して次年度のクラス発表があり、PDFでクラス分けされたものを見ていました。イメージとしては今のクラスからちょうど半分ずつという感じでそれぞれ2クラスにクラスメイトが分かれいるかな?というところ。

学校から送られてきたメッセージには、

教育において必要なものは、教育のさまざまな側面に関連している可能性があります。たとえば、教科内容の指導や、そのほかの教育的指導、生徒各々の学習時間、フィードバックの与え方、動機付け、学習環境などです。 教育的ニーズは子供ごとに異なります。 たとえば、算数のスキルが不足している子どもは、発達上の利点がある子供とは異なる教育的配慮が必要です。

 これらのニーズを可能な限り満たすためには、教師が生徒の個々の教育ニーズに可能な限り一致できるように、クラスを適切に分けることが非常に重要です。 また、もちろんクラス分けには社会的なつながりにも注目しています。

保護者としてお子さんの友達関係等に関心を持たれている点に関しては承知ですが、学校側としては、それぞれの生徒が最大限に能力を発揮できるよう、教育の質を考えた上でクラス替えを行なっています。よって、この発表後によるクラス変更に対する異議申し立ては受け付けません。

という文言がありました。

つまり、「教育的配慮に基づいたクラス替えに文句は言うな」ということです。保護者として色々思うことはあるでしょう。しかし、全体のバランスや、教育的配慮まで考えた時、保護者にとって必要なのは「まず学校と教師の教育的専門性を信じる」ということなのではないか。とふと思いました。

でも、どうせまたクラス替えはあるんでしょう?

この発表に、私は「当然のこと」として、2年〜3年後のクラス替えを想像しました。しかし、どうやら聞くところによると、特別な事情がない限りこのクラスは卒業まで6年間続くそうです。

もちろん、オランダにある全ての学校がこのような方法をとる訳ではありません。実際にこれまで訪れた学校では数年ごとにクラス替えを行なっているという学校もありました。むしろ、ずっと同じクラスを貫くのは少数派なのでは?と思ったりもします。

「そうか!なら、結構クラス替えって大ごとだね!笑」
と、思い直した私。でもまぁ、「何かがあればクラス替えはあり得る」というところは、考え方によっては結構現実的選択なのでは?と思ったりもします。

仮に、今後クラス替えがあるとすれば、どんな時なんだろう?

同じクラスになったママには上の学年のお子さんがいるので、「これから先クラス替えがあるとしたらそれってどんな時なのかな?」と聞いてみました。

すると、

「今は、教育的配慮と、性別に基づいて男女の数が均一にされている部分があるんだけど、今後子どもたちの中で自分の性自認が変わることもあるから、そういう時はクラス替えが行われることもあるみたい。あと、よっぽど各クラスで友人関係とかから大きな問題が生じた時だとは聞いているわ。」

とのこと。

なるほど、そういう時がきたらクラス替えが起こりうるということなのか。と思いました。

「新しいクラスを聞いてどう思った?」の質問に…

出張から帰宅して、ご飯時に娘に率直な意見を聞いてみました。

「クラス替えの発表あったね〜。聞いた時、どう思ったん?」

すると娘の口からは、

「お母さん、私は誰と同じクラスでも良いよ。誰とでも遊べるもん。」

とあっさり。
私はどんな回答を期待してそんな質問をしたんだっけな。と反省。

確かに娘は特定の友だちばかりと遊ぶことはほとんどなく、男女問わず毎日のように放課後プレイデートをしています。割と幼い頃の私と同じかも。

彼女の発言を聞いて、”クラス”って娘にとっては別にそこまで大きな問題ではないのかもな。と思いました。

「お母さん、グループ(クラス)が違っても、プレイデートはできるやん?」

…ん、まぁそうです。だって今のクラスでも保護者と連絡先は交換してるしね。

もちろん保護者としてクラス替えに対する期待はあるし、子どもにとって第一の理解者としているつもりの人間としては、より良い環境を与えたいなという気持ちはあります。

でも、結局のところ枠の中で人間関係を過剰に捉えているのは大人の方ばかりで、逆に知らぬ間にそういった思考を子どもに対して“勝手に”与えてしまっていることもあるのではないかと気付かされました。

保護者としてどう思いますか?

日本では小規模な学校(クラスが1つしか形成されない学校)ではない限り、小学校において2年〜4年毎のクラス替えは当たり前です。しかし、娘の通う小学校ではいわゆる1年生〜6年生までずっといっしょ(の予定)。

もちろん前に言及した通り、何か特別な問題や配慮が必要になればクラス替えは行われます。しかし、それは「何か特別な必要があれば」に限られます。ここで保護者には「学校を信頼する」という意気込みのようなものが必要になってくるのも事実です。そして、私もまた保護者として学校を一旦信頼してみようと思いました。

保護者として自分の子どもにとって「ベスト」に見えることは、必ずしも学校が見えている「ベスト」とは異なります。我が子のことだけを想い、自己中心的に考え、振る舞うことはある意味簡単なのかもしれません。その安心感は、「何かあれば学校側が話を聞いてくれる」という土台あってこそだとも思います。

「別のクラスから私たちと同じクラスに入ってきたママが、仲良しの子と離れたってことで少し心配そうにしていたんだけど。大丈夫よって伝えたの。だって、私の知る限り次のクラスにいる子たちはとても素敵な子たちばかりだし、何かあれば子どもたちだけじゃなくて、保護者もみんなで考えて乗り越えていけばいいんだから。」

そう。学校とは”学校と子どもたち”だけの場所ではないのだ。

保護者だって学校運営の中で大切な存在で、一緒に考え、子どもたちにとって安心安全な環境づくりをつくっていく人たちなのだ。

ママの一言にハッ気付かされ、これから始まる新しい学年と学校生活を一緒に見守っていこうと思いました。

この記事を書いたボーダレスライター に
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三島 菜央

Nao Mishima

  • 居住国 : オランダ
  • 居住都市 : ハーグ
  • 居住年数 : 5年
  • 子ども年齢 : 8歳
  • 教育環境 : 現地公立小学校

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