【オランダ】小学校のクリスマスパーティー

12/19(木)、娘の小学校で少し早いクリスマスパーティーがありました。
そして、この日をもって2019年の学校生活が終わります。(終業式の代わり)

“木曜日”という少し中途半端な終わり方なのですが、12/20(金)は”study day”ということで、自習日として設定されており。娘の小学校の子どもたちは家で過ごすのです。

パーティー当日、娘は前々から買っておいたクリスマス用のドレスを着て学校へ向かいました。本人はとても嬉しそうで、テンションアゲアゲ。
学校に着いてみると、同じような服を着た子もいれば、普通の服装の子も。
「あの子も着ているのに!」
みたいなことを全く言わないオランダの子どもたちに少し驚きを感じます。

この日は木曜日でしたが、授業は午前中のみで12:00まで。
その午前中、子どもたちは体育館に集まり、これまで練習してきた歌やダンスを披露したそうです。後にその時の動画が送られてきました。

さて、私はというと。
午前中に日本語の授業があったので、午前中はレッスンをしていました。
レッスンを始めようとすると、生徒さんから嬉しいお手紙のプレゼントが。
とても、とてーも嬉しいプレゼントでした!
ひらがなもままらなかったのにも関わらず、ここ数回の授業で急成長。
私のレッスンのおかげ…というようりは、彼自身の努力の賜物。
子どもは自分で学ぶ/成長する力を持っている。
心からそう思う瞬間が何度もありました。素晴らしい!

…さて、話を学校に戻すと。
お迎えの時間に遅れました。笑

今日の11:30に学校でクリスマスマーケットが開催されていることをすっかり忘れていて。
12:00に学校に着くと、娘が担任のそばで泣いていました。爆
担任に、
「忘れてたわね?笑」
と言われ、
「ごめんー!!!!!」
と平謝り…
「ま、あなただけじゃないから大丈夫よ。笑」
と、担任に笑われ。(あ、そうなんだ)
“you can call me bad mama, honey…”と言うと、
“mama is baaaaaaaad!!!!!!”と叫ばれました。
マジですまん。爆

それから家に帰り、ゆったりした時間を過ごしてから、クリスマスディナーのため16:30に学校で再集合です。
このクリスマスディナーでは各家庭から持ち寄った食事を子どもたちが楽しむのですが、事前に各クラスでどんな料理を持ってくるかのアンケートがとられていました。
私は大人向けのスナック係。そう、大人たちは体育館でパーティーなのです。笑

娘と学校に着くと、すでに校庭には多くの生徒と保護者が集まっており。
その一角ではギターを弾いて、コンサート状態。
その後教室に入ると、集まった子どもたちは正装している子も多く。
スーツ姿やドレス姿の子たちもそこそこいました。

いつもの教室はガッツリディナー仕様に変わっており。
暗い教室内には机が並べられ、お皿が置かれ、テーブルライトが置かれ…
なんとロマンチックな!

そして、子どもたちが集まると、ディナーが始まったのでした。
最初にみんなで電子黒板を見ながらクリスマスソングを2曲歌ってくれました。
いわゆる定番のクリスマスソングではなく、クリスマスがどういった意味をもつ日か。
ということを歌にしたものでした。

これには教育的な要素を強く感じました。
…というのも、日本でクリスマスを祝う時、どんな歌を唄うでしょうか。
“ジングルベル”や”赤鼻のトナカイ”など、クリスマスをイベント…
いわゆる“プレゼントが貰える日”としてクリスマスを捉えた祝い方をすると思うのです。

しかし、娘に聞くとこの日を迎えるまで子どもたちは、
“クリスマスという日がどういった意味をもつ日なのか”ということを学んできたそうです。
それは歌を通して、映像を通して、本を通して。

数日前、娘を学校に送った日のことですが、
教室の一角に置かれた置物を指差して娘が言ったのです。
「これがマリアね、これが生まれた赤ちゃん、それからお馬さんのおうちでしょ」
そこには馬小屋があり、イエスキリストが生まれた日の出来事が説明できるだけの人物たちの置物がありました。

もちろんオランダではシンタクラースがクリスマスよりも大きなイベントです。
だから…かはわかりませんが、クリスマスについては、その歴史や意味などを知ることに重きが置かれていて、「プレゼントをもらうイベント!」というようなイメージを子どもたちの多くは持っていない。と聞きました。
しかも特大プレゼントをこの季節に2回ももらうのは、保護者の財布にも大打撃です。笑
(そういう意味でも、クリスマスを控え目にしているのだろうか…?)
実際のところ、オランダの子どもたちはシンタクラースにメインのプレゼントをもらい、クリスマスには小さいプレゼントをもらうようなのです。

話を戻すと、私は娘が4歳という年齢でクリスマスのストーリーを習っていることに驚きを感じました。
これはこれまで何かにつけて感じてきたことではありますが、
“ストーリーを大切にする”という教育の象徴だと思うのです。
もちろんオランダの街中では大人に向けた“クリスマス商戦”という雰囲気もたくさんあります。
しかし、教育では歴史やクリスマスのストーリーを大切にしている。そんな気がするのです。

とにかく、娘のクラスの子どもたちが歌ってくれた唄は“サンタがくる!”というようなクリスマスソングではなく、”クリスマスという日の意味は…”というような歌でした。
とても優しく、柔らかいメロディーに涙が出てきました。

5月からここまで、走り続けてきた日々が報われたような気持ちになりました。
決して平坦ではなかった日々、よく走り続けてきたね。
子どもたちの歌う唄が、そんな風に語りかけてくれているような気がしたのでした。

そして歌が終わると、保護者は体育館へ移動するように言われました。
「え?!子どもたちだけで食べるの?!」
そう、保護者は体育館に移動し、ここからは子どもたちだけでディナーを楽しむのだとか。
まだ4歳…と思う反面、“4歳”を自立した子どもとして扱うオランダの教育文化に驚きです。

そうして、保護者は体育館へ。
体育館はムーディーな雰囲気で、どこからかギターの生演奏も。
テーブルの上にはお酒もたくさん…マジか!笑

クラスで分けられることもなく、全校生徒の保護者同士が自由に会話し、交流する。そういった場所が用意されていました。
私も目が合い”初めまして~”と始まった会話から、複数人と学年の違う保護者と話をしました。
とても楽しかったです。こういう交流、とても大切だと思います。

約1時間してから子どもたちの教室に行くと、ディナーも終わっていました。
とても楽しい時間だったのか、子どもたちはすごく良い表情をしていました。
だって、4歳で、夜に子どもたちだけでディナーを食べる…考えただけでワクワクします!

それから片付けを手伝い、先生に挨拶をして2019年の学校生活が終わりました。
9月からあっという間だったような、長かったような。
うまく説明できない3ヶ月でした。
しかし、間違いなくあまりにも異なる教育文化に驚きの連続でした。
少なくとも自分の中にあった”教育”の価値観が大きく変わった3ヶ月でした。

オランダ語を話し始めた娘の成長が喜びでもあり、まだまだ不安もあります。
けど、母子ともに本当によく頑張った。

「学校楽しかったよね~!」
自転車の後ろで話しかけてくれる娘の声が、何よりのプレゼントです!

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