【オランダ】“何故オランダの子どもたちの幸福度が高いのか”というオランダで紹介された記事

こんにちは!
先日、Facebookを見ていると、私が”like”した”Love The Netherlands”というページがシェアした記事を見つけました。
そのタイトルは、

“Why Dutch Children Are The Happiest Children In The World”
(何故、オランダの子どもたちは世界で最も幸福なのか)

私自身これまで、様々なリソースや周囲のオランダに暮らす人々との会話から記事を書いてきましたが、今回は英文で書かれた記事の内容を紹介してみたいと思います。

ちなみにこの“Love The Netherlands”というページは、国籍問わず約40万人の人々がフォローしています。オランダらしい文化や動画などを紹介していることもあるので、ご興味があればフォローされてみてください。

Why Dutch Children Are The Happiest Children In The World
https://bit.ly/3saBjTk

Dutch Parents are The Happiest Parents In The World(オランダの保護者は世界で一番幸福である)

この記事が最初に「保護者の幸福度」について言及するのは、単純に「子どもが幸せだということは、保護者が幸せだからだ」ということを伝えたいからなのではないかと思っています。

この記事の中ではUnited Nations(国連)の発表で、オランダは世界でもトップクラス(正確には4位)で大人が幸せな国だと書かれています。
以前、私もこれについては記事を書きましたが、この国の大人たちが幸せなこと。それが子どもの幸せに繋がっているというシンプルな構図であることを伝えてくれています。

Dutch Babies Find it Easy to Talk To Their Parents(オランダの子どもたちは保護者と対話することに難しさを感じていない)

これについてはユニセフの発表の結果を見てもわかることですが、オランダに暮らす子どもたちの比較的多くは「(保護者も含めた)周囲の大人に相談できる」というような問題解決策を持っているということがわかっています。

また、記事の中ではオランダの保護者は例え子どもが2歳であったとしても、子どもの行動に関する何かを決定するときに確認する。と書かれています。これはつまり、保護者が子どもを所有物として認識するのではなく、”個”として尊重するように心がけているということかもしれません。
そういった環境の中で「自分の意見や主張は聞いてもらえる」という安心感を得やすい子どもに育ちやすいのではないかと考えます。

Dutch Parents Help Their Children Build a Stable Daily Routine(オランダの保護者は子どものルーティンを確立するための手助けをしている)

記事の中では、オランダで暮らす保護者は子どもたちが日常生活の中で、決まったルーティンを繰り返し行えるよう、その手助けをするように心がけている。と書かれています。特に「寝ること」と「食べること」については、出来るだけ決められた時間に行えるようにしている。とも書かれています。

それは子どもが大きくなってからも言えることで、食事の時間や就寝時間を設定しておくことで、それに合わせて日常生活を送るというタイムスロットが決めやすくなるのかもしれません。ただ、これは保護者が「支配的」であるということではなく、もちろん子どもによってそのルーティンが変化することもあります。

ただ、私の個人的な感想としては、オランダで暮らす保護者は「自分たちがリラックスする時間の確保」にもある程度貪欲であり、添い寝をせずに子どもを寝かしたり、子どもの就寝時間を早めに設定して、夜の時間を大人がゆっくり過ごせるように工夫したりしているような気がします。それはつまり、大人の余白を確保することが、健全な子どもたちの発達にも繋がると考えているからなのかもしれません。

Their Families Eat Together(食事を一緒に食べる)

これは2つ目の「オランダの子どもたちは保護者と対話することに難しさを感じていない」ということと密接に関係している点かもしれません。

この記事の通り、私の周囲のオランダ人保護者たちは「家族で食事を摂ること」をとても大切にしています。家族によっては「◯時に食べる」ということをある意味ルーティン化し、そこが家族のコミュニケーションの核時間となるよう、仕事や予定を調整しているようにも見えます。

そういう意味では「何を食べるかよりも、誰と食べるか」を重要と考え、その時に今日あった出来事や、最近の悩みなども共有できる居場所を提供しているのかもしれません。子どもが成長し、自分の時間を大切にするようになると、家族が落ち着いて顔を合わせ話をすることはますます困難になるかもしれません。

それを失わないよう、小さい頃からの「食事は家族みんなで食べる」というルーティンを当たり前のこととし、成長しても良好な家族関係を維持するように気をつけているのかもしれません。

記事の中では食事の内容に関しても、無理のない食事を心がけているという風にも書かれています。それはつまり、準備に時間がかかるような手の込んだ料理はあまり作らない。という風にもとれます。これは私の周囲の保護者たちにも言えることで「料理がストレスにならないように気をつける」ということなのかもしれません。

Dutch Parents Become a Good Role and Behaviors Model For Their Children(オランダの保護者は子どもたちにとって良いロールモデルになれるように心がけている)

これに関しては、私も周囲の保護者を見ていてそういった行動をよく目にするように思います。”良いロールモデル”とは、子どもにとって嘘がなく、裏表や本音と建前を使い分けない大人ということかもしれません。

記事の中ではオランダの保護者は子どもに何かを頼む時、ただ単に頼むというよりは、きちんとわかりやすく、首尾一貫した態度で臨むと書かれています。もちろんこれはオランダに住む全ての保護者に言えることではありません。

ただ、家族で過ごす時間を大切にする中で対話をする雰囲気が形成され、時にきちんと褒められる親子関係の中では、子どもの心が安定し、子ども自身が悪い行いを止める保護者の気持ちを受け入れられるようになるのかもしれません。記事の中でオランダの子どもたちの中には”ありがとう”や”ごめんなさい”をきちんと言葉にして伝える子どもが多いという風に書かれていますが、私もそう感じることは多いです。

Dutch Parents value their children’s healthy development rather than their child’s achievements(オランダの保護者は子どもが何かを達成したり成し遂げることよりも、健康的で健全な心身の発達を大切にしている)

記事の中でも書かれていますが、オランダにおける教育、特に初等教育では、競争に勝つことや何かを達成することよりも、個々の幸せや発達に重きを置いています。これはつまり、学校における”学び”とは高い点数を取得することや、誰かよりもさらに上をいくような努力をするというものではなく、”学校が安心安全な場所である”という前提で、子どもたち全員が学校生活を安心して楽しめるということを指しているように思えます。

子どもたちが比較されることなく、自分を大切に成長するために必要なのは、彼ら自身が自分の中で成長を感じられることであり、それは決して保護者や周囲の大人によって誘導されるものではない。という考え方です。

よって、子どもたちが小学生の間は宿題を課せられることも比較的少なく、大人の都合によって生み出される”学習に対するストレス”を最小限に抑えた状態で子ども時代を送れるように。という配慮が初等教育では行われているようです。

Dutch Kids Are Encouraged to Play Outdoor(オランダの子どもたちは外で遊ぶように促されている)

地域によるとは思いますが、オランダには日本よりも多くの公園があるように思います。特に私は京都市内で生まれ育ち、比較的 “街”と呼ばれる地域で生きてきました。私が今住んでいるハーグも、近くに観光地を持ち、比較的”街”と呼ばれる地域ではありますが、それでも公園の数は多いように感じます。今思いつくだけでも、自転車で行ける公園が15個以上あるという感じです。

これまでの流れで、オランダの子どもたち、特に初等教育を受けているような年齢の子どもたちは、社会や学校、家族からのプレッシャーを最小限に抑えられる中で育ち、その時間が圧迫されるようなかたちで宿題を課せられることがないという風に書かれてきました。

そういった「自分の自由な時間がある子どもたち」は、公園が多く設置されるような環境の中で、「外で遊ぶ」ということに比較的多くの時間を費やすことができます。もちろん時代の流れとともに、室内でデバイスを見る時間が長くなったりする子どもたちは多くなっているでしょう。しかしそれはオランダだけに言えることではなく、世界的に、特に先進国ではそうなっているのではないかと思います。

ただ、そんな環境の中でも「幼少期を外で遊んで過ごした」と記憶している保護者のもとで育てられる子どもたちは、出来るだけ外で遊ぶことを推奨しているように思います。少なくとも、学校の先生からは「外遊びをしましょう!」と盛んに言われます。娘の年齢(5歳)でも、学校での外遊びの時間は1日2回(各45分)用意されていて、小雨が降っていても平気で遊ばせます。

Focusing on Work and Life Balance(オランダはワークライフバランスを大切にしている)

冒頭にもあったように、「幸福な子どもたち」の裏側には「幸福な大人たち」の存在が欠かせません。そういった意味で、オランダは世界的に見ても「ワークライフバランス」をとても大切にしている国です。

記事にもあるように、平均的な就労時間は29時間とされ、それは1日平均で見ると約6時間という計算になります。その裏には「パートタイマー」と呼ばれる働き方をする人々にも多くの場面で「フルタイマー」と同じ権利が与えられていることに理由があります。

オランダという国において、身を削り働くことはあまり推奨されることはなく(もちろん職種、業種によっては柔軟さを持たないこともあります)、自分が自分らしくあり続けながら働けることが望ましいという共通理解のようなものがあります。

よって、就業時間が比較的短く生きられるこの国の人々は、睡眠時間を長くとることができ、それはつまり子どもたちのために費やす時間を保護者の意志に基づいて確保することができるということかもしれません。

Dutch Fathers Play a More Equal Role In Parenting(オランダの父親は女性と同じ役割を担っている)

これは特にオランダに暮らす全ての保護者に言えることではないと思いますが、オランダでは「水曜日=パパの日」とされています。
もちろんこの「パパ」というのが男性でなければいけないという意味ではなく、保護者が2名いる家庭において「子育てをシェアする」という意味で使われています。

個人的な経験からいくと、学校への見送りとお迎えの場面でも多くの男性を見ます。多くの家庭において「パパママ」という保護者2名がセットだとは思いますが、そう仮定した場合「子育ての分担」だけを見ると、かなり平等な雰囲気を感じています。

これまで出会ってきた保護者の方々に話を聞いていても「家事子育ては分担して行っている」とおっしゃっているご家庭が多く、「それが当たり前」というくらいの印象を受けています。

Dutch Families Have Lots of Vacations(オランダの家族には多くの休暇がある)

記事では、一般的なミドルクラスの家庭においては年間3〜4週間の休暇を取ることができると書かれています。これはこれまで同様、子どもと過ごす時間があるということに繋がると思います。

また、そういった休暇の時にオランダの家庭が好むのが“キャンプ”だと書かれています。これはもちろん家庭によって差もあるとは思いますが、幼少期にキャンプをした経験をもとに、長期休暇には”バン”と呼ばれるキャンピングカーを借りて、ヨーロッパ諸国のキャンピングサイトを巡る…というような休暇を過ごしている家族も見かけます。

キャンプ先では自然の中で自由に時間を過ごす…ただぼーっとした時間を過ごすというように「何もしないということをする」というように過ごす。というように聞いたこともあります。そこにはあまりコストがかからないという利点があり、ゴージャスな旅行よりは自分自身をシンプルな休暇の中で見つける。ということを大切にしているのかもしれません。

The Dutch Citizens Have A Simple Life(オランダ市民は”シンプルな生活”を送っている)

記事の中では、オランダ人は“シンプルであること”を好み、お金よりも時間を優先する傾向にあると書かれています。また、保護者として「もっと欲しい」という欲求よりも、「今あるもの、今持っているもの」に感謝するように教えているという風に書かれています。

確かに生活を見ていても、オランダで暮らす人々の根底には「シンプル」という考えかたがあるように思います。それは物質的なことに限らず、考え方にしてもそうです。

例えば、外食をしたり何かを一緒に購入した時、オランダでは「割り勘アプリ」というものがあります。それは銀行のアプリに付随していたり、独立したアプリでも存在します。キャッシュレスが進んでいるオランダでは、「◯◯さんがいくらで、△△さんに□□円払う」というようなやりとりさえもめんどくさい!という考え方のもと、そういったイノベーションが生まれるのではないかと考えたりします。

幸福な大人の元で育つ、幸福な子どもたち

この記事を読んでもわかると思いますが、結局、子どもたちの幸福度は幸福な大人たちによって支えられています。大人が子どもの幸福を願って、あらゆる改革をしてきたかどうかはわかりませんが、私は結果的にそうなったのではないかと考えています。

そうだとすると、大人が「自分たちが自由に生きたい、余裕のある幸せな人生を送りたい」という強い欲求を持たず、それを動機にして社会を変化させていかなければ、その先に子どもたちの幸せな未来はないように思えます。

この記事を書いたボーダレスライター に
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税所 裕香子

Yukako Saisho

  • 居住国 : ドイツ
  • 居住都市 : ザールランド
  • 居住年数 : 1年
  • 子ども年齢 : 6歳、3歳、1歳
  • 教育環境 : ワルドルフキンダーガルデン

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