【オランダ】終業式なんてないけど、みんなでカバンを投げて夏休みに突入だ!

娘の通う小学校では、7月16日が夏休み前最後の登校日でした。
オランダでは、長期休みの始まりは地域によって異なります。
また、日本のように、学校によっても1日や2日異なる場合があります。

詳しくは、noteの記事をご覧ください。

●オランダの学校教育の特徴(12)<長期休暇の始まりは州で異なる>
https://note.com/naom_27/n/nfa8f716c96eb

ということで、今日が夏休み前最後の日。
そして、9月が新学期の始まりとなるオランダでは、年度末となる日でもあります。

次に学校へ登校する時には、新しい学年になっている。ということで、
今日は1つ上のクラスであるgroep2の教室にお邪魔する日でした。

「次、学校に来た時は、このクラスに入るんだよ~!」

と、子どもたちに理解してもらうために、こういった日を用意しておくのだそうです。

また、娘のクラスの担任は退職するため、9月からは新しい担任になります。
よって、

「新しい教室で新しい先生に会う日」

でもあるそうです。

…ということで、今日娘は
「次学校に来たら、この教室に来るんだな」とか
「次学校に来たら、この先生と一緒に過ごすんだな」というようなことを理解したようです。

日本の教育現場の人事では考えられませんが、人事のお知らせは前年度にしておく。
ということです!

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…さて、今日はお昼過ぎに学校のアプリ経由で、

「今日はカバン投げがあります」

というお知らせが届きました。

….カバン投げ?」

何だかよくわかりませんが、14:50から10分刻みに学年のグループが書かれています。
そして、娘の学年ともう1つ上の学年はどうやら15:00からのグループのようで。

とりあえず、今日は学年最後の日ということで、彼と一緒に14:55には学校へ到着するように向かいました。

学校が近づくと、何やらカウントダウンをしている声が聞こえるような…
しかし、学校に着いた時にはそれはもう終わっており、上の学年の子どもたちが続々と校門から出て来ていました。

そして、15:00が近づくと、ぞろぞろと娘のクラスの子どもたちが担任い連れられて校舎から出てくるのでした。
この様子はいつもと同じで、保護者は学校と道路を隔てる柵のこちら側に立ち、
子どもたちはあちら側(学校の敷地内)に集まっているのでした。

今日は年度末ということもあって、子どもたちはいつもの荷物に加えて、持ち帰らなければいけない荷物も持っています。
それは、学校に保管しておく用のバッグなのですが、上着を入れたり、体操服を入れたりするものです。
小さな身体に大きな荷物。なんとも可愛い姿です。

そして、15:00が近づいてきた時のこと。
あるパパが、

「菜央、こっちだよ!こっちにおいで!見えないだろ?!笑」

と、私を1番前で見えるところまで引っ張ってくれました….
そう、私の身長は152cmしかなく。
「世界一平均身長が高いオランダ」では絶望的な背の高さなのです。笑

彼に案内され、その時を待ちながら、

「こんなイベント、自分が小学生の時はあったの?笑」

と聞くと、

「いや、なかったね。現代っ子のイベントだ!笑」

と笑っていました。

そうしているうちに、担任の声でカウントダウンが始まります。
“10, 9, 8, 7, 6……1!!!”

その声に合わせて、一斉に子どもたちが学校のカバンを空に放り投げたのです。笑

「っしゃぁあぁあぁぁあぁ、夏休みや~!!!!!!!1年終わったあぁぁぁ!!!」

という感じでしょうか。笑

その様子がこちら↓

何とも楽しそうです。

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この様子を見ながら、日本でこんなことをしたらどうなるのかなぁ。と想像しました。
私が思うに、始業式や終業式は厳かなものであり、静かに校長先生の話を聞いたり、担任が教室で1年の振り返りをしたり…そういったものなのではないかな。と思います。

それも悪くはありません。
オランダのように学年の最後の日にカバンを放り投げるのが「良い」という訳ではないのです。

ただ、
「カバンを投げちゃいけない」とか、
「人に当たったらどうする」とか、
「学校が休みになるのがそんなに嬉しいか」とか、

そういった議論をする余地もなく、この「休み」はオランダ人にとって大切なもの。
そんな風に感じたのでした。

子どもたちは学校が嫌いなのではなく、「このルーティーンからの開放」を祝っているのです。

そして、それは子どもたちにとってだけではなく、保護者や社会で働く大人にとっても大切なこと。

「休む」ということの価値や、その必要性を心から感じているのかもしれません。

「楽しい夏休みを!また学校で会おうね!」
そう言って手を振り別れる子どもたちとその保護者たち。

私が話をした保護者の誰一人も、
「毎日子どもが家にいるなんて
というような「夏休みへのネガティブな意見」を口にしませんでした。
(もちろん、感じている保護者もいるとは思いますが)

それは、子どもの存在を負担だと感じないように社会が動かされているからかもしれません。
子どもの学校が休みになり、保護者も休暇を取ることができる
「どんな楽しいことをしようか!」
と、「休み」を楽しむための心の姿勢があるからではないでしょうか。
そういった社会をオランダが作り出しているからではないでしょうか。

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カバンを放り投げ、1年の終わりと夏休みの始まりを祝う子どもたち。
それを笑顔で見守りながら1年よく頑張ったね!夏休みだ!」と明るい声の保護者たち。

私たちは「休む」ということの価値をもっと見つめ直さなければいけないのかもしれません。

「しっかり休む」ということが生産性やクオリティーに繋がっている。
オランダ人はそうやって教えてくれているような気がするのです。

もちろんのこと、この夏休み期間、教師たちは1日も出勤しません。
子どもたちが休みの時は、教師だって休みなのです。
そして、その間に人生を楽しみ、その余裕をもって子どもたちの元へと戻ってきます。

娘にとっても稀有な学校生活1年目ではありましたが、
元気にこの1年を乗り切り、元気で過ごしてくれていることに感謝です。

…さて、最後に学校からもらったものをご紹介。

①学校からは校名が入ったフリスビー

そして、担任からはメッセージカードとシャボン玉を貰いました。

…もう遊ぶ物しかもらってないやん。←

さて、我が家にもやってきた夏休み!
海外旅行は諦めて、何か楽しい企画を考えたいと思います。

子どもたち、先生たち、そして保護者も。お疲れ様でした!また9月に!

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