【シンガポール】できるようになったことを考える
長期休みに入る一か月前に、学校から一通のメールが送られてきました。
学校で今期の成績をつけるにあたって、子どもの自宅学習中の成果をレポートにまとめて送って欲しいとの依頼でした。
今期は新型コロナの影響で自宅学習が多かったため、通常の成績表のほかに ‘Family Observation During HBL.’という項目が追加され、その項目に記載する内容を考えて先生に個別にメールで返信するように、とのことでした。
その項目のコメントを記入するにあたって、注意点も述べられていました。
コメントは肯定的であること。
子どもができるようになったことを書くこと。
子どもと一緒に話し合って考えること。
そしてこのような質問文が例として書かれていました。
- お子さんはどのようなスキルを身につけましたか?
- お子さんは質問をしたり、新しい興味を抱いたりしましたか?どんなことに興味を持ちましたか?
- お子さんは家で何か新しいことを学びましたか?スポーツ、編み物、食事の作り方など。
- お子さんが最もやりがいを感じたことは?
- お子さんが達成したことで最も誇りに思っていることは何ですか?説明してください。
サーキットブレーカー中の私は、子どもたちが集中して勉強をしていないことや寝る時間が遅くなったことなどを怒っていました。
普通だったら、学校にいてできていたはずなのにという考えが頭の中にあり、マイナス方式で物事を考えていたのです。
でも、こうやって考えてみると、長い時間を家で過ごすようになって子どもたちができるようになったことはたくさんありました。
時間に余裕があったので納得いくまで宿題や物事に取り組むこともできたし、うまくいかないことがあったときは、自分で気分を切り替えることもうまくなりました。
食事やおやつを自分で作ることにも挑戦したし、家にあるもので工夫して兄弟で仲良く遊ぶようになりました。
シンガポールでは3月30日(月)20時に、エッセンシャルワーカーに感謝するためにベランダに出て拍手を送ろうというイベントが行われました。
大勢の人がベランダに出て拍手をする姿を見て、子どもたちもエッセンシャルワーカーに感謝する気持ちを身をもって感じることができたのではないかと思います。
私は、子どもや主人と話し合いレポートを先生に送りました。
先生からは、送ったその日のうちに返信があり、
「あなたの娘は、この短い期間で分からないことも多いのに、本当に頑張りました。私たちはあなたとクラスメイトになれて本当にラッキーです。」
と返信が来ました。
先生からメールで返信が来るのも、肯定的な言葉を送ってくれるのもこちらならではだなと思います。
辞書を持ちながらですが、先生とメールのやり取りをできるようになった自分も少し褒めてあげようと思いました。
そして、今でもついつい忘れて怒ってしまうのですが、これを機会に普段から、子どもたちのできるようになったことに目を向けていこうと、そして慣れない英語での学校生活を楽しんでいる娘をもっと褒めてあげようと思いました。