【ニュージーランド】公立小学校の中にあるモンテッソーリクラス

自己紹介の記事にも書きましたが、私の子どもはニュージーランドの小学校でもモンテッソーリ教育を受けています。
子どもが在籍しているのは、公立の小学校内にあるモンテッソーリクラスです。 
今回は、現在子どもが通っている学校についてお伝えします。

学区外からも通えるモンテッソーリクラス

私の子どもは、地元の公立小学校に通っています。その学校にはモンテッソーリクラスが1つあり、そこに子どもが在籍しています。

ニュージーランドでは、モンテッソーリの幼稚園やプリスクールは数多くありますが、小学校は非常に限られています。首都のウェリントンには公立のモンテッソーリスクールがあるようですが、私が住んでいるオークランドにはありません。

子どもが通っている学校は公立で、学区内に住んでいれば誰でも入学することができます。モンテッソーリクラスへの入学はモンテッソーリ教育の経験が条件となりますが、学区外からも生徒も入ることができます。学区外からの生徒は校長との面談が必要になります。私の子どもも学区外から通っていますが、モンテッソーリクラスは学区外から通学している生徒が多い印象です。

トラストによるクラス運営

モンテッソーリクラスは公立小学校の一部ですが、モンテッソーリ教育を実施するためには、資格を持った教師やモンテッソーリ教具など、適切な環境が必要です。そのため、「モンテッソーリトラスト」という保護者が運営する団体が存在し、保護者から「寄付」という形で、国からの補助(公立小学校に対する国からの補助)以外にモンテッソーリ教育に必要な資金を得てクラスの運営をしています。(ただし、寄付は義務ではなく、寄付しなかった場合でも入学や退学の制約はありません。)

モンテッソーリトラストは、もともとモンテッソーリ教育に熱心な保護者の支援から生まれた組織です。

教室内に置かれている教具(こちらはMathの棚)

一般クラスとは別のタイムスケジュール

※公立小学校のクラスを一般クラスと書きます。

モンテッソーリクラスは、一般クラスとは異なるタイムスケジュールで活動しています。校庭や図書館などの場所は一般クラスの子供たちと共有していますが、モンテッソーリクラスの子どもは独自のスケジュールに基づいて行動します。

例えば、一般クラスではMorning tea play(午前のスナックタイムの後の遊び時間)やLunch time play(昼食前の遊び時間)があります(日本の小学校で言うところの中休みとお昼休みですね)。けれども、モンテッソーリクラスの子どもは、Morning tea playがありません。

モンテッソーリクラスの子どもは、一般クラスの子どもよりも遊び時間が少ないです。国際モンテッソーリ協会(AMI)は、午前と午後に90分から180分のWork time(活動時間)を確保することを推奨しており、この時間を削らないようにしているのかもしれません。

また、Morning teaは栄養補給の一環として考えられているようなので、モンテッソーリクラスではその時間も持ちつつ、Work timeを確保するという考えかもしれません。

公立小学校では、始業、終業、休み時間の終わりなど、時間の節目にチャイムが鳴ります。モンテッソーリクラスも始業と終業時間は一般クラスと同じで、校内に流れるチャイムは聞こえますが、日中は独自のタイムスケジュールに従って活動します。そのため、始業やLunch time playの終了を知らせる以外のチャイムが鳴った場合でも、モンテッソーリクラスでは活動を続けます。

クラス内で先生から話がある場合や活動時間の終了を知らせる際は、ベルを使用します。

私がモンテッソーリ教育を続ける理由

アメリカに帯同した際に、知っている教具があれば何とかなりそう、子どもを同じ学校に入れたい、という親目線で探して入った学校でしたが、私自身がそこで子どもが経験するモンテッソーリ小学校教育に魅了されてポッドキャストを聞き始め、研修会に参加し、モンテッソーリエレメンタリーアシスタントのコースを修了するほどになりました。

私が子どもにモンテッソーリ教育を続ける理由としては、

・子どもが学ぶこと自体を楽しんでいる
モンテッソーリ教育では、学年以上の内容にも挑戦できる一方、学年より下の内容も繰り返すことができます。

・実際の社会と同じように活動している
異年齢が混ざって学び、できる人が教えたり助けたりする環境や、プロジェクトごとのグループワーク、プロジェクト後の振り返りなど社会に出たら多くが経験するであろうことを小学校で経験しています。

・AMI(国際モンテッソーリ協会)の資格を持つ先生の元で学ぶことで、世界中で同様の教育を受けることができる

 などがあります。

我が家は引っ越しにより、子どもは10歳と8歳の時点で、4~5つの学校(幼稚園・小学校含む)を経験しています。子どもは順応性が高いとは言え、新たな国や言語の環境に変わることは大きなストレスです。なので、子どもの負担を軽減するためにも、英語のモンテッソーリ教育を続けています。

また、マリア・モンテッソーリ博士はもともと精神科医であり、心理学の考えが元にある教育法であるため、心理学を学んできた私自身にもモンテッソーリ教育の理念に共感できたというのがあります。子どもの成長や発達に対する心理学的な視点を持つ私にとって、モンテッソーリ教育は理想的な教育法です。

私は、教育は子どもと親(保護者)の双方が納得できるものを選ぶのがよいと考えています。その意味で、私の家庭にはモンテッソーリ教育が合っていると感じています。

教室の風景(こちらはCulture(文化)の棚)
※International Peace dayの時期だったので平和のマークや絵が飾られていました。

そして何より、モンテッソーリクラスを訪れたことがある方ならわかるかもしれませんが、教室内には「 Peaceful (平和な」 と表現するのがふさわしい穏やかで平和な空気が流れているんです。

私も時々クラスを訪れますが、毎回、心が安らぎ、温かい気持ちになって帰ってきます。
そのような精神的にも良い環境で、子どもには学ぶ喜びを感じて欲しいと思っています。

この記事を書いたボーダレスライター に
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柴田 裕美子

Yumiko Shibata

  • 居住国 : ニュージーランド
  • 居住都市 : オークランド
  • 居住年数 : 10か月
  • 子ども年齢 : 10歳、8歳
  • 教育環境 : 現地公立小学校(モンテッソーリクラス)

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