【オランダ】3/25 オランダの状況🇳🇱

皮肉なくらい毎日晴天が続いているオランダです。
季節柄なのか、世界各国で環境破壊活動が減少しているからなのか…よくわかりませんが。

帰国してからというもの、目まぐるしく状況が変わりつつあるオランダ。
オランダ日本大使館からはオランダ政府の動向が日本語に翻訳され、毎日のようにメールが届きます。

これまでも自粛規制が厳しかったオランダですが、23日の首相の発表によりさらに厳しいものとなりました。
以下、大使館からのメール。

●買い物と出勤は認められるが、混雑を避けることを求める。外出は可能だが、1.5mの距離を保つことを求める。買い物は同伴者を連れてはならず、一人で行うもののみ認められる。
●自宅に家族以外の者を呼ぶ際は、最大3名までに制限。
●あらゆる場所において、人が集まることを、本3月23日夜から5月31日まで禁止。学校については、現在4月6日まで閉鎖としているが、これを延長するか否かは、現在の措置の効果等を検討の上、改めて決定する。
●各市長は、その権限をもって、海岸、公園等の人が集まることを禁止する場所を指定することが可能。
●経済大臣は、小売り店やスーパーマーケット及び顧客が、1.5mの距離を維持できるような追加的な規制を制定する。
●外出する際、近所や道路の往来においても、3名以上が固まって行動することを禁じる。
●上記のルールに反した場合は、事業主に対しては最大4,000ユーロ、個人に対しては最大400ユーロの罰金が科される。
●家族に1名発熱症状を持つ者が出た場合、陽性判定されていない場合であっても家族は全員自主隔離しなければならない。ただし、必要不可欠の職業に就いている者については、例外もあり得る。
●美容、セラピー等、身体の接触を伴うサービス・店舗は閉鎖する。

ほぼずっと家にこもりっきりの毎日なのですが、さすがに子どもが可哀想なので外出しています。
…が、その外出もうちは早朝にしています。
人が少なく、子ども同士の接触がない時間帯を意識して外出する機会を選んでの外出です。
また、家族であることがわかるよう、身分証明書を携行しています。

子どもにとっては可哀想なくらいなのですが、歩道を人が離合する時もお互い1.5mを維持できるように離合しています。
時にはどちらかが車道に出て離合する時も頻繁にあります。

昨日今日、上の状況に加えて営業している店舗でも入場規制がかかることとなりました。

例えば、今日の早朝に通り過ぎた靴屋さんでは、
”店内の顧客の収容人数は6人までとします”
という張り紙がされていました。

「この店だけかなぁ」と一瞬思ったのですが、
営業を許可されている業種の店舗では、必ずこの張り紙がされていました。

恐らく、日本で暮らしている人たちには今のオランダの状況が想像し難いと思います。
何故なら、街には本当に人がいないからです。みんな自宅か勤務先にいます。
そして、社会的に必要とされる業種の人々以外は、本当に家から出ていません。
外に出るにはそれ相当の理由があるということです。
また、多くの人々は”それ相当の理由”が拡大解釈されてはいけないと理解し始めています。
(先週末くらいまでは、拡大解釈している人たちが多かったため規制が厳しくなったようです)

恐らく、今この状況はオランダで暮らす人々にとって相当なストレスです。
しかし、政府から出されたお達しを”守らずにいこうぜ”という流れはほとんどないように感じます。
この国に暮らす人々は政府からの通達を遵守することで、事態を快方へ向かわせようとしています。
(もちろん全員が遵守している訳ではありませんが)

いつまで続くかわからないこの状況に誰もが不安を抱いていると思います。

でも、人々は、
“誰が保菌しているかわからない状況”に対して当事者意識を持つことで、
自分の身勝手な行動で、見知らぬ誰かに菌をうつさないようにしなければいけない

と、”見知らぬ誰か”への配慮を維持しようとしているように見えます。

きっと、この今の状況は日本とは大きく異なると思います。
2週間前まで日本にいた私としては、日本ではこのような状況にはなり得ないとさえ思います。
そんなことを言いながら、私自身は、オランダと日本の状況を比較して人々の対応について対立させようとは思っていません。

人が複数箇所に同時多発できるようにならない限り、その国、地域の状況はそれぞれの場所によって異なり、それを”二項対立”させて何かを批判することは意味のない行為だと個人的には思っています。

ただ、この状況でオランダに暮らしながら感じているのは、
人々の中に”政府の指示に従う”という市民意識が比較的強く根付いているということ。

「んなこと言われたって無理だよ」
と、言わないだけの制度や意識がオランダで暮らす人々の中にあるということです。

これだけ多くの人々が在宅ワークに切り替わったとしても、インターネットはほぼダウンしないし、
「在宅ワークですね、問題ないです」
と、言えるだけの環境と制度構築のために歩んできたオランダの強みのようなものを感じます。

とはいえ、人と会えばハグをし、キスをするような文化をもった人々は、
きっと目を合わせ、空気を感じ、同じ空間で話をするのが好きな人々だと思います。
早くこの国で暮らす人々が元の生活に戻れますように…心から願うばかりです。

…さて、この状況は一体どこへ向かい、いつ収束するのか。
引き続きオランダの今をアップデートしていきたいと思います。

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