【オランダ】校外学習の引率で見た、学校生活の風景(1)

刺すような寒さのオランダです…
「この寒さはまだまだ序の口!」と言われ慄く私。ははは~

さてそんな寒さの中、初めて娘の小学校の校外学習の引率に行ってきました。
以前、オランダはあらゆる教育活動においてボランティアを募る…という記事を書いたのですが、ついに私にもその番がまわってきました。やったー!

いつもと同じように学校へ向かい、娘を教室にドロップオフ。
そのまま教室に残り、ペアである1番仲良しのママと教室で待つことに。
今日は朝の会が終わってすぐに出発のため、子どもたちはアウターを着たままで座っていました。

毎朝開かれるこの”朝の会”ですが、実際に見るのは初めて。
少しだけ「娘の小学校の朝の様子」を紹介しておきたいと思います。

【挨拶】
朝教室に行くと、まず先生に挨拶です。
教室内にいる担任を見つけて、右手を出し「おはようございます」と挨拶することから始まります。

娘の担任は必ず、「◯◯、おはよう」と名前を呼んでくれます。

【着席】
挨拶が終わると、着席します。
教室では上の写真のように、いつもサークルが組まれています。
真ん中に机があり、机の周りに置かれたイスの上には各自の名前が書かれたネームカードが。
自分のネームカードを探して、カードを机の上にあるカゴの中に入れます。
カードがあった席が、今日のあなたの席。
座席は毎日ランダムなので、それもまた子どもたちにとっては楽しみなようです。

【今日の日直さんは誰?】
娘のクラスでは、担任の両隣に座る子ども2人は”今日の日直さん”です。
これも順番に回ってくるものなので、自分の座席を見つけた時に、「今日は日直なんだ!」と理解できます。
ちなみに娘のクラスでは日直は男女1名ずつになっているようです。

【朝の歌】
全員が着席すると、朝の歌を唄います。
この曲とその歌詞をYoutubeやらでずっと探しているのですが見つかりません!
内容としては、「おはよう!今日も仲良く遊ぼうね、学ぼうね!」という感じです。

【みんなにおはよう】
ここからは今日初めて見た風景です。
歌が終わると担任がフワフワの地球儀を取り出し、自分の右隣に座った日直さんに手渡します。
その時に「おはよう、◯◯!」と、相手の名前を呼びながら渡していました。
そして、次の子が同じように右隣の子に「おはよう、◯◯!」と言って地球儀を渡します。
こうやって、毎日ランダムな場所に着席しながら、クラスの子の名前を覚えていくようです。
最後の子は「おはようございます、Juf(オランダ語で”Ms.”を指す語)!」と地球儀を返していました。

【今日の日直の確認】
地球儀の挨拶リレーが終わると、担任が今日の日直を確認していました。
今日はちょうど、男の子の日直がおやすみ。
ということで担任が女の子の日直に、
「今日、日直のはずの◯◯がお休みだけど、男の子は誰にしようか?」
と聞いていました。
担任が「誰か、日直やりたい人いる?」とみんなに聞き、立候補している男の子がちらほら。
結局、女の子の日直が男の子1名を選び、担任の隣の席に移動していました。
そして、担任は2人の日直に対して、今日の移動の際は1番前を歩くように指示していました。

【今日はどこに行くんだっけ?】
日直も決まったところで担任から質問が。
「今日はどこへ行くんだったっけ?」
それに答えようとする子どもたち。しかし、口々に喋るのは禁じられています。
人差し指を出して(数字の1を表す時の手のかたち)頭の上に上げる。
これが、オランダで発言をしたい時のポーズです。
担任から指名された子だけが発言することができます。
指名された子が喋っている間に割り込むことは御法度。その都度注意を受けていました。

【外で歩く時のルールを確認しましょう】
今日は徒歩での移動だったので、担任が道を歩く時のルールを確認していました。
「ペアで手を繋いで歩く時、友達の手を急に引っ張ったりして良いんだっけ?」
「だめ~!」
という風に、道を歩く時の注意をみんなで確認していました。
ちなみに手を繋ぐペアは、「今日隣に座ったお友達」とのことです。

【トイレに行く子はいますか?】
出かける前のトイレタイム。娘のクラスでは「トイレカード」というものがあります。
トイレに行く時は男子用と女子用のトイレカードを裏返します。
このトイレカード、
表は緑色で”空いてます”
裏側は赤色で”入ってます”

となっています。
よって、クラスにある自分の性別のトイレカードが赤の時は、クラスの誰かが入っているということ。
また、担任は誰かがトイレに行っているということがわかります。(カードの存在を忘れていなければ。笑)
トイレの部屋の数は少なく、他のクラスの子も使うためこのような工夫がされているのかもしれません。

【トイレタイムの間、他の子たちは…】
全員がトイレに行ける訳ではないので、他の子たちは教室に残っています。
しかし、驚いたのが彼らが静かなこと!椅子に座って、騒ぐことなく待っているのです。
これにはもう一人のママと「めっちゃ静かに待つやん…驚」と言い合いました。笑

オランダの小学校では服装もかなり自由ですが、持ち物も結構自由です。
私の記憶では、幼稚園にはおもちゃなどを一切持って行ってはいけなかったし、何か持っていこうものなら(セーラームーンのカードとか、お気に入りのキーホルダーとか?)、先生にとても叱られた気がします。
もちろん母親にも「いらないものは持って行かないように」と言われていました。

しかし、オランダではよほど大きなおもちゃでなければ、家から色々持ってきたりします。笑
もちろん大きめのおもちゃは月に1回ある”おもちゃDAY”に持参するのですが。

「じゃあ、トイレに行ってる子を待ってる間、◯◯と△△、××は、みんなに持ってきたもの見せてあげたら~?」

「…???」←私の頭の中

ということで、今日家から何かを持ってきた3人は、サークル状に座った子どもたちの前を歩き、一人ひとりに何を持ってきたか見せながら歩いていました。笑

ちなみに今日の3名が何を持ってきていたかというと…

・10cmくらいの高さのエルサの人形
・折りたたみ式の鏡
・ピンポン球

・・・笑

それを他の子たちに見せながら歩き、たまに見せられた子が触ったりしていました….
何という面白い時間の消費の仕方。何なの、この時間。笑

こういう時間が時にあるとするなら、子どもたちの中では、
「私も見せびらかしたい!」というのがたくさん生まれて混乱を招きそうな気がするのですが、
オランダの子たちにはそういった”自己顕示欲”みたいなのがあまりないのか…?
とにかく、取り合いになることもなく、揉めることなく終了しました。

【では出発!】
トイレも済ませたところで、出発です。
子どもたちは男女ペアになり、手を繋いで整列。

担任に、
「私は前につくので、途中と最後尾に1人ついてくれますか?」と言われ、途中につきました。
4~5歳の子たちなので結構心配していましたが、まぁまぁ緩めの指示。笑

私としては、
「前と間隔をあけないように歩いて」とか
「ちゃんとペアの子と手を繋ぎなさい」とか
「そんなに大きな声で犬の鳴き真似しないの」とか。笑
とにかく、指示がたくさんあるかと思っていたのですが。

道路を横断する時はそれこそ止まって、後ろのまとまりを待ってから。というのはあったものの。
思ったよりも緩めの指示で、子どもたちも無茶苦茶しないんだな。と思いました。

そして何より、担任は子どもたちを必要以上に急かしません。
大通りを横断する時も、私が盾になって子どもたちを促していたのですが、

「車が止まってくれているから早く渡りましょう~!」
みたいなことは言わないのです。
もちろん子どもたちはわざわざ道の真ん中で止まったりもしませんが。笑
「気を使う」という意味での指示は出していないように思いました。

そこそこ広がって歩道を歩く子どもたちを見ながら、
ベビーカーを押しているお母さんも、
犬を連れたお兄さんも、
自転車を押したおばあちゃんも、
買い物帰りのおばちゃんも、
横断のために止まってくれた自転車や車の人たちも、
みんなニコニコと子どもたちを優先させてくれます。
例え彼らが大声で犬の鳴き真似をしていても(まぁまぁうるさい)。笑

なんだか心温まる光景でした。

子どもは子どものままで良い。
まさにそんな感じでした。

さて、そんなこんなで博物館に到着です!

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