【オランダ】保護者飲み会に参加!

先日、娘の通う小学校の保護者の飲み会なるものがありました。

オランダでは正式な”入学式”というものがありません。
オランダの学校制度については最初の頃の記事をご覧ください。

9月に学校がスタートし、数名、また数名…と娘のクラスのメンバーは増えてきました。
…そして今、ある程度クラス人数が落ち着いたであろう…という時期になり、
ある保護者の人が「保護者で集まろう!」とクラスグループで声かけしてくれたのでした。

そういった保護者の集いが開催されることを聞いた私は、
「どこかのレストランで集まるのかな?」
「何時からかな、子どもたちが学校へ行ってる時間帯?」
などと色々考えを巡らせたのですが、なんと、
平日(木曜日)の20時から、ある保護者宅で
という予定だと判明…..笑

「金曜日じゃなくて、木曜日なのね…」
「そして20時からなのね…」
「しかもその時間&人数で、保護者宅でえぇんか…」
と、色々思うことはあるのですが、
まずは参加するためにはベビーシッターが必要!ということで、
オランダでよく使われているシッターアプリを使ってベビシッターを予約。
この日がシッターとの初対面になると娘も驚くと思うので(寝かしつけもお願いしないといけないし)、数日前に”慣らしシッター”というかたちで私の在宅時にシッターを利用しておきました。

ということで、今回は2回目のシッター利用です!
食事もお風呂も済ませた娘をシッターに預け、保護者会へと向かったのでした。

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お邪魔したお宅はハリウッドスターの家かよ!(行ったことはないけど)、というくらい大きな家で、20名くらいきた保護者を簡単に収容できました。笑
見渡してみると、ほとんどが夫婦での参加でした。

持ち寄りのお菓子として作っていった白玉団子は一際目を引き…
「これなに?!」
という声を上げ、挑戦する人しない人…
結論からいくと“オランダ人のお口には合わない”が適切な表現かと思います。←
「こういう食感のものはオランダ料理にはないわね…笑」
という正直な感想をいただきました。←

さて、私が何故オランダに移住してきたのか…ということが最初のとっかかりとなり。
これまでは話したことのない保護者と色々と深く話をすることができました。

私自身は彼らが親にどう育てられたのか、そして、どんな風に子どもを育てたいのか。
そういったところにとても興味がありました。
「子どもにどういった人間になって欲しい?どんな風に育って欲しい?」
と聞くと、
「幸せになってほしい」
「自分なりの幸せを見つけてほしい」

と恥じらいもなく、みんながそう言うのでした。

「例えば、大学に行って欲しいとか、こういった職業に就いて欲しいとかはある?」
そう聞けば、
「うーん。ないかなぁ。写真家でもダンサーでも、配管工でも大工でも。もちろん経済的に自分を支えられるように、家族を持てばそういう役割を果たせるようにはなってほしいけれど、とにかく自分が幸せだと思える人生を送って欲しい。それが第一ね。」
言い方は違えど、どの保護者もこんな感じの回答でした。
とにかく「本人が幸せだと思う人生を歩んで欲しい」と言うのでした。

「経済的に誰かに頼るような生活はして欲しくないから、だいたいの家庭では18歳くらいになれば家を出るようになるし、親もそうする。最近では物価や住宅の高騰でその年齢が上がりつつあるけど、それでも一緒に住むのは25歳くらいまでね…」
「25歳を過ぎて親と暮らしていたら?」
「状況にもよるかもしれないけど、ちょっとそれは変ね。笑 精神的自立は経済的自立だと思っている人も多いし。自分でやらないと、自分のことは支えられるようにはならないでしょ?」

実はオランダでは18歳になると、保険でさえ親から切り離されると聞きました。
18歳になると社会からある意味、”自立”を促されるのです。

他にも様々な保護者に子育てについて話を聞く中で、オランダの保護者は日本の保護者からするとある意味”ドライ”なのかもしれない。と思いました。

しかし、それは”子離れ”が上手だとも取れます。
そして、多くの保護者が
“私には私の人生があるように、子どもにも子どもの人生がある”
と、自分自身が保護者である前に“1人の人間である”ことを主張するのです。

それはもちろん、保護者であることよりも自分のことの方が大切。という意味ではなく。どちらかを選ぶという、二者択一の話でもなく。

誰しもが持つ”社会的役割”以上に、”一人の人間”として認められることが可能である。
という考えや、社会構造の中で生きているということではないか。と思うのでした。

「この間、学校がぐちゃぐちゃになった様子を見てどう思った?笑」
とある保護者に聞かれ、
「正直、何も知らなかったからストライキか?!と思ったし、元教師をしていた身としては、荒れている教室を見て少し心は痛んだかな。笑」
と言うと、
「日本ではまずあんなことないだろうね~。教師たちも日頃の鬱憤を晴らすために思いっきり散らかしたと思うよ~!笑 でも、これがオランダ人がやることなんだ。笑 僕たちは日本人のように完璧に何かをすることは出来ない人間たちだよ。笑 だからストレスも少ないんだけどね~ははは~!」
と笑い飛ばしていたのでした。

これまで様々なオランダ人と話をしてきた中で一つだけ言えるのは、オランダ人はオランダ文化やオランダ人であることを悲観するような発言はほとんどしない。ということです。

「こんな僕たちおかしいし、狂ってるよね~。笑」
と言いながら、自分たちが自分たちであることを笑い飛ばす人が多いのです。
彼らは自虐的なことを言う時もありながら、自分たちのやり方を愛している証拠かもしれません。
そしてそれが愛らしく、私は好きです。

夜の集いを終え、家に帰ると、娘はもうベッドで寝ていました。
シッターに、
「どうだった?」
と聞くと、
「めちゃくちゃ遊んでいい子で寝たよ~!」
とのこと。
正直、自分不在でシッターに預けるのは少し不安も伴ったのですが。
娘も、親ではない人と楽しい時間を過ごせたのかな?
と、前向きに捉えられるようになったのでした。

…それにしても背の高い人たちを見上げて話をし過ぎたせいか、
首が痛すぎる…泣

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