【オランダ】教師であっても、1人のママという考え方

日本では当たり前のようにわれているLINEですが、アジアを出てみるとほとんどの人が使っていないことに気づかされます。
こちらでは”WhatsApp”というアプリがLINE代わりで、これはFacebookが開発したアプリです。

ということで、こちらで知り合いになった人とはWhatsAppで連絡を取り合っているのですが、娘の通う学校のクラスグループがあります。
明らかに教室にいる生徒の数と保護者の数がミスマッチなのですが。笑
(っていうか、娘のクラスには今何人の生徒がいるのだろうか…)

日本でもたまにあるのですが、オランダでは教師の子どもが学校にいることも少なくありません。要するに、教師とその子どもが同じ学校に在籍している。ということです。

そして娘のクラスにも別の学年で担任をしている先生ママがいます。
「◯◯のママです!グループ4aの担任をしています!子どもは◯◯と△△、△△はグループ3bにいます!」
というような感じで、クラスグループに保護者としています。

その雰囲気は“先生”という感じもなく、どちらかというと”◯◯のママ”の方が色が強い感じ。
「日本ではこんなこと、まずないよな~」と思ったりします。

しかし、学校の教師がママのグループにいると質問もしやすく、
「◯月△日の予定って、学校のカレンダーには詳細がないけどどうなってるの?」
などというママの質問にも、
「その日は・・・」と、教師目線で答えてくれたりするので助かります。
また、オランダの小学校の先生たちはほとんどが17時退勤なので、夜にクラスの保護者同士でディナーに出かける…なんてこともあります。

この辺は日本の”先生”という感覚と、オランダの”先生”という感覚が全然違うなぁ。と感じるところでもあり、教師側も肩肘張っていないところを見ると、社会的プレッシャーも日本ほどない感じがします。

これは、教育というものが学校任せなのではなく、むしろ“家庭でなされるもの”という概念がオランダ人のマインドの1番底の方に薄ーくレイヤーとしてあるから…という気がするのですが、そういった概念もまた教師のプレッシャーを軽くしている…良い循環をしているのかもしれません。

日本ではたまに、
「自分の子どもの入学式に参列するために、教師が勤務先の入学式に休暇を取った」
などという出来事をネガティブなニュースとして聞きます。
自分の子どもにとって大切な入学式や卒業式の日、担任が自分の子どものために式典を休むことに批判的な人も多いようです。それはつまり、「こっちを優先しろ」ということなのだと思います。

これは、教師という職業に従事する人は“生徒に関わることを1番に考えなければいけない”という社会的な共通概念があることによって生まれるのではないかと思います。
そもそもオランダにはそういった”正式な学校行事”というものがほとんどありませんが、きっとそういったことが起きたとしてもほとんど誰も気にしないと思うのです。

少なくとも娘の小学校の教師であり、ママである人たちは、そういったプレッシャーから解放されることで”ママ”として振る舞える。というのがあるような気がするのです。

そういう意味では私自身も、教師も”保護者”であったり、”誰かの家族”だということを忘れないようにしよう。と、オランダにきてから強く思うようになりました。
私自身元教師というのもあって、自分が教師としてやってきたことを同じように学校に期待している…というのが知らず知らずのうちにあったような気がします。

しかし、逆を返せば、オランダの教師たちはそういったものがないからこそストレスフリーで、子どもたちに対して余裕を持って教育活動をしてくれているのだと分かってきました。

これが「うちの子はどうだ」「もっとこうして欲しい」などという要求ばかりが増えると、教師側も過度なストレスやプレッシャーの中で教育活動を行わなくてはいけなくなります。そしてその矛先は、間違いなく目の前の子どもたちに移ると思うのです。(無論、オランダの教師たちは過度な要求に対して「それは私たちの仕事ではない」と言い切る気がするのですが。笑)

よって、何度も書いてきましたが娘の教育に関わる大部分は”私の家庭”に委ねられます。
うちは第一言語が日本語で、第二言語が英語、第三言語がオランダ語となっていて、オランダ語に関しては(今は)私がほとんど助けてやれない状態です。

オランダでは担任との懇談も10分程度しかないし、もちろん相談には乗ってくれるとは思いますが、日本ほど頻繁に何回も何時間も話をして…というのはやってくれません。
ましてや、勤務時間外で面談など絶対にやってくれません。

さらに言うならオランダの教師に「うちの子うまくやってますか?」とふんわり聞けば「うんうん、大丈夫ですよ~」と返ってくることも多く、進学する土壇場になって「あなたのお子さんちょっとヤバイです」なんて言われることも結構多いようで。汗
そうなってくると、ますます保護者の子どもに対する観察力や情報収集、家庭教育力が問われます。

でも、結果的にそれで良いのかもしれません。
学校で1日の大半(7時間ほど)を一緒に過ごす先生がニコニコして、ストレスフリーで目の前の子どもたちに集中してくれているなら。

「これが終わったらあのペーパーワークがある」とか、
「◯◯の打ち合わせがある」とか、
「△時からは保護者との面談がある」とか、
「部活関係の仕事で◯時には体育館に行かなければいけない」とか…

そういったことはなしにして、娘を含め、目の前の生徒たちに集中してくれるのならば。

これはあくまで小学校の教師たちの様子(私が見る限り)なので、中学校、高等学校はどのようになっているのか分かりませんが、これから潜入したいと思っているところです。

また、もう少しするとママグループの会(本当に”みんな”誘われるのか?笑)の食事会が開かれるので、そこで教師のママの話や、他のママたちに色々と話を聞いてみたいと思います。

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