【オランダ】11/6、オランダの小学校の先生たちはストライキを決行

11/6(水)、オランダの公立小学校はお休みでした。
…というのも、小学校の教職員たちがストライキを決行したからです。
これはざっくり言うと「教育予算が足りない!」という叫びです。
そして、小学校教員の賃金における問題でもあります。

実は、彼らが「ストライキを決行する!」と言ってから、驚くことに政府は約4億6000ユーロの追加予算を2020-2021年に投じる。と発表しました。
しかし、娘の学校の報告によると、
「これは短期的な対策でしかなく、長期的な解決に至るものではない」とし、
「引き続きストライキを決行することとします」と書いていました。
まぁ確かに、先の2年に対して臨時的に予算を投入されても根本的解決にはなりません。

私としてはこの「根本的じゃねぇ!」と叫ぶところが、
オランダ人の“本質を捉える力”だな、と感じます。
「少し歩み寄ってくれただけでも良いか…」としないのです。
自分たちが求める権利をどこまでも追求しようと譲らないのです。

私が先日、娘の担任と話をした時、
「日本の公教育に携わる教員には団結権(ストライキ)が認められていない」
と話すと、それはもう目を丸くして驚いていました。
「それでは子どもたちを守ることが出来ないじゃない…」

そうです。
日本の教職員は、生徒たちの教育環境の改善を求めて声をあげることが出来ません。
「自分たちの学校のことは決まった予算で何とかしろ」
悲しいかな、日本はそういった仕組みの中で動いています。

しかし、その予算を決める国会という場で議論をする人たちは、
教員がだけが選んだ人たちではありません。
つまり、国民全体が選んだ人たちが決めた予算の中で、教員たちは働かないといけない。
それは、国民全体が教育問題に関心がなければ、教育予算は増えることもない。ということでもあります。

正直なところ、こうして娘の小学校が休みになると保護者は困ります。
もちろん共働きの保護者も多いため、仕事の都合をつけなくてはいけなくなるのです。
そしてそういった不便さから、保護者も子どもたちも考えます。
(無論、子どもたちは学校がなくてラッキー!となっているかもしれませんが。笑)

少なくとも、
「こんなことが何度も続いたら困る」
と、考えるのではないでしょうか。
そして、その「困る」という困惑や怒りの矛先が現場の教員に向かないのがオランダです。
「どうにかしろ」
と、思うべき相手は、学校現場で働く教職員ではなく、それを司る政府なのです。

そしてもう一つ、その「困る」という経験を実際にすることで、
人々に「自分も社会の一員である」という意識をもたらすのではないか。と思うのです。
私が思うに、オランダの人々は
「声を上げれば何かが変わる」
と、心から信じていると思います。とても純粋に。
そして彼らのそういた思考は、この国で受けてきた教育によるものなのではないか。と思っています。
つまりは市民教育であったり、主権者教育です。

…とにかく、11/6は学校はお休みでした。
そして、私は娘に何故学校が休みなのかを話しました。

まだ4歳の娘にとっては少し難しい話でしたが、
もう少し大きくなって、またストライキがあったとしたら、
自分たちの楽しい学校生活、教育のために闘う先生たちに感謝しよう。
と、話をしてみたいと思います。
そして行末は、そういった社会の抱える課題や問題について家族で話し合えるように。
社会問題に対して当事者意識を持って生きる人間として育って欲しいと思います。

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