【オランダ/ハーグ】我が家のバイリンガル(?)子育て記録②

この記事では日本語教室を運営している我が家で、生徒ではない娘の日本語習得をどのように考え、奮闘しているかということを、備忘録のようにまとめています。(第二弾)

1つ目の記事はこちらから
【オランダ/ハーグ】我が家のバイリンガル(?)子育て記録①

私たちの家庭でやっていることはあくまで「私たち」が納得してやっていることなので、他のご家庭、それぞれのお子さんに必ずしも当てはまることではないかもしれません。

…という姿勢をご理解の上、読んでいただけたら嬉しいです!

①<こどもチャレンジ>の助けを借りる

「1発目から誰かの助けを借りるんかい!」と思われたかもしれません。はい、そうです!笑

我が家では海外移住を決めてからベネッセの「こどもちゃれんじ」に申し込み、実家に届いた教材を定期的に日本から送ってもらっています。教材費は年間約3万円ですが、これが日本語学習の着火剤として活躍してくれるのであれば安いもの!と割り切っています。

実際のところ「しまじろう大先生」の偉業は素晴らしく、娘の日本語学習はしまじろう大先生のおかげで始まったと言っても過言ではありません。笑

ちなみに、1番最初にしまじろう大先生の偉大さを実感したのは、娘がじゃんけんの仕方を知っていた時のこと。
「じゃんけんの仕方知ってるん?どこで覚えたん?」と聞くと、
「しまじろうが教えてくれた!」とのこと。
もう脱帽です。しまじろう先生、もう保護者レベルやん。

さて、ベネッセという企業に関して政治や教育界の中では色々議論はあるものの、娘にとって、その教材の効力は素晴らしいものだと実感しています。(いや、これが彼らの策略の1つなのか?)

ただ、もちろん届く教材を家庭に置いておけば子どもが勝手に目をキラキラさせて勉強に励む訳ではありません。届いた教材を用いて、「どのように子どもにはたらきかけるか」はかなり重要だと感じています。

うちでは届いた教材を一通り私たちが見たり読んだりして確認し、子どもが特定のジャンル(虫や身体の仕組み、天体など)に興味を持ったら、それに関する本をAmazon Kindleの絵本で見つけてきたり、日本の両親にお願いして送ってもらったり、Amazon.jpを利用して本を購入したり…と、「きっかけ」としてこどもチャレンジの教材を活用しています。

教材と子どもの興味がバッチリ合った時のフュージョンは何にも変え難く、脳内ガッツポーズをする次第です。笑

②日本語の課題をやる上での約束を一緒に決める

夫は子どもたちに向けて日本語教室を運営していますが、「子どもとの間の宿題を強制することはない」と言います。やってこないという選択も、忘れてくるという経験も、全てその子の成長として一旦受け止めるとのこと。

そうすることを選ぶ理由はどこからきているかというと、私たちが教師時代に感じた「宿題を出す側」と「宿題を出される側」の関係から生徒の心に生まれていた「とりあえず(めんどくさいこと言われるから)宿題やっておこうかメンタリティ」に対する危機感かもしれません。(どんなネーミング)

私も夫もある程度、教員としてのキャリアを積み始めた頃から、宿題というものは出さなくなりました。私自身は厳密に言うと「やりたい生徒〜やりたくない生徒」に対して本人が望むレベル別の教材を用意して、やりたいのなら取っていきや〜!スタイルで対応していました。あくまでやるかやらないか、何をやるかを自分で決めるということです。

一辺倒に出された強制的な宿題は子どもの主体性を奪い、さらに言うならば、思考する力そのものを奪うのではないか…
しかし、それはある意味「やりたくない」という言葉を受け入れることでもあります。「そっかやりたくないんやね」「やりたくないならやらなくても良いのでは?」そんな余白を残した時の子どもの反応をきちんと観察することも大切なのではないか。我が家ではそんな風に考えています。

よって、娘と日本語の学習を進める時には、やりたいか、やりたくないか、どれくらいなら無理なくできるか、ということを話し合うようにしています。そして、自分で約束したことはやるように促します(もちろんいつも上手くはいきません。笑)。スモールステップで「自由と責任」を経験として学ぶことをサポートしたいなと思っています。

③褒める、めちゃくちゃ褒める、具体的に褒める

「えっ!?もうこんなところまで出来るようになったん?!」
↑全然具体的に褒めていないのですが(爆)、我が家ではとにかく娘が成す全ての成果物を褒めて褒めて褒めまくります。

「お母さんが6歳の時、こんなんできひんかったで…ほんまか…」
「◯◯は最初からできないことも、続けることで出来るようになる。努力の天才やな!」
「この漢字のバランス最高やね、どうやったらこんなん書けるん?!」

などなど。
もちろん娘にはまだまだ出来ないこともたくさんある訳ですが、そんなことはお構いなし。だって、学校でオランダ語を学び、英語も伸びてきて、さらに日本語!?正直、私たちからしてみたら尊敬しかないのです。娘には度々「父と母はあなたを猛烈に尊敬している」と伝えています。嘘ではなく紛れもない本心です。

おかげで娘は今の所、日本語に関してスーパー自信家です。笑
でもそれで良いのだなと感じています。だって、学校でもそうやって褒めて褒めて褒めて育てられているのです。鼻高々になって、いつかポキっとへし折られても大丈夫。その時は思いっきり抱きしめて、話を聞くと決めています。小さく何かを積み上げる時、「私はできる!」という自信は大切です。いつか大海へ出て、謙虚に負けを認めなければいけない時がきても、その時に気持ちを受け止めてくれる人がいれば、きっと強くなれると思うのです。

④興味を持ったものはとことん!

今、娘は空前のポケモンブームの中にいます…クラスではカードをトレードしているらしく、ポケモンカードなど買ったこともなかったのに、何故か「トレードして4枚もらった!」と誇らしげに帰ってきた娘(おいおい、元本どこからきたんやい…爆)。

幸いにも(?)、夫の義則はポケモン世代。幼少期に来る日も来る日もポケモンのことを考えていたという彼は娘にとって「生きるポケモン図鑑」のような存在で、蘊蓄を繰り広げる彼に対して羨望の眼差しを送っていることもしばしば。←

さっきの「こどもちゃれんじ」であったように、娘が興味を持ったものはとことん突き詰められる環境を用意するように心がけている我が家では、ポケモンも例外ではありません。ポケモンの色塗りがしたいと言えば、ぬりえを印刷し、それが何という名前のキャラクターなのかを一緒に調べ、何ならその横にカタカナを書いてしまって(よっしゃ)、「キャラクターの横にカタカナまで書けるなんてカッコ良すぎるやん!?」と褒める。笑

それを繰り返しているうちに、娘はカタカナをほぼマスターするようになりました(ありがとう、ポケモン!!)。

その後、勢いに乗ったのか、冬休み中に娘は「うんこドリル(全ていただきもの)」を3冊一気に終わらせると宣言し、見事成し遂げてくれました。本当に子どもの「好き」の威力はすごいなと思います。

まとめ

海外で暮らすようになって、日本への帰国を(今のところ)予定していない我が家としては、日本語補習校へ通う選択肢もなく、自宅で日本語学習を進めるしかありません。

しかし、それもまた親の務め。夫婦であーだこーだと議論しながら、娘の日本語の発達を見守ることで学ばせてもらっている部分も多くあります。娘にとっては完全に”エクストラ”な日本語学習ですが、今のところ自発的に取り組んでくれている様子。

娘と話し合いながら学習を進めているこの日々の中で彼女の中に「言われてやるのではなく、自分でやると決めてやる」という意志が生まれていてくれると良いなと願うばかりです。

ここから年齢が上がるとどうなっていくのか多少の不安はありますが、その時々で立ち止まり、家族で議論を重ねながら進んでいくのではないかと勝手に予想しています。

備忘録のために残した「我が家のバイリンガル(?)子育て記録②」でしたが、今後も記録のために残しておきたいことが出てきた時はまた書き残していきたいと思います!

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三島 菜央

Nao Mishima

  • 居住国 : オランダ
  • 居住都市 : ハーグ
  • 居住年数 : 5年
  • 子ども年齢 : 8歳
  • 教育環境 : 現地公立小学校

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