【オランダ/ハーグ】オランダの小学校で夫が授業をしました!

こんにちは!
オランダは感染者数がまた増え始めたため、規制が少し厳しくなりました。一方で日本は感染者数が減ってきていると聞いています。日本がこのまま終息に向かっていくと良いなと願っています。

さて、先日、私の夫である義則が娘が通う小学校でクラスの子どもたちに向けて授業をしました。

Kinderboekenweekのテーマ「なりたいものになろう!」

きっかけはオランダで年に1度やってくる”kinderboekenweek”という「読書週間」でした。今年のテーマは「なりたいものになろう!」で、社会にある職業にちなんだ本を読むなど、テーマに基づいた読書週間がありました。

娘の小学校ではこの読書週間に保護者の力を借りまくります。
今回の読書週間、娘のクラスでは、

・生徒のおばあちゃんによる本の読み聞かせ
・裁判官パパによるお仕事の紹介
・遊園地で働くママによるお仕事の紹介
・日本語の先生パパによるお仕事の紹介 ←これが夫

がありました。

夫にやってきたチャーンス!

ある朝、クラスのいろいろを仕切ってくれているあるママが、夫の義則に話かけました。

「あなたのプロフェッションについて、子どもたちの前で話をしてみない?」

義則は、オランダ語どころか英語もあまり話せないのです。笑
でも、彼はずっと「オランダに何か恩返しができるようになりたい」と言っていました。それもできれば教育で。子どもたちに何か自分にできることはないかな。と常々言っていました。

そんな彼にやってきた最高のチャンス!
「はい、やります!!」
と、言ってしまったが最後。チャレンジの始まりです。笑

ママの愛に満ちた言葉

ママは続けました。

「◯◯(うちの娘)はオランダとは違う文化や言語の国からきているでしょう。育った環境も、容姿も違う。そのことに彼女がもっと誇りを持てるようになる機会になると良いなって。クラスの子どもたちにとっても、異なる文化を学ぶとても良い機会だと思う。もっとお互いのことを知って、それぞれの違いを大切にできるように!」

あれ?この人教育者か?
と思うくらい、素敵なメッセージをくれたママ。

私たちの娘のことを、私たちと同じくらい大切に想い、それを行動に変えていこうとする人が保護者に存在する…それに心が打たれました。

もちろん、こういったことをオランダ人全員が考えている訳ではないでしょう。しかし、私たちはこの「愛に満ちた人に出会ったチャンス」をきちんと大切にしたいと思ったのです。

オランダの子どもたちに何を話す?!

それから、義則の挑戦は始まりました。笑
私は彼のアイデアにちょこっと意見を付け加えるだけ。彼が彼なりに考えてチャレンジしたいことを影から応援したいなと思っていました。

オランダ語も英語も流暢に話せない彼は、
「コミュニケーションが十分に取れなくても、楽しいだけじゃなくて、ちゃんと学びにつながる時間にしたいなぁ」
と言いながら、授業でできることを考えていました。

出来上がったスライドは、日本の文化(しかも、ちょっとは子どもたちも知っていそうなこと)をおりまぜながら、要所要所で笑いも取れるように工夫して(笑)ありました。

子どもたちの反応は?!

そして当日の朝、子どもたちの後ろについて校舎へ入り、朝の読書の時間が終わってから、先生が義則の紹介をしたところからスタート!

「◯◯(娘)のパパはオランダ語を勉強中だけど、みんな助けてあげられるかな?」

という先生の質問に、

“Ja!!!”(もちろん!)という子どもたちの声が響き渡りました。

子どもたちはとても集中して義則のプレゼンに聞き入り、時に手を挙げて質問したり、スライドに笑ったりして時間が過ぎていきました。ポケモンの話をすると子どもたちは大喜び。今、クラスではポケモンカードがブームなのです。笑

「日本語」という子どもたちにあまり馴染みのない言語について説明をした後、実際に自分の名前をカタカナで書いてみよう!というアクティビティをしました。その子どもたちの習得の早さ…!!!

そして、折り紙で手裏剣を作り、みんな嬉しそうに自分のカタカナの名前を手裏剣に書いていました。

最後に先生から「本当にありがとう!」というお言葉をもらい、娘とハグをして帰宅したのでした。

保護者からもらった「ありがとう!!」のメッセージ

私が撮影した写真を義則がクラスグループに載せ、
「今日は子どもたちと日本について一緒に学びました。手裏剣を作ったり、名前を書いたり。子どもたちが楽しんでくれていたら嬉しいです!」
とメッセージすると、

「子どもが超興奮しながら名前を手裏剣を見せてくれたよ〜!」
「家でも何回も書いて、何も見ずに日本語で名前が書けるようになっちゃった!」
「我が家では今も手裏剣が家の中を飛んでおります!笑」
「兄弟が羨ましそうに手裏剣を見てる…自分も作りたいって!」
「違う国の文化や言語について学ぶのって最高だと思う!」

など、たくさんえのメッセージをもらいました。

オランダ語を勉強中の日本人が、子どもたちの前で頑張ったことを褒めてくれる優しい大人たち。笑
いつも前向きに接してくれる彼らから、私たちは「人生の姿勢」のようなものをたくさん学ばせてもらっています。

「オランダで生きる日本人」ができること

義則はとても嬉しそうに、
「すごく楽しかった!やっとオランダに少し恩返しができた気がする」
と言っていました。私も同じ気持ちです。

今日の授業を通して、子どもたちにとって「知らない国のこと」「ちょっと知ってる国のこと」になればとても嬉しいと思いました。
自分とは異なる国や文化に対して心無い行動をとってしまう要因の一つが「知らないから」なのであれば、それを「知っている」に近づけることはどれくらいの抑止力になるのだろう。そんなことを思いました。

私たちが少し勇気を出して、行動して、社会や子どもたちのためになることに貢献できるのであれば、それ以上の喜びはないと感じた1日でした!

この記事を書いたボーダレスライター に
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三島 菜央

Nao Mishima

  • 居住国 : オランダ
  • 居住都市 : ハーグ
  • 居住年数 : 5年
  • 子ども年齢 : 8歳
  • 教育環境 : 現地公立小学校

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