【オランダ】教育制度〜日本からオランダへ〜

こんにちは。
今回は、初等教育を中心にオランダの教育制度について記します。

オランダの教育のキーワードは、「選択の自由」「多様性」と私は理解しています。基本的には秋(9月)入学/進学〜夏(7月)卒業/修了で、義務教育は5歳から16歳です。

<教育段階の概要>

  • 初等教育(標準的には4歳〜12歳の8年間)
  • 中等教育(大きく分けると三種類:職業訓練準備中等教育4年間・一般中等教育5年間・大学進学準備中等教育6年間)
  • 高等教育(専門職大学・研究準備大学、大学院)
    ※中等教育の後の職業訓練は半年〜4年と期間も種類も様々

<初等教育>

自由選択式であり、学区はありません。親が近所の学校や子どもに合いそうな学校を選んで申し込みます。
1回目の記事でも書きましたが、入りたい学校が定まっている場合は2歳など早い段階から「入学予定リスト」に登録する保護者もいるようです。

  • 開始:4歳になった月の次の月から、「グループ1」に入る権利があります。5歳からは義務教育です。
  • 期間:標準的には8年間(飛び級する子もいれば、学年を繰り返す子もいるため、実際の在籍年数は個人によります。)
  • 運営母体:地方自治体、宗教団体、NPO団体など※どの運営母体による学校も政府から同等の補助金を得るため、利用者の利用負担はありません。(ごく一部のインターナショナルスクールなどを除く)
  • 授業日:週5日(月〜金)
  • 授業時間:朝8:30〜8:45から、午後15:00〜15:30の範囲が一般的で、水曜は午前のみの学校が多いようです。
  • クラスの規模:国全体の平均では、1クラスあたり23〜24名だそうです。
  • 学校の規模:都市部では全校生徒数が200人未満〜600人以上までと、幅があります。
  • 入学基準:入学”選抜”はありません。定員枠に空きがあり、学校側が受け入れを許可すると入れます。

入学について、少し補足します。
「誰でも入れるの?」という疑問が私にはありました。

今回、学校選択の過程で東京にいる私たちと現地の学校(6校)とウェブ会議を行いました。会議に先立ち、長女の言語的背景や私たちから見たオランダ語のレベルを簡単に伝え、会議でも言語発達は一つの話題となりました。
1校を除いた全ての学校が、「話を聞く限りだと、年齢通りグループ3に問題なく入れるだろう」という意見で、「始めてみて難しいようだったら、グループ2に通ってもいいかもしれない。」という話も数校との会議時に話題になりました。

会議を経て申し込みをする段階では、現在の日本の通園先から「学習のレディネス(準備)が整っているか」意見をもらって欲しいと言われたため、文字や数字を学ぶ準備ができている、社会生活ができている、自分の身の回りのことができる、という3点を保育園の先生に確認し、その通りに記しました。

メインストリームの学校に通うレベルにオランダ語が達していない児童・生徒のためには、ある程度の規模の都市には「オランダ語教育校」があり、半年、1年、など、必要な期間そこに通ってから一般の学校に転校するようです。

今回の話し合いの中では、おそらく出生時から父親とオランダ語でやりとりをしていることから、また6歳と比較的幼いことから、この「オランダ語教育校」は勧められませんでした。

また、特別な配慮や支援を必要とする児童・生徒の場合も、原則的には「一緒に学校に通おう政策」の元、国としてインクルーシブ教育の方針を取っており、入学希望先の学校はその生徒が必要とする支援についてヒアリングする義務があるようです。

さらに、グループ2(5歳)、グループ3(6歳)の学年では、年に二回読み書き障害を含む特別な支援の必要性を判断する目的を兼ねたテストがあるそうです。特別支援教育は私も興味がある分野なので、渡蘭後どこかでレポートしたいと思っています。

最後まで読んでくれてありがとうございます。
次回は、オランダの小学校との個別ウェブ会議の様子についてレポートします。

西山 千香子

Chikako Nishiyama

  • 居住国 : 日本(2021年8月よりオランダ)
  • 居住都市 : 東京(2021年8月よりアイントーフェン)
  • 居住年数 :
  • 子ども年齢 : 5歳、2歳
  • 教育環境 : 公立認可保育園

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