【オランダ】見ているけれど監視しない。オランダ人の手抜き子育て

オランダで暮らし始めてもうすぐ2年。最初の約1年は異国での母子生活に苦労を覚えたこともたくさんありました。
まだ”慣れた”なんて言えませんが、この状況下にも関わらず何不自由なく生きられていることに感謝の日々です。

ここに住み始め、子どもが小学校に通い始めた頃から仲良くしてくれているオランダ人ママは、約1年前に第3子を出産しました。

今約10ヶ月になる3人目の子は、私からしても成長が楽しみで仕方ないくらい可愛いのです!
そんな3人目を育てるママを見ながら、何とも手抜きな子育てにいつも度肝を抜かれています。笑

お腹が大きくても自転車乗ります〜

思い返せば、彼女はお腹が大きくても平気で前と後ろに子どもを2人乗せ、自転車を漕いで一緒に公園へ行っていました。
なんでしょう。とりあえずオランダ人のママたちはタフなのです。(もちろん全員ではありませんが)

夜シフトでも働きます〜

また、看護師としてintensive careで働いている彼女はバリバリ夜シフトなんかもこなしていました。もちろん臨月まで…ということはありませんでしたが、私の記憶が確かであれば出産日の2ヶ月前くらいまでは夜勤務もなんなくこなしていました。

出産は病院で

「お産はどこでするの?」という私の質問に、彼女は、
「自分が医療現場で働いているからか、病院で産みたいのよね。笑」と答えてくれました。
彼女自身、お産に関しては病院を信頼しているらしく、家で産むことは考えたことはないと言っていました。

生まれた!そしてその数時間後には帰宅!!!

驚かれる方も多いと思いますが、なんと海外ではお産の数時間後には自宅に帰されることも少なくありません。オランダも例外ではなく…お産の後、母体と赤ちゃんのチェックが済めば「お疲れっした!」と家へ帰されるそうです…

私は帝王切開で娘を出産したのですが、さすがにその場合は病院に滞在できるそうで。笑
しかし、自然分娩は経験していないので、仮に自分が分娩後数時間以内に家で帰されることがあったら、どんな気持ち…というかどんな状態なのだろう。と思います。

寝かしつけはしない、パパママの人生を中心にした子育て

オランダの子どもたちはよく眠る…
この国にきて、子どもの就寝時間が19時の場合があると聞いた時の驚きを未だに覚えています。
もちろんどの家庭の子どももそうである訳ではないと思いますが、19時に眠る子どもがいるなんて本当か?!という感じでした。

ちなみに、娘のクラスのママは5歳と3歳の子どもを19時にベッドに入れているわよ!とこの間言っていました。

日本人にとっては最大の苦行?でもあるとも言える寝かしつけ。
それについては、アムステルダムにお住まいの三浦さんが面白い記事を書かれているので参考にされてみてください!



寝かしつけ3秒。オランダ式育児が楽な理由

https://note.com/sakiemiura/n/na257626683f6

ちなみに、私たちも娘が生後5ヶ月になるまで、この「寝かしつけ」に苦労していました。
しかし、アメリカに住む大学からの親友に、

「オムツOK、部屋の気温OK 、お腹がいっぱい!の状態であれば子どもの用のベッドで寝かせてOK。泣いても抱き上げない。やってごらん」

と言われ実践してみたところ、2週間で1人で眠るようになってくれたのでした。それからというもの、体力は温存できるし、疲れからくるイライラも少なくなり、ハッピーなことだらけでした。
当初はギャン泣きする娘を放置するのに胸が痛んでいましたが、親友の「近づいて声はかけるけど、絶対に抱き上げない」を守り通した先に寝かしつけフリーの子育てが待っていたのです。

外でもハイハイおっけー!?なんということでしょう

10ヶ月になり、つかまり立ちをするようになった友人の子どもは、天気が良ければ私たちと一緒に彼女の家の庭で日光浴をします。

その時、タイルであろうが芝生であろうが、友人ママは子どもを地面にそっと置き、
「はい遊べ〜!」
と言わんばかりに自由にさせるのです。

ただ、自分でハイハイができ、つかまり立ちができるようになった子どもの行動範囲の広さ!自由を手に入れた彼女は、どこでもズリズリと行ってしまいます。食べ物を渡せば落とすし、落としたものを拾い上げて食べる時に砂やほこりがついていることもあるでしょう。そんなこともなんのその。友人ママはその様子を笑顔で見守っているのです。

その光景を見て、オランダに移り住んだ頃、外のテラス席で食事を食べている両親の足元で、ハイハイしている赤ちゃんを見た時の衝撃を思い出したのでした。

街中にあるテラス席の足元で、赤ちゃんがハイハイをしている…
「きたなーい!!!」
と叫んでしまいそうな光景を私はこれまで何度も見てきました。

オランダの公園は周囲を柵で囲まれていることも多く、地面はフワフワとした地面が整備されていることが多いのですが、そこでも子どもを好きなようにハイハイさせている保護者は結構います。

汚いとか、危ないとか、服が汚れるとか、そんなことは毛頭ない?のか、とにかく赤ちゃんを自由にさせてあげる風景がそこにはあるのです。

もちろん何にでも興味を示す10ヶ月のその子も、庭に出れば落ちている葉っぱを口に入れたりもします。その時も特に慌てる様子もなく、
「はい、食べな〜い」
と口から葉っぱを遠ざけてどこかにやるだけ。

「食べないで!!」と発狂する様子もなく、どちらかと言えば、
「まぁ死なないし」くらいの感じにも見えます。

監視するのではなく、「見ている」という感覚

それはまさに「監視」ではなく「見ている」という眼差しです。
最低限の安全確保はするけれど、そこから免疫をつけることもあるし、食べ物を喉に詰まらせた時もそこまで焦る様子もなく。

「人間には吐き出す能力があるからね。笑」

と、ママはどーんと構えているのです。
もちろん3人目ということもあるとは思いますが、何となく公園やさまざまな場所で周囲を見渡しても気楽に子育てをしている保護者が多いな〜。と感じます。

それはつまり、彼ら保護者自身も「誰かから監視されている」という感覚を持っていないからなのではないか。と思います。

「監視」ではなく「見ている」という視線。
“手抜き”と言えば怒られそうですが、外でもガンガンハイハイさせる子育ての眼差しはいつもゆったりしていて、いいなぁ。と思うのです。

この記事を書いたボーダレスライター に
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三島 菜央

Nao Mishima

  • 居住国 : オランダ
  • 居住都市 : ハーグ
  • 居住年数 : 5年
  • 子ども年齢 : 8歳
  • 教育環境 : 現地公立小学校

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