【イギリス】私はだれ?どこから来たの?

こんにちは。

ロンドンでは、子どもたちの秋休みが終わり、これから2回目のロックダウンもありつつ、どんどん冬に向かっていきます。
日本にいたら、紅葉を観に行ったり、温泉に行ったり、焼き芋やモンブランを食べたいな〜と、楽しい妄想が広がります。

さて今回は、
・IBと子どものアイデンティティ
・大人のアイデンティティ・ロス
について。

これから先、いつか海外で暮らしてみたいな、子育てしてみたいな、留学したいな、そういう方々へ、今回は誰も教えてくれない事を書いていきたいと思います。

海外教育移住や留学の斡旋会社も、海外生活経験者ですら、なかなか教えてくれないことです。
海外生活・子育てで直面する苦悩なのに、あまり表だって情報が流通していないので、余計に困惑することになります。

それは、「アイデンティティロス」。

言い換えるとすると、
私は何者?
私は誰?何のためにここにいるの?
誰の役に立っているの?
私の居場所は?
そんな事を感じるのに、どうにもならないという感じです。

もしかしたら、国内での転居でも、同じことを感じる方がいらっしゃるんじゃないのかな?

海外に住む日本人は、家族の海外転勤で海外生活をする人、自分で希望して海外へ引っ越す人、親が海外に移住した移民2世(以降も有)など、色々なケースがあります。

その中の多くの人が一度は直面する問題なのに、なかなか相談相手がいないし
言えないことでないかと思います。

そもそも、「アイデンティティ」について深く考える機会が、日本の教育や環境ではあまりないと思います。

海外留学や海外ホームステイ、海外一人旅など、そこそこ『海外』に慣れていた私が、長期滞在した最初の国アメリカで、「アイデンティティ・ロス」になりました。
と言っても、当時はそんな言葉も知らず、結構ほんとに辛かったです。

それまでは日本で、自分もガッツリ働いて稼ぎ、社会に自分の居場所があり、自分を取り巻く人間関係があり、自分の欲しいものは自分で買う、好きな時に好きな場所へ行き、好きなものを食べる(という自由)が当たり前の生活を一気に失うのは、かなりのストレスです。

現地で暮らす日本人と、昼間からお茶・ランチしたり、だけでは、気持ちが全然物足りない。けど解消方法も見つからない。

子どもがいれば、子どもが現地社会と親を繋いでくれます。

しかし、子どもがいない場合、かなり積極的に現地社会と関わっていかないと、本当に自分の居場所ってどこなの〜?となります。

現地の言葉ができて積極的な性格、ではなかった私は、それはそれは暗〜い時期を過ごしました。

一方、私の娘たちはどうかというと、住む国が変わっても、大人の私が経験したような「アイデンティティロス」になる事が、今のところはありません。

国をまたぐ引越しをする度に、親が注意して心のケアをしている事ももちろんありますが、そもそも、子どもたちの中に、アイデンティティがしっかりとある、コレが大きいと思います。

娘たちは幼稚園のころから、IBカリキュラムで学んでいます。
カリキュラムの中で幼稚園にいる年頃の時に、「私はだれなのか」を調べる課題があります。

「ファミリーツリー」と言って、いわゆる「家系図」をつくるのです。

海外の映画やドラマでよく、家の壁に家族写真がたくさん飾られていますよね。
あんな感じで、家族の写真を、代々さかのぼれる所までさかのぼり、写真はあるだけ貼る。
ファミリーツリーを作るには、小さい子どもだけでは完成しないので、親も一緒になって作ります。

おじいちゃんの写真がない!と、親に連絡するきっかけになったり、他界した曽祖父の思い出話を子どもに聞かせたり、このおばあさんはいじわるだった、とか毒も吐きつつ、親子で自分たちのルーツを確認する時間は、とても貴重です。

これだけの人が、あなたの命に繋がっているんだよ、と小さい子どもに教えるのです。

住む国が変わろうとも、絶対に変わらないファミリーツリーは、アイデンティティの形成にとても役に立っているようです。

どこにいても、どんな時も、あなたは家族に愛されている、とても大切な存在なんだよ♡

という事を子どもに伝えていきながら、引き続き海外子育てを楽しみたいと思います。

もし、冬休みに時間があったら、ファミリーツリーを作ってみてはいかがですか?

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