【オランダ】見ててね。助けて欲しい時だけ、助けてね!

昨日、5歳の娘が自転車に一人で乗れるようになりました。
日本でもオランダでもストライダーに乗っていた彼女。

オランダに戻ってしばらくしてから自転車を買ったのですが、今後のことも考えて、その時の「ちょうどサイズ」ではなく「少しだけ大きいサイズ」を買いました。
サドルを1番低くしても足がベタっと地面に着くわけではなかったので、補助輪も購入。今までよりも大きい自転車サイズに慣れてもらうために、しばらく時間を要していました。

そして、週末。
補助輪付で大きめの公園へ行き、そこで補助輪を外して練習してみよう!ということになりました。

芝生にレジャーシートを敷いて昼食を食べたあたりから、娘が、
「自転車練習してみる」と言い出したので、補助輪を外して後ろを持つことに。
しかし、サドルの後ろ部分を持って彼女が漕ぐスピードについていくのですが、
「怖いー!」と叫んで、少し心が折れているようでした。

それから、しばらく自転車と距離をあけ。笑
また乗ろうとした時に、「また後ろ持とうか?」と聞くと、「いや、いい。自分でやる」と言うのでした。

まだ少し大きめの自転車。自分で制御するのには大きく、重い自転車です。
ただ、彼女が「自分でやる」と言った以上、見守ろう!と思い、声だけは絶やさず、ポジティブなワードを掛け続けていました。笑

それから娘が戻ってきて一言。
「ここ、ボコボコやからあかんのやわ。向こう行こう」と、公園内の自転車道を指差したのでした。

(アスファルト、転んだらめっちゃ痛いやん…)
と思いながら、彼女の意志を尊重。
アスファルトの自転車道に出て、
「後ろ持つ?」と聞くと、「いい。自分でやってみる」と言うのでした。

とりあえず、彼女が足でパタパタとストライダー風に加速するので、
後ろから走って追いかけます。
ペダルに足を置こうとするも、ペダルの位置つかめない!
後ろから見ていると、何度も脛をペダルにぶつけていて痛そう!!
しかし、後ろからポジティブワード炸裂で追いかける!

すると、ついにペダルを漕ぎ出したのでした。
「うぉおおぉおぉおぉおぉおおぉおぉ!!!!」
と、本人よりも大興奮な私。←
「今乗れてたよな!?すごくない?!え?!!ぎょえー!!」
と、驚く私の顔を見ながら、娘は満面の笑みを浮かべていました。

そして、彼女のその乗り方を見た通りすがりの人たちが、
“goed zo!”(うまいね!上手だね!)と声をかけながら通り過ぎていってくれます。それがまた、娘にとっては嬉しかったようです。

ということで、
「場所が悪い、あちらに移動しましょう」という娘の一言から10分程度で、娘は自転車に乗れるようになりました。

私の記憶では自分自身、何度もこけて、しかも何日か練習してやっとできるようになったような…
あれもこれも、恐らくストライダーのおかげだとは思うのですが、移行がスムーズ!

そして、娘の自転車練習の様子を見て思ったのでした。
「見ててね、助けて欲しい時だけ助けてね」
とても自分本位な考えではありますが、これが子どもの成長に欠かせないもの。
モンテッソーリ教育でも、これが一番大切だと言われています。

そして「助けて欲しい」と言った時には、具体的に何がして欲しいのか、どういった助けが必要なのか、そういったことが説明できる力も必要です。

「転ぶと痛いだろうしなぁ…」と思って私は最初に芝生を選んだのですが、
「ここはガタガタして走れない」と判断した娘の発言をすんなり尊重してあげられて良かった。と思いました。

そして、自分で判断し、行動していく娘の姿を見ながら、
「私たちもまた成長しなければいけない」ということを夫婦で確認しました。

「子どもは子ども」だといつまでも思っていては、
大切な子どもの成長の機会を、わざわざ握り潰すことにもなり得ます。

「やってみたい」
「確認してみたい」
「挑戦してみたい」

そういったチャレンジの先に、
大人が簡単に思いつく「失敗」が見える時があるものです。
「そのやり方では無理なんだよなぁ」
そう思ったとしても、子どもにとってはその「失敗」こそが大切。
まだ失敗を経験していないからこそ、自分の目で、「これは無理なんだな」を経験しなければいけません。
良かれと思って手出しするのは、「これは無理なんだな」という経験に基づいた判例を生み出さない行為になります。

娘が自力で自転車に乗ることを試行錯誤する様子を見ながら、「見守る教育」の大切さを再確認したのでした。

あの時私たちが用意しておくべきものは、

「見てるよ!」というサイン
転んだ時、痛い思いをした時に抱きしめる愛情
「こうして欲しい」という要望があった時、それに応える力
出来た時に、思いっきり喜ぶテンション

だけだったと思います。
教育とは本当にシンプルなもの。そんな風に思いました。

結局、自転車が乗れるようになり、帰りも補助輪なしで家まで帰ってきました。
オランダで自転車デビューです!やったー!!

フラフラしながらも頑張って家まで漕ぎ続けた娘。
後ろから抜かしながらも、笑顔でエールを送ってくれる大人たち。
娘のゆっくりなスピードに文句も言わず、後ろをゆっくり走ってくれる青年。

たくさんの人たちの愛情に包まれて、誇らしげに自転車を漕ぐ娘。

「見ててね!助けて欲しい時は助けてね!」

心に刻み込んだ日となりました。

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